間話 ある坊々の計画②
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※コバルト(坊っちゃま)side
魔王様がシラトス城に戻って
3日後…
親父とお袋が旅行から帰ってきた。
アイツらは相変わらず、
好き勝手に 位が低い人々を
暴言を吐き、暴力を振るっているが…
「残り3週間だ…」
領主「どうしたんだ コバルト?」
「あぁ、ダディ 舞踏会が残り3週間だから
とっても楽しみで、俺、何着て行こうかなと思って赤色の目立つスーツがいいなぁ
お願いだよダディ」
領主「ははっこいつ、安心しろ
赤いスーツをいくつか発注しているぞ
楽しみにしてくれ」
「本当か?ありがとうダディ!大好き!」
残り3週間…
こいつらのタイムリミットも…
俺が嘘の演技をし続けるのも…
そして…使用人達が自由になれるまで…
「じゃあ、ダディ!俺、使用人どもの所へ
いくわ コキ使いまくるぞ
スーツよろしくな!」
領主「ああ、お前の威厳使用人どもに
見せつけるだぞ!」
誰が暴力なんてするか、
俺はお前らと違う!!
……何としても、
成功させないとな…
本当はこんな大ごとには
なって欲しくなかった。
自分の力で両親を説得して、
改心させたかった…が…
何度かやってみたが駄目だった…
返って状況が悪化した、
そして、最悪な結末になってしまった
3年前…
俺が出しゃばった所為で、
『あの子』が両親に殺されてしまった
オーロラと同じ人間の女の子…
俺の大切な…
…本当に助けられなくて ごめん…
毒に侵されて、苦しんで…
その状態で崖から落とされて、
きっと…地面に叩きつけられて
…悔しかっただろうな…
苦しかっただろうな…
あの頃を思い出しては、
つうと一筋の涙が溢れた。
…忘れちゃいけない
忘れたら『あの子』の復讐は
誰が果たすんだ
……お前らみたいに人殺しはしない、
暴力も振らない
だけど、俺なりの復讐を果たすんだ。
そして………全てが終わったら、
なあ、俺もそっちに行って良いかな?
「…はっ…死ぬのが怖いくせに
何考えているんだか…」
苦笑いをして、使用人の様子を見に
まずは、一階の客室へと歩き出した。
そう言えば、今日は
あの方がいらしているんだっけ…
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しばらく、歩いて
目的の客室へと着いた。
「ジンジャー様が待っているだろうな」
ジンジャー様とは両親に内緒で
こうして、1階の客室へ呼んでは、
一緒に作戦を練っている。
さあ、今日は 使用人達の今後について
話をしようじゃないか…
部屋のドアノブを回そうとした瞬間
会話が聞こえてきた。
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※ここからジンジャーとアッサムの
会話となります。
ジンジャー「アッ…アッサムさん
舞踏会なんですが、その日 俺のパートナーに
なってくれませんか…
その…今回の舞踏会は男女2人のペアになる
必要がございまして…」
アッサム「えっ?! わっ私ですか
いやでも…ジンジャー様…私より
もっと素敵な女性たちの方が…」
ジンジャー「貴方より素敵な人なんていません!!
俺は貴方が良いです お願いします!!」
アッサム「……ジンジャー様…////
嬉しい……私で良ければ喜んで
よろしくお願いします」
ジンジャー「ありがとうございます
はぁ…嫌がらなくて良かった…
………あのアッサムさん…」
アッサム「……はっはい」
ジンジャー「俺…その日…
貴方に伝えたい事があるので
…舞踏会にちゃんと来てくださいね」
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「……………………」
…部屋の中に入るのは
もう少し時間が経ってからに
するか…
…良かったな 2人とも…
思いが通じ合うまで時間は
そう掛からないだろう
幸せになれよアッサム・チャイ
俺は音を立てず、
そっと部屋から離れて行った。
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