第11話 チャット (2)

23:35 駿[亜由美、起きてる?]


23:36 亜[(ZZZ……のスタンプ)]


23:36 駿[起きてんじゃねぇかw]


23:36 亜[起きてるよーw]


23:37 亜[どしたの、駿くんは寂しくなっちゃったのかなw]


23:37 駿[そうなの、子守唄うたって?]


23:37 亜[wwwwwww]


23:38 駿[冗談はともかく、ちょっと亜由美に相談]


23:38 亜[うん、大丈夫だよ]


23:38 駿[さっちゃんのことなんだけど]


23:38 亜[うん]


23:39 駿[ちょっと心配なんだよ]


23:39 亜[心配?]


23:39 駿[さっき話したけど]


23:40 駿[今日、駅前でさっちゃんと会ってさ]


23:40 駿[ショッピングセンター行ったんだよ]


23:40 亜[うん]


23:41 駿[で、ランチしようと思ってメシ誘ったらさ]


23:41 駿[最初、断られそうになったんだよ]


23:41 亜[あらま、それで?]


23:42 駿[彼女、何て言ったと思う?]


23:43 亜[ん? わかんない]


23:44 駿[さっちゃん、自分とオレが一緒にいるのを誰かに見られると]


23:44 駿[オレが恥ずかしい思いをする、って言うんだよ]


23:45 亜[え? どういうこと?]


23:46 駿[だから、オレさ、何言ってんだと思って]


23:46 駿[さっちゃんとだからメシ食いたいんだって]


23:47 駿[からかうようなヤツいたら、オレに言えって言ったんだよ]


23:47 亜[うん]


23:48 駿[そしたら、さっちゃん、泣き出しちゃってさ]


23:48 亜[えー]


23:49 駿[彼女、異常なレベルで自己評価が低いんだと思う]


23:49 亜[確かに見ていてもそんな感じはする]


23:50 駿[だろ? で、その後に行った、南口のカフェレストランでもさ]


23:50 亜[あー、あの店ね]


23:51 駿[そうそう、あの店]


23:51 駿[ランチのサンドイッチのセット、もんのすげぇぞ!]


23:52 駿[わりぃ、話それた]


23:52 駿[店入った後さ、さっちゃん、気分悪くなっちゃって]


23:53 亜[え? 大丈夫だったの?]


23:53 駿[大丈夫ではあったんだけど]


23:54 亜[だけど?]


23:55 駿[下向いて、目つぶって、意識がどこか飛んでるような]


23:55 亜[あ、初めて会った時と同じ?]


23:55 駿[そうなんだよ、顔真っ青にしてさ]


23:56 亜[ごめん、駿に言うようなことじゃないんだけどさ]


23:56 駿[うん]


23:56 亜[さっちゃん、生理が重いのかな、とか思ってたの]


23:57 亜[貧血起こしちゃったりする子とかもいるしさ]


23:57 駿[亜由美も辛い時は何でも遠慮なく言ってな]


23:57 駿[よく我慢してるの見るからさ]


23:57 亜[いつも気を使わせちゃってゴメンね。本当にありがとう]


23:58 駿[女の子に気を使うのは当たり前だろ、色々あるんだし]


23:58 亜[駿は周りにソレと分からないように]


23:58 亜[いつもさりげなく手を差し伸べてくれるから]


23:58 駿[大した事できてないから、逆にゴメンな]


23:59 亜[ううん、ホントにありがとね!]


23:59 駿[そうそう、さっちゃんだけど、少なくとも貧血ではないと思う]


23:58 亜[そうなの?]


23:59 駿[本人が、貧血みたいなもので、って言ってたから]


23:59 亜[じゃ、何だろ? 何か病気でもしてるのかな?]


0:01 駿[実はさ]


0:01 亜[うん]


0:02 駿[さっちゃん、オレらと昼飯食うじゃん]


0:02 亜[毎日楽しみだわ!]


0:03 駿[昼飯終わって席に戻った後さ]


0:04 駿[同じような感じになってるんだよ]


0:04 亜[え?]


