第16話 正体明かし

…………………………………………


「…あ…あれ 私…」


だんだん視界が広くなり、

目を覚ますと黒い大きなベットにいた。


キョロキョロと辺りを見渡すと、


「ここは…」


この部屋…見覚えがある


以前、ルクシ君と一緒に泊まった

シラトス城の最上階のお部屋!

どうして…私は此処にいるの?


たしか私、舞踏会に参加して

一階の大広間にいたはず…


そうよ、ルクシ君が来るまで、

1人悲しく食事をして…


だけど、知らない男の人が現れて

腕を引っ張られて怖い思いをした所…

シルク様が助けてくれて


それからっ…


「………っ!!…/////」


ボンッと音がたつんじゃないかぐらい

顔全体が熱くなった。


思い出した…私…シッシルク様と…


くっ口付けした…じゃなくて!!

されたんだっけ……

しかも…おっ…大人の…


わー!!思い出すな私////


これはきっと夢よ!!

初対面でいきなり口付けなんて

狂気沙汰だよ!うん絶対に夢!!


でも口に感触が…違う!違う!!


口元をおさえ悶えていると…



バッターン!!!(扉が開く音)


突然、ドアが開いた。


まずい、誰か来た

ベットにヘタリ込むなんて

ハシタナイから降りなきゃっ


バッとベットから降り、

姿勢を正し、ドアの方向を見ると…


魔王「オーロラ 体調は大丈夫?」


「えっ……シルク様っ?!」


シルク様がいて、

心配な顔して私に駆け寄ってきた。



魔王「大丈夫そうだな…

いきなり気絶するから心配したよ」


そう言って私の頬に触れ、

優しくさすった。


『気絶した』…あれは夢じゃないのね

うぅぅ今すぐ顔を覆いたい…

あっあと ち近いです////


もうちょっと距離を…


けど、シルク様の目の前で

そんな失礼な事出来ないし…

まず最初はお詫びとお礼を言わなくちゃ…


「…ごっご迷惑をお掛けして、

すすみません シルク様が私を運んで

下さったのですか?ありがとうございます

それで……あの……」


魔王「なあに?オーロラ」


「私…どれくらい気絶を

していたのでしょうか」


魔王「そうだな 5時間位は気絶していたぞ」


「5時間も……っ!!!」


魔王「ん?オーロラ?」



…5時間も気絶していたなんて…

舞踏会は………もう既に終わっている


どうしよう!!

