1 銀髪のボク少女と落ちる黒色の空。レッツパーリィ
プロローグ
真っ黒な空が落ちてくる。
その空の名はブラック・ワイバーン。
天蓋を覆い尽くすばかりのその巨体。
黒い身体と大きな羽、そして真っ赤な目、その全てが恐怖である。
対峙するのは教会の塔の上に立つ銀色の長い髪を持つ一人の少女。
歳は子供から少女へ一歩踏み出したぐらいであろうか。
彼女はその恐怖の化身に怯むことなく、3つの魔法粒子の塊を自身を中心にして周回させ、空いた左手を細やかに動かし魔力の渦を微調整していく。
「……どうして」
固く結ばれた口元から漏れるのは、この世全ての不条理に抗うかのような怨嗟の言葉。
少女の左手にはまた別の同じような年頃の黒髪の少女の左手が握られていた。
黒髪の少女はひぇぇぇと泣きそうな顔で銀髪の少女の腿部をスカートの上からがっしりとホールドしていた。
「……どうして」
塔上の銀髪の少女と黒髪の少女から離れることしばし、教会の屋根には鼻歌を歌うかのような表情で大型の猟銃型魔法銃を構えた青年神父がおり、さらにその隣には少女とほぼ変わらない年頃の少年が、その煩そうで暑苦しそうな表情を駆使して少女たちにエールを贈っていた。マコトぉ、オレの財布を護ってくれっ!。
ちなみに少年はシャツを来ていたが、下半身はパンツ一丁だった。プリントされた虎が泣いている。
「どうして……こうなった……」
マコトと呼ばれたその銀髪の少女はここに至るまでの出来事を思い出していた。
ひょっとして走馬灯なのかもしれない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます