約束
そしてゆうくんとラインをするようになって
1ヶ月ちょっとが経った。
彼からも会おう的なニュアンスの事がよく出てくるようになって、
私も早く会ってみたいなと思っていた。
ただ彼はカラオケに一緒に行きたいらしく、
本当に音痴な私は苦悩していた。
けど私もゆうくんの生歌は聞きたい…。
遊びたいならカラオケ誘うしかない。
勇気を出して誘ってみよう…!!!
私『そういえば、こないだ話してたカラオケはどうする?』
ゆうた『じゃあ来週の日曜日はどう?』
私『空いてるよ!じゃあその日にしよう!』
よかった、意外とすんなり決まったな。
ゆうくんも楽しみにしてくれてたら嬉しいな。
ゆうた『了解、ご飯も一緒に作ろうぜ』
私『えっ、いいの?!やったぁ!作ろう!!』
わたしは料理系の専門学校に通っていて、
一応調理師免許を持っているくらい料理は割と作れる。
私の腕の見せ所だわ。
ゆうくんは料理が学生の頃から好きで
昔やってた石橋レシピという番組のDVDを見ながらよく料理を作っているのでかなり得意らしい。
前々から会ったら一緒に作ろうと話していたから
本当にゆうくんから作ろうって言ってくれたのが嬉しかった。
ゆうた『ましろ神奈川の実家住みだよね。
俺んちで大丈夫?』
私『むしろお邪魔していいの?!
何があっても知らないよ!?』
ゆうた『なんだよそれw』
あまり良くないかもしれないけれど、
初対面で男性のお家にお邪魔する事に危機感は全くなかった。
もうかなり好きだったし。
でも流石にないだろうけど写真と全然違う人間だったら
すぐに引き返して帰ろうとは思っていた。
ただ怖いのは苦手なカラオケ…。
これから放課後行けるときはカラオケに行って、特訓しなければ…。
音痴すぎて嫌われたくなかったので、
それからバイトがない日はカラオケに行き、
出来るだけ腹式呼吸で音通り歌えるようにネットで声の出し方とかを調べてそれはもう頑張って練習した。
初めて会う日はバレンタイン後だったので、
せっかくだから手作りのバレンタインプレゼントをしようと思い、計画を立てた。
料理の専門に通ってるって言ったからには、
クオリティ高いのを作らなくては…!!!
たくさん悩んだ末に作る事に決めたのは
私の大好きな
キッフェルという三日月型のクッキーと
チョコレートとホワイトチョコのムース、
塩キャラメルのパウンドケーキの
3つセット。
大分、材料が豪華で大変だけど、
最初の第一印象が重要だわ!
前日から仕込み始め、時間をかけて
キッチンしっちゃかめっちゃかにしながら
本当に頑張って作った。
あとはラッピングして明日を待つだけ。
ラッピングもすごく考えて箱とリボンを選んだから
喜んでくれたらいいな。
ゆうくんに明日の予定の連絡しよう。
スマホを取りラインを開く。
私『ゆうくん、明日は何時集合にする?』
ゆうた『お昼すぎかなー。
俺住んでるとこの駅で待ち合わせね!!』
私『千葉だから遠いかと思ったけど意外と1時間くらいで着くかも!
じゃあ14時くらいにする?』
ゆうた『てか時間決めなくていいよー!
今電車乗ったーとかそういう感じでw』
私『わかた!14時半までには着くようにするわ。』
ゆうた『おっけ!』
私『ゆうくんスマブラ好き?やろうよ。』
ゆうた『すきやで!つおいぞ!
うちにあるから一緒にやるかw』
私『やったー!楽しみ!』
男の子と2人で家でゲームするの夢だったんだよね…!!
嬉しい〜!
お風呂に入ってスキンケアを念入りにして持ち物や洋服、
入念に明日の準備を整えた。
明日はどうなっちゃうんだろう…。
ゆうくんが素敵な人だといいな。
***
私には2歳年上の
という
ネットで知り合って6年以上仲良くしている友達がいる。
1度だけ会ったことはあるけど、
彼は東北に住んでいるので
それ以来は会ってない。
知り合った頃は毎日のように寝落ち通話
(寝てしまうまで電話)を
していたくらいの仲良しだけど
恋愛感情はお互いなく
私のお兄ちゃんのような存在。
今は頻繁ではないけど
お互い暇な時は連絡を取り合っていて、
悩んでる時はアドバイスしてくれたり、
私が泣いて愚痴を言っても優しく聞いてくれる心の安定剤な役割。
私の恋愛遍歴は残さず全て彼に話していたし、彼もその時の彼女の話やトラブル、
惚気を話してくれたりしていた。
そんな彼を私は家族のように思っていて、
とても大好きだった。
私が本当に何でも素で話せる
穏やかでおしゃれでアニメが好きなお兄さん。
その日はなんとなく暇だったので、
ゆうくんのことも話したくて純平にラインしてみた。
私『じゅんぺーーーー!
なにしてんの、こら!』
純平『どした?
ごめんいま絶園のテンペスト観てるから。
あいかちゃん可愛い。』
私『あいかちゃんやばいね。結婚したい。』
純平『今22話』
私『クライマックスじゃん。』
純平『いいとこだけどましろから
ラインきたから集中力途切れた。』
私『ぷん』
純平『なんだよ!!』
私『さみしい〜笑』
純平『早く彼氏作れよ!
あの前髪長いやつ!!!』
ゆうくんのことは既にこの時には純平に話していた。
私『明日遊ぶ…。でもきっとむり…。』
純平『じゃあ諦めろ(^^)』
私『応援してよおおおお!!』
純平『がんばれ
な?
な
な?
な
な
な
な
な?』
私『わーーかった!がんばる…』
純平『俺も彼女ほすぃ』
私『純平は作らなくていい』
純平『ひどい。
なんかすごい肩凝った』
私『わたしも凝った』
純平『揉み合おう(いみしん)』
私『ぐへへへへへ。
おじさんがヤサァしく揉んであげるヨォ。』
純平『腹はNG』
私『でぶ。あごも?』
純平『NG。耳たぶならいいよ』
私『何で耳たぶ…』
純平『葉風ちゃんが言ってた』
私『絶園のテンペストねwwwww』
純平との会話のゆるっとした空気感がとても好きだった。
明日へ向けての緊張も少し解けたけど
ドキドキとワクワク、
ふわふわしたような、ちょっと怖いような
不思議な緊張感を感じて明け方まで眠れなかった。
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