ルクシ君との約束が…


ずっと終わるまで

待っててくれたのかな


…あんなに優しい子だから

きっと、待っていた……


……それなのに…私は……


「…約束…破っちゃった

エスコートしてくれるって言っていたのに

ルクシ君…ごめんなさい」


…もう二度と会えないんだろうな…

最後に一目でもいいから会いたかった…


そう思うと悲しくなって…


シルク様がいるから、

涙を必死に止めようとしたけど駄目で……

ついには…涙がぼろぼろと溢れてしまった。


魔王「どっどうしたの?オーロラ

調子が悪いのか?」


「……申し訳ございません

シルク様…無様姿を見せてしまい…」


魔王「……その涙は…

もしかして…好きな男を思って泣いて

いるの?」


『好きな男』……ルクシ君は歳下で子供で

大人が子供を好きなるなんて可笑しい

……最初はそう思っていた。


…だけど…今はもう…



「……はい…大好きです

…でも私のせいで二度と会えなく

なってしまいました…ぐす…」


可笑しいだなんて思わない

胸が苦しくて、とても痛い…

本当にあの子の事が好きなんだから



魔王「オーロラ 安心して…

二度と会えないとか 無いから

と言うか させないから」


「…………………へ?」


魔王「それにオーロラから大好きって

言われるなんて夢みたいだ

僕たち両想いだね」


「…….えっ……えっと……?」


シルク様の言葉の意味が分からず、

涙が引っ込み呆然としていると…



魔王「もうっ…

『おねえちゃん』は鈍感なんだら、」


「……!!…その声色……

まさか…?!」


シルク様がにっこり笑い

呪文を唱えると、

一瞬にして ルクシ君の姿に変わったんだ。



なんとルクシ君は

『シルク様』だった。


魔王「ほら!これで離れ離れじゃないでしょ」


「……ルクシ君がシルク様……」


魔王「…ごめん 騙したつもりはないんだ

これは…その…訳があってだな……」


そう言って、苦笑いをして、

シルク様は元の姿に戻った。




「……………………」


……これは夢なんだろうか

たしかにルクシ君がシルク様なんじゃ…と

疑っていた時もあったけど…


まさか本当だったとは…

でも目の前にルクシ君がいるし…


なら…ちょっと試しに…


魔王「オーロラ?」


私は手を挙げて、

自分頬に思いっきりビンタをした。


バッチーン!!!


魔王「えっ ちょと…オーロラ?!

何しているの?!」


「いたた……失礼しました」


…うん ひりひりして痛いから

夢じゃない……と言う事は……


今まで、ルクシ君だと思って

生活した日々は……

実際は、シルク様と一緒に生活していた。


……あれっ…これって非常に

不味いんじゃ……


私は何をやらかしたっけ…

今までの生活を思い返せ


必死に頭を巡らせると…



・子供扱いした


・狭い部屋で一緒に暮らした


・一緒に寝たり、お風呂にも入った


・貧困生活を送らせた


・シルク様がいる前で着替え


・その他、色々



「…………………ひぇ…」


魔王「ん?今度はどうした?

何故、顔が青く…まさか

まだ体調が悪いのか?!」


今までの愚行を全部思い出し、

サー…と頭の中で血が引くのが

分かった…


どうしよう…

シルク様に対して、

非礼な行動をしてしまった…


つまらない物も見せてしまって…

性犯罪でも罪にかけられる…


やってしまったのは、

もう仕方ない…

ここはちゃんと自首しよう…


私は意を決して、

シルク様の目の前で

両手を出した。


魔王「ん?これは一体…?」


「……自首します」


魔王「何故?!意味が分からない!

何言っているんだオーロラ 落ちついて」



何故ってそれは…


「……私…シルク様に対して、

数えきれない程、非礼な事をしました

見たくない物も見せてしまって…

罰は受けます、何でもしますので、

どうか命だけは……」


魔王「非礼…見たくない物…

それ本気で言っているのか?」

(なんだか…僕達の生活が否定されている

感じで…とても嫌だ

それに見たくない物って

裸の事か?綺麗なのに何を言っているんだ

自分の身体を卑下しないで欲しい)


「はっ…はい 本気です」


あっあれ、シルク様…

怒ってる?何で?


魔王「それに…『何でもする』と

言ったね」


「はいっ!どんな罰も受けます!」


魔王「…わかった

じゃあオーロラ、先に言うけど

ごめんね」


シルク様がそう口にした瞬間、

目に見えぬ速さで私を抱え込み、

急ぎ足ですたすたと歩き出し


黒いベットに私を下ろした直後、


ボスン!!


私を仰向けにして、

その上にシルク様が乗り出した。


「…………っ?!……」


重くて動けない…

シルク様…目がギラギラしていて

とても怖い…

何を始めるつもりなんだろう


「シルク様…これ一体……あの」


魔王「『何でもする』って言ったよね

なら、心も身体もオーロラの全部、

僕にちょうだい?」


「……?!…心も身体も??!

ままま待って下さい……私より

シルク様にはもっと素敵な…

お気をたしかにっ!!

わっ私、処女なんです!!」


『処女』と言う言葉で

大抵の男性は絶対嫌がるはず


両手で必死にシルク様を

押そうとするがビクともしない…


魔王「僕はオーロラじゃないと嫌だ

あと、僕も初めてだから安心して

じゃあ、いただきます」


シルク様に頭を抱えられ、


「あのっ私…シルク様とは…

初対…んぅぅ…」


次の言葉は言わせないと

目で訴えられてから

私の口は彼の口に塞がれた。


























  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る