No.4

お昼ご飯を食べた後部屋に戻って少しだけストレッチを行う。どうしても体は硬くなっちゃうからね。少しでも対策しておかないと本当に大変なんだよね。それじゃやりますか。バイザーをつけてっと。そうだ今回は動画にしてみようかな。せっかくチャンネルを作ったのに使ってないんじゃもったいないもんね!ロビーで設定しちゃおうっと。バイザーの電源をつけて私は電脳世界へと沈んでいくのだった。


 ロビーへと入り、体の確認をする。変わらないコウモリの体ではあるんだけどやっぱり少し大きくなった感じがする。


「こんにちはダイヤさん」

「はい。こんにちは。今からログインなさいますか?」

「いえ、まずは動画の設定をしたいんですが」

「分かりました。動画は配信ですか?それとも録画ですか?」

「録画なんですが」


 私とダイアさんはソファーに座り、フレーバーな血液を吸いながら話す。ダイアさんは紅茶を嗜んでいた。いやぁこの血液パック、ミルクティーの味がする。こんな味もあるのか。うまうま。


「分かりました。それでは......こちらを」


 そうして渡されたのは動画の設定に関するものだった。

・動画を配信、録画する時に他のプレイヤーが画面に入ることがありますが初期設定にてプライバシー保護がされているので動画内ではモザイクが常にかかるようになっている。これは配信者にも適用されているので配信、録画をするつもりなら設定から変更しなければならない。

・動画に出たくない人に動画配信のためにその人を脅迫、恫喝等をして設定を無理に変えさせてはならない。もしそのような行為を発見した場合はすぐさま警告し、それを無視した場合現実の法律と電子法に基づき罰する事が可能になります。ばれなきゃいいとか思っている人がいるかもしれませんがこの世界を管理しているAIには筒抜けになりますので安心して捕まってください。

・個人イベントが始まった場合録画、配信が出来なくなります。

・人間種プレイヤー、人外種プレイヤー共に動画内ではきちんと会話が出来るようになります。しかし普段のプレイ内では難しいのでそこはご了承。

・動画を録画、配信するときはパソコンと同期した上、容量をきちんと開けておかないとエラーになり動画が配信できなくなり、録画も出来なくなります。注意してください。

・動画配信者、動画録画者が録画、配信をし始めるとどこからと無く丸い玉が出現し配信が赤、録画が緑に発光します。これは透明にすることは出来ず、頭の上で常に発光します。見ても眩しくはないので視界に入れても問題はありません。

・動画配信については皆様の攻略の助けやちょっとしたお小遣い稼ぎにも利用できますが専用サイトを利用しないと動画のサイズが合わないので気をつけてください。

・動画配信については投げ銭制度もあり、広告収入によっても変化しますので動画配信サイトにてご確認ください。


 投げ銭制度なんてあったのか。しらななんだ。とりあえず今はまだパソコンと同期していなかったと思ったから設定だけしようっと。今動画を配信してもマニアックすぎてね。私の情報をそんなに放出する必要も無い気がするからね。プレイヤーはほとんど人間種だろうからね。いやぁ、人外種プレイヤーってどのくらいいるんだろうね?


 さて、設定をしてっと。あとはログアウトしてからパソコンの方で確認かな。今回はいいか。


「設定は終わりましたか?」

「はい。終わりました。」

「では、始めますか?」

「はい」

「では、行ってらっしゃい」


 そうして私はいつもの洞窟へと転送されていった。あ~また誰もいない洞窟かぁ。


 目を開けるとやはり洞窟で同胞というかコウモリがたくさんいる。ふぅ~む、そろそろ外にも行きたいんだけどまだまだ探索し切れてないからなぁ。一体どこまで続いてるんだろう?何かしらの隠し要素があるのは何となく分かってるんだけどそれがどこにあるのかとかはさっぱりなんだよね。......とりあえず探索と行きましょうかね!


 セーフティエリアを抜けて未探索エリアの探索をする。索敵スキルを使って一応敵の索敵をするけど視界にすでに結構な数の中立モンスターたちがいるわけで、索敵スキルを使用したらマップにも視界以上の敵が表示される。......う~~~~~ん。同族で良かったなぁ。これ同族じゃなかったらアクティブかは分からないけどこの数が相手だと絶対に倒せないと思うのですけど、どうなんですかね?パタパタと洞窟内を探索しながら思うんですよね。


 探索し続けてどのくらいだろ......えっと4時間かぁ。4時間で踏破率はたぶん3割ってところかなぁ。......なんか広くなってない?マップを見比べても中心から端までの距離が長くなってるし洞窟も分岐が多くなっているような印象を受けるなぁ。......これ、どこまで続いているんだろう?セーフティエリアはほどほどに点在しているし探索はそんなに辛くはないんだけど、どうしても視界に入るのは岩とコウモリとネズミやトカゲで代わり映えが全然しない。


 ......そろそろ外に出たいなぁ。でもなぁここまで来たし探索しきりたいとも思ってるんだよねぇ。でもこの洞窟の階層がどこまで続いているのか分からないんだよなぁ。今回は探索を中心にしているからモンスターは倒していないからレベルがまったく上がってないんだよね。......はぁ~~、まだまだかかりそうだよなぁ。


 それでもコツコツと進めますか。そろそろ他のプレイヤーがほしいけどね。ここまでまだ他のプレイヤーに会ったことないんだよなぁ。そもそもの話で人外種は少ないというのは確定しているし人間種のほうも種類があるからそっちでも分断しているだろうしそうなるとやっぱり人外種プレイヤーは少ないでしょうし、そしてこの洞窟がどういう場所にあるのか分からないしね。......はぁぁ~ぁ、そろそろ他プレイヤーと遭遇したいなぁ。


 さてそろそろ探索の続きをしますかね!マップを確認して現在地から......そうだな北に向かおうかな。後ですべての分岐も通るんだけどね。それでも分岐は所々つながってもいるから探索はまだ良いんだけどね。逆にまっすぐ向かうことが出来ないからその点は不便ではあるんだけどね。......さて、まだまだ探索しがいがあるからね頑張ってマップ埋めをしますかね!隠し要素が欲しいんだけどなぁここまで頑張ってるんだし!......邪な事を考えると碌な事にならないから考えない!



 パタパタと飛行しつつ、風魔法の『ブリーズ』を使用してマップ埋めを続けて早2時間!まだ4分の1も埋まってないんですが?!ひ、広くない?!なぁんでこんなに広いんですかねぇ?上の階層の2倍程度はありそうなんですが......。


 っくぅ、泣き言を言っても仕方ないか。頑張って探索しますか!でも探索に飽き始めたから経験値も溜めていきますかね!狩りの仕方を変えてみるかな。今までの方法でも良いんだけど今回は飛びながら、移動しながらでも狩りが出来る方法を考えたいので移動速度は下がるだろうけど頭を咥えて飛行しながら行きますかね!狙うはバット!......と行きたいんですがこの階層はハイバットが主流でバットをあまり見かけない。仕方が無いのでハイバットいきましょう!


 今回の狩りには問題は当然ある。でも探索に飽きてきたからね。なるべく楽しみながら探索したいもんね。さてさて、獲物はどこかなぁ~?あまりレベルが高くてもこっちが大変だもんなぁ。手頃な獲物はいないかなぁ?



