第12話 お別れと約束
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ルクシ君ととお別れまで…
ううん……
もう…数える日数なんてない…
ついに…今日、お別れの日になった。
前回と違って、
お別れまでに期間があるので
今度は笑って見送る事ができると思っていた
…でも、ここ2週間…色々あって…
色々とは…
ルクシ君が急に大人っぽくなったとか…
接触もドキドキするようになって…
私がルクシ君にときめくようになって…
最後は保護者としてあるまじき感情を
抱いてしまって…
素直に笑って見送る事が、
出来なくなってしまった。
何やっているの私…
でも!!私は立派な大人!!!
ちゃんと保護者の責任を全うしないと!
坊っちゃま『あの餓鬼は
人間じゃないし、お前より歳上だ
だからお前は可笑しくない!!安心しろ』
坊っちゃまは私に本当の事?を
言ってくれたけど…
たとえ…ルクシ君が人間の子供じゃなくても…彼には彼の人生があるから…
「……ルクシ君…今日でお別れだね
今まで楽しかったよ!
新しい住処では幸せになってね
私、ルクシ君の事応援しているから」
私は何も知らないふりをする
ルクシ君は人間の子供だと思い込み
会話をする
いいの これで…
ルクシ「おねえちゃん…」
「だからっ…最後に
抱きしめても良いかな?」
これで触れるのは最後、
ルクシ君の声を聞くのも姿を見るのも…
二度とない
なんだか名残惜しいな…
ルクシ「うん いいよ おねえちゃん」
ルクシ君の了承を得て、
私はそっと彼を抱きしめる…
いつもの様に頭を撫でて、
背中を擦る
うん…あったかいな
これで、私は頑張れる
思い出もこの温もりも
忘れない…
充分抱きしめて、
ルクシ君から離れて…
「ありがとう!ルクシ君!」
不安にさせない様に、
出来る限り笑顔を作った。
「さっ、外にジンジャーさんが
待っているから 行こうか」
手を差し出したが
ルクシ君は動かない
じとっとした目で
私に何かを訴えかけている
…えっ…どうしたんだろう?
ルクシ「おねえちゃん…忘れている事ない?」
「忘れている事……あっ!!
もしかして…」
思い出した…お願い事!!
11日前…たしか…
ルクシ『……じゃあ、願い事
最後の日に言うから……楽しみにして』
…って言っていたっけ…
すっかり…忘れていた…
ルクシ「思い出した?
僕、前にお願い事は最後に言うって
約束したよね」
「そうだったね ルクシ君
…私ができる事なら叶えるよ!
お願い事を教えてくれる?」
ルクシ「言ったね、おねえちゃん
取り消しは無しだからね
じゃあ お願い事を言うね
お願い事は2つあって…
じゃあ、1つ目は…
『おねえちゃん 僕のお嫁さんになって…』」
……え?!今なんて言った?
お願い事の内容に一瞬、思考が停止した。
お嫁さんになって
…誰が誰のお嫁さんに?
私がルクシ君のお嫁さんに……
「ルルル ルクシ君!今なんて…
およお嫁さん?!」
ルクシ「そうだよ 僕のお嫁さんになってよ
おねえちゃん…
それと、もう一つ……」
「えっ…あの……」
ルクシ「僕もね シラトス城で開催する
舞踏会に参加するんだ、
だからおねえちゃんを僕に
エスコートさせて?」
そう言って私の手を取り、
恋人繋ぎのように指を絡ませ、
ルクシ「それに気づいているんでしょ
僕が人間じゃなくて…
『オーロラ』より歳上だって?
…子供が言う憧れ的なアレじゃないからね?
忘れたら許さないから」
「……………」
私に向けてにっこりと笑った。
ルクシ「そろそろ行こっか?『オーロラ』
ジンジャーも待ってる事だし」
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