0:05 駿[下を向いて、ギュッて目をつぶって]


0:05 駿[タッツンも気付いている]


0:06 亜[私らとお昼食べるの、ホントはイヤなのかな……]


0:07 駿[そうじゃないと思う]


0:07 駿[あくまでもオレの想像なんだけど]


0:09 駿[オレらと昼飯食うことに、すごく申し訳なく思っていて]


0:09 駿[そんなことをオレらにさせている自分を責めているんじゃないかと]


0:10 亜[ウソでしょ?]


0:11 駿[だって、オレとメシ行くと、オレに迷惑がかかるって、泣く子だぜ?]


0:13 駿[オレが初めて話しかけた時も、何かに絶望したような顔してた]


0:14 駿[彼女、もしかしたら、自分に絶望しているんじゃないかなって]


0:15 駿[心に何か大きなものを抱えちゃってるんじゃないかなって]


0:18 駿[亜由美、大丈夫?]


0:19 亜[ごめん、さっちゃんのこと考えたら、涙が止まらない]


0:20 駿[亜由美、ごめんな、重い話しちゃって]


0:21 亜[ううん、話してくれて、ありがとう]


0:21 亜[私達、さっちゃんに何ができるかな?]


0:22 駿[これまでの話は、あくまでもオレの想像だし]


0:22 駿[さっちゃんの心に土足で踏み込むようなこともしたくない]


0:23 亜[うん、そうだね]


0:23 駿[タッツンとも話したんだけど]


0:24 駿[これまで通り仲良く接して]


0:24 駿[心の雪解けを待つしかないんじゃないかな]


0:24 亜[うん]


0:25 駿[で、助けが必要なサインを見つけたら、積極的に手を差し伸ばそうよ]


0:25 亜[うん]


0:26 駿[あからさまだと、逆にさっちゃんの心を傷付けることになるだろうから]


0:26 亜[うん、そうだね]


0:27 駿[さっちゃんさ、亜由美のこと、優しい、キレイって言ってたじゃない]


0:27 亜[うん、すごく嬉しかった]


0:27 駿[あれは本音だと思う]


0:28 駿[亜由美に憧れの気持ちを持っているんだと思う]


0:29 駿[だからさ、明日からもいつもと変わらず接してあげてほしい]


0:29 亜[うん、当然だよ]


0:30 駿[それプラス、これまで以上にさっちゃんの様子を見てほしいんだ]


0:30 駿[さっきの生理の話じゃないけど、男子には言いづらいこともあるだろうし]


0:30 駿[亜由美だから話せることがあると思うからさ]


0:31 駿[さっちゃん、自分から言い出せないことも多いだろうしね]


0:31 亜[OK、大丈夫、まかされた!]


0:31 駿[亜由美、ありがとう]


0:31 亜[でも、さっちゃんが抱えているものって、何だろうね]


0:32 駿[多分だけど]


0:32 駿[顔のそばかすに絡んだことじゃないかな]


0:32 亜[あー、そうかもね……]


0:33 駿[オレは可愛いと思うけどね、タッツンもそう言ってた]


0:33 亜[私もそう思う! 太もあの写真見て可愛いって言ってたしね!]


0:34 駿[でも、当の本人にしてみれば大きな問題なんだろうな……]


0:34 亜[そうね……]


0:34 亜[でもさ、だからこそ、私らがいるんでしょ!]


0:35 駿[そうだな]


0:36 亜[一緒にお昼食べて、一緒に遊んで、笑って、泣いて]


0:36 亜[さっちゃんに辛い思いはさせないよ!]


0:36 駿[だな!]


0:37 駿[亜由美に相談して良かったよ、ホントにありがとな]


0:38 亜[いいえ、とんでもある!]


0:38 駿[とんでもあるのかよ!]


0:38 亜[www]


0:39 駿[わるいな、遅くまでつきあわせて]


0:39 亜[駿]


0:39 駿[ん]


0:40 亜[駿も抱え込みすぎないようにね]


0:40 亜[私も、タッツンも、太も、みんないるんだから]


0:42 駿[おう、頼りにしてるよ!]


0:43 亜[じゃあ、おやすみ]


0:43 駿[うん、おやすみ、また明日学校でな]


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