 ふらふらというかパタパタというか未だに行ったことのないエリアを探索しながらモンスターを鑑定して手頃な相手を探す。......ふぅむ、私のレベルが低すぎるのかもうレベルが上の相手しかいないじゃないですかぁ。むぅ、仕方ない近いレベルの


______

ハイバット HP261/261 Lv3 状態:飛行中

______


 うん。こいつにしよう。狙っているやつの後ろを飛びつつその時を伺う。......まぁ、基本パタパタと飛んでるだけだしね。さっさと仕掛けようっと。背後からガブッとね!んっ!キウイフルーツ味!これは初めて。そうだ、味を確かめるんじゃなくってと。ん、重いけどなんとか運べるって感じかな。こんなものだったらこれからもやって平気そうだね。


 しかし結構バタバタ暴れるなぁ。けど暴れるたびに私の牙に深く刺さって行ってるからすぐに体力がなくなってポリゴンになった。......ふぅむ。これはいいかも?でもまだやり方を確立してないからなぁ。もう少し頑張ってやり方を確立したいなぁっと。もう少し頑張りますか!


 それからはガブッと噛みついたら他のモンスターも当たってちょっとしたトレインにもなり、頑張ってセーフティへと逃げ込んだ。いやぁ......きついっすね。なんとか逃げ切れたけど確認すると20体ほどのハイバットと3体のユニオンバットがついてきていた。いやぁ......巻き込まれたのはいるよねぇ。こっちに経験値なんて一切入ってませんけどね!いやぁ、なんとか逃げ切れたけどあの方法は今後厳しいかなぁ。セーフティエリアに入ると何故か皆して戦闘意識が消えていくんだよね。いやぁ不思議だなぁ。


 でもセーフティエリアはこっちからも戦闘を仕掛けられないエリアなんだよね。いやぁ助かるね。ここにもモンスターは在中しているんだけどそいつらはバットだったり小動物だったり格下か非敵対モンスターがちょっとした住処として使用しているんだよね。こういう風に他のモンスターも使用している状況があるっているのも面白いよね。さて、トレインの処理は終わったみたいだし、さてマップの徘徊に戻りますかね。



 マップを徘徊していると少しずつマップが埋まり、ようやく半分から4分の3ほど埋まったかな?今の時間は何時かなっとな。えっとリアルで13時50分か。だから10時間くらい探索したのかな?......ブリーズを使って移動速度を上げてこれですか。10時間で4分の3......えぇっとこれは広すぎるのかそれとも私の移動速度が私の感覚よりも遅い可能性が出てきたぞ?人ベースだったらどんなものなんだろ?パーティプレイをするにしても時間がいつも合うわけでもないだろうしね。もし人ベースでこの階層が10時間かかるとなると大変だと思うんだよなぁ。


 時間加速を使っているとしても厳しいような気もするんだけど......あ、でも下の階層に行くだけだったら案外簡単にいけるんだよね。すべての道の合流するところで下の階層へ行く階段はあるわけで私みたいにすべての道をコンプリートして次に進むとかしない限り問題はないんだよね。もう下の階層への階段は見つけてあるからね。大体1~3時間ほどで見つけられるんだけどそもそもここにいるのはほとんどアクティブ、敵対モンスターだからね。そうすると5時間くらいになるのかな?知らんけど


 さて、あと4分の1!頑張りますかね。時間的にはあと3時間もあればいけるはずなんだけど今回のマップに序盤の分かれ道に行けてなくて一回上り階段の方に向かわなきゃいけないんだよねぇ。さて、どのくらいかかるかわかりませんが頑張りますかね!




 さて、と。とりあえず4時間ほど経過したんですが......まだ埋めきっておりません!いやぁ。妙に広くて困ったものですよ。しかもマップを埋めきったと思ったんだけどどう考えても変な空間があってそこを調べるために頑張ってこの力のない体を使い、壁に向かって体当たりを繰り返してやりましたよ!いやぁ、最初に調べた壁の向かい側がギミックになっていたとは......いや、調べたはずなんだけどなぁ?まぁいい。そして!私はこの隠されし場所に足を......違うな。えっと、体を滑り込ませたかな。


 体を滑り込ませると後ろの壁がすぐに閉まり、『ガコン』と音が鳴り目の前の床が動きだし、階段が出現した。......これは隠し的な何かかな?うひょー!楽しみだなぁ。私はルンルンでその階段を降りる。階段を降りていくと途中で何かおかしな感じがし始める。具体的に何かといわれてもわからないけど強いて言うならば壁が異様に綺麗になっているというかこう......整備されているような感じがする。


 それから10分ほど慎重に階段を降りた。そうすると見事に整備された部屋に到着した。そして何よりも目を引くのはこの部屋での中央で鎖につながれ干涸らびている何か。......えぇ~?どういうこと?とりあえずセーフティエリアだから死ぬことはないしダメージ判定も重くはなさそうなんだけどもねぇ?


 とりあえず部屋?というか......なんだろ?なんて言えばいいんだろ。まぁ部屋でいいか。部屋を探索する。部屋を見渡すと装飾もなく、何か特別な感じがあるわけでもないし監獄という雰囲気でもないし、埃も積っているわけでもないから放置されすぎているわけでもなし......う~~む?よく分からんな。


 それで、鎖につながれた干涸らびている何かだけど......人っぽい?いや、なんか翼が生えてるから違うか。......じゃあなんだろ?ん~~?


 とりあえず天井の引っかかりにぶら下がり、考える。ついでにステータスも確認するかな。えっとレベルは上がってないけど風魔法が3になってるしし鑑定も4に上がってる。そして飛行が5まで上がってる。んん、早くレベル上がらないかなぁ。


 とりあえず確認が終わったはいいんだけど全くもって状況は変わってないんだよなぁ。どうしたものか......んん~~。のどが渇いたなぁ、トレインしてから吸ったのは2体くらいだもんなぁ。えっと確かまだ『エルフ』『ギガンテス』『ブラックアウル』かぁ。まだ人型のは吸ったことないからなぁ。ギガンテスを行ってみようっと。エルフとブラックアウルはしまってと。


 ......ん?干涸らびたのが動いた?......ふぅむ?どうしようかなぁ。動いたのは偶然かもしれないけどいい予感がする!えっと血液パックを近くに置いて牙でズバッと!




 私が牙で切り裂くと血液パックから飛び出た血は不自然に空中でとどまり、血液パック自体がポリゴンとなって。消えていくが血液は空中で球状態になった後、球から細い赤い糸のようなものが出てきてゆっくりと干涸らびているものに吸い込まれていく。血が入るたびに干涸らびているのが徐々に人型へと変化していく。肌の色も青白かったのが少しだけ赤みを増し、縛っていた鎖が『ピシッピシッ』という音がしてバラバラに砕けた。


 すべての血液が吸い込まれると干涸らびた人は生気を取り戻し、一見すれば普通の人に見えるが背中に翼が映えてる時点で普通の人ではないのは確定的に明らか!そして一番驚いたのは服を着ていなかったはずなのにいつの間にか服が生成されていたこと。あ、性別は女性で、かなりの美形でもある。


「......」

「......」


 あ、そもそも私しゃべれないじゃーん。あらぁ~どうなるんだろ?


「......」

「......」


 なんか周りをきょろきょろしているけど何でですかね?私?私は目の前で羽ばたいていますが?美人なお姉さんはこちらを向いて


「おぬしが儂を目覚めさせたのか?」

「......」

「......聞いておるのか?コウモリよ」

「......あっ、私か」

「おぬし以外におらんじゃろう......」

「いやぁ、話しかけてくるとは思わなくて」

「はぁ、まぁいい。それで目覚めさせたのはおぬしか?」

「たぶんそう」


 いやぁ、勝手に行ったから驚いたよねぇ。


「ふむ、まぁ血をもらったのは確かだからな。何かしら返さねばなるまい。」

「はぇ~」


 そうなのか。今人型だったら絶対口を開けてたよ。あ、コウモリの状態でも開けてたや。いやぁまさか「のじゃ」口調とは思わなかったよ。


「はぇ~って興味ないのかの?」

「いやぁ、なんか実感がわいてなくて」

「ふむ、まぁそうじゃろうな。」

「それでどうするの?」


 そもそも偶然で復活させちゃったわけだけどそれでなにか貰えるとは思ってもいなかったしなぁ。


「とは言ってものぉ」

「でも今欲しいものは無いんですねぇ」

「ふぅむ、仕方ないのぉ。こっちで適当に見繕うぞ?」

「あ、はい。お願いします」


 見繕うって何かを持っているようには思えないんだけどなぁ。もしかして私たちと同じように収納できる何かがあるのかな?さて、天井に張り付かないとなんかこの体では落ち着かないのでっとパタパタと飛び上がって天井に足を引っかける。現実だと絶対に酔うけどここだと酔わないんだよねぇ。


 私は私でさっき飲めなかった血液パックを飲みますかね。さて、エルフとブラックアウルかぁ。エルフは最後にしようっとそれじゃブラックアウルの血液パックいただきます。んんん、ん?これベリー系の味がする。ストロベリーとかじゃ無くてブルーベリーの方が近い気がする。


 んまんま。チューッとな。さて、飲み終わった。勝手にポリゴンと化してゴミ箱いらずなのがいいねぇ。さて、少し休憩っと。体を伸ばすわけでも無く羽を少し伸ばしてっと。


「ふぅ......疲れた。」


 なんだかんだここを発見するのに時間かかってるしそろそろ休憩を挟もうかな。


「ふむ、よし決まったぞ。降りてくるがよい」

「ん、あいさ」


 パタパタと下へ降りる。


「はい。なんでしょ」

「それでだ儂がやれることなのだがそう多くない。なので儂の血を少しやろう。」

「ん?血を?」

「そうじゃ」


 なんで血を?よく分からないんですけども


「まぁ聞け。儂はこれでも吸血鬼の始祖だ。まぁ訳あってこんなところにいたのだが。」

「はぁ、それで血を吸うとどうなるの?」

「簡単に言うと儂より弱いが強くなるぞ。まぁ一度でも儂に膝をつかせれば儂より強くなる可能性はあるがな」

「そうなの?」


 つまりは強くなれる可能性があるって言うことだよね?それはいいことではないかな


「そうじゃ。まぁ儂はここを出るから会えるかは知らんがな」

「あ~そっかぁ」

「そういうわけじゃ。ほれ少しだけ吸っとくんじゃな」

「は~い」


 パタパタと飛んでいき......そういえばまだ名乗りもしてなかったな。


「あの、今更なんですが」

「ん?」

「ハイバットのアイスノンと申します」

「お、そうじゃな。名乗ってなかったの。儂は吸血鬼始祖【ヘキュラ】じゃ」

「では血を失礼しますね」


 差し出されている指にカプリとな。ん?水?味がしないや。少し吸ったので牙を抜く。


「ふぅ、ありがとうございました」

「気にするでない。さて儂は行くことにする。達者でな」

「あ、はい。」


 そういうとヘキュラさんは霧のようになり消えていった。......さて、戻りますかね。パタパタと羽ばたき、来た道を戻る。そして洞窟の内部に戻ってきたら『ポーン』と機械音が鳴った。なんだと思っていると目の前に



______

『スペシャルクエスト:吸血鬼始祖の復活をクリアしました。

評価:パーフェクト

報酬:『特殊進化クエスト』吸血鬼始祖への道、吸血鬼始祖【ヘキュラ】との友好、経験値、血液パック【ギガンテス】、嗜好用血液パック×25』

______


『レベルが7上昇しました。

現在8になりました。

噛みつきのレベルが4上昇して8になりました。

吸血のレベルが6上昇して11になりました。

風魔法が2上昇しました。

風魔法のレベルが上昇したことにより【ウィンドベール】【ホワールウィンド】を習得しました。

飛行のレベルが2上昇し4になりました。』』


 おっとぉ?これはなかなかに良い物なのでは?特殊進化クエストっていうのが面倒な気がするけどもね、まぁレベルも急激に上がったしいやぁようやく上がったよ。どれだけ経験値が必要なんだか。さて、空きスペースも分かったことだし、そろそろ......行きますか!でもその前にログアウトしようっと。一階まで戻ってからにしようっと。



 そんなわけで無事に一階まで戻ってきた訳です。46分ほどかかりましたよ。けど道中の邪魔なやつは倒したから多少経験値も入ったと思う。あと風魔法のレベル上がった時に覚えた『ウィンドアロー』を使ってみたけども......ちょっとよく分からなかったね。外に出てから検証するよ。うん。


 そんなわけで一回ログアウトをした。ログアウトの前にリハビリルームに案内というかこっちに強制的に移動させられた。まぁいいけども。そして移動してきたところにダイアさんもやってきた。


「お疲れ様でした。お体の方はいかがですか?」

「そうですね......なんか無意識に肩甲骨のあたりですか?そこを動かしているような気がします。」

「なるほど、やはり長時間だと不具合というか勘違いが発生するようですね」


 え、つまり私は実験台としても機能してるんですか?まぁ初めての試みだからすべての人からデータをとるのは分かるけどねぇ。たぶん利用規約にも書いてあるんだろうなぁ。私?私はまぁプライバシーの保護を重点的に見ただけだからね。さて、改めて体を元に戻すというか変なことをしないようにしなければ。


 体を動かすこと10分ほど、ようやく体の感覚が戻ってきてちょっとしたアスレチックもクリアできるようになった。うん、もう戻ったと言っても大丈夫だね。いやぁゲーム内の長時間ログインにはこんなデメリットが出るのか。まぁ当然なんだけどね。人に付属していない機能を使ってるんだから当然だよね。ふぅ。よし、休憩だね。


「ダイアさん」

「はい。どうかされましたか?」

「そろそろログアウトします」

「はい。畏まりました。体の方は大丈夫ですか?」

「たぶん大丈夫だと思います。」

「分かりました。もし現実世界の方で何かしらの不具合があった場合はすぐに救急車を呼んでくださいね?」

「分かりました!」


 ダイアさんからの忠告?心配?をもらったところで私は現実へと帰ってきた。現実に帰ってきたところで少しだけそのまま待つ。万が一何かあったら嫌だからね。よし、とりあえず違和感とかは感じないね。まずは手を動かしてっと、次に腕、そして足を動かしてっとよし、もう大丈夫そうかな。


「ふぅ、疲れた。今は......2時17分?結構経ってるものだね。というかゲーム内で12時間以上あの洞窟で探索してたのか、それはやばいなぁ。でもついに洞窟から出られるんだよねぇ。いやぁ、長かったなぁ。......さてっと」


 ベッドから起きる前にバイザーを外してっと、よし。水とトイレだ。後休憩だね。ずっとコウモリの状態だったから肩甲骨のあたりが羽ばたくようにピクピク動くような感覚がする。う~ん。これもちょっとした副作用と言っても良い物か。......一応レポートというか報告で書いておこうかな。ちゃんと戻ったと思ったけどなんか癖がちょっとついてる感じがする。




 さて、トイレもしたし水も飲んだし書くかぁ。えっと


_____

プレイヤー:【アイスノン】


報告:感覚をゲーム内で戻したが現実にて羽の部分と思われる肩甲骨のあたりがピクピクと動いているような感覚に陥る。

_____


 こんなものかな。これで変わるかもしれないしね。出さないよりは出した方がいいんだよね。さて、トイレ行っている間に感覚が戻ったようで肩甲骨のピクピクは無くなった。あ、それも書いてっと。っこれでいいね。送信っと.....。さて、まだ2時34分か。3時過ぎくらいまでは休憩しておこうっと。


 漫画の読み直しでもするかな。やっぱり電子書籍は楽だよね。どこでも持ち運びができるし汚れがつかないっていうのは当然として無くなったとしてもデータとして保管されるからね。さて、何を読もうかな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

The Fantasy Online 茶影さん @Kurokagesan

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