第10話 ルクシ君のお願い事(残り5日)②

………………………………………………



坊っちゃまから外出許可が降りた、

次の日…


「……………………」


私、オーロラは今の状況が

理解できず呆然としている。


だって……


ルクシ「おねえちゃん どうしたの?

店員さんが呼んでるよ」


「うっ…うん 」


今日の外出は、

ルクシ君のお願い事の為に

あるものなのに…


店員女性「さあ、オーロラ様

今日はめいいっぱい

オシャレにしましょうね!」


「……はっ…はい……」


以前、ルクシ君の服を買う為に、

利用した高級服店で、

おめかしをされている。


お店の人は、シルク魔王に

詳しいあの女性店員さんだ。


あっお久しぶりです

女性店員さん、相変わらず

別嬪さんですね


…….じゃなくて!!!


何故、私はお化粧されているの?!

それに綺麗なドレスまで着せて貰って…


これじゃあ、今日の外出が

私の為になってしまう!!

オーロラ、今日の目的は

ルクシ君の為の外出でしょ!


なに、平然と受け入れているの!

しっかりしなさい!


それに…請求があるよね…

きっと高いよね値段的にも…

もしかしたら…今後は借金生活になる

可能性も……


私の未来予想図を想像して、

思わずゾッと寒気がした。


このままだと、ひもじい思いをして、

野たれ死んじゃう

何としても止めないと!!



「……あのー…すみません…

どっどうして私はおめかしされてるん

でしょうか…」


女性店員「あれ?

ご存知ではなかったのですね

実はとあるお方の指示でして

『オーロラ様が来店されたら、

オシャレにしてほしいと』

…あっお金の面はとあるお方が

お支払いしましたので、ご安心を…」


えっ?お金は支払ってあるの?

なら安心……じゃない!!!


見ず知らずの『とあるお方』に

支払って貰ってるじゃない!


名前を聞きだして

お金を返さないと


「あのっ女性店員さん

その『とあるお方』とは

一体どなたか教えていただけないでしょうか」


すると、女性店員さんは、

言葉を濁し、私にこう言った。


女性店員「申し訳ございません

オーロラ様、実はそのお方に

口止めをされておりまして、

名前を教える事が出来かねます。」


「そんな…どうしても駄目ですか?」


女性店員「…はい、守秘義務なので…

それに万が一、口を滑らせた場合

私…お仕事クビになりますので」


「………っおっお仕事クビ?!

わかりました!

なら…言わないで下さい」


人の仕事をクビにさせる情報なら、

聞かない方がいい。


本当は『とあるお方』に

お礼をしたいのだけれど…

…仕方ない、情報を得るは諦めよう



女性店員「ありがとうございます

オーロラ様…さっ!これで

オシャレはバッチリね!」


「……凄い…お化粧と衣装で

こんなに印象が変わるんですね…」


全身の鏡で自分の姿を写す。


鏡を写した私は、

瞳と同じ紺青色のドレスに、

華やかなにお化粧までされいて…

装飾品には美しい真珠をあしらった

イヤリングとネックレス…


…なんだか、

魔法をかけられた何処かの

お姫様みたいだ。


「ありがとうございます!

こんなにオシャレにしてくれて

魔法にかかったみたいです」


女性店員「ふふっ喜んでいただけて

光栄です お姫様

さあ、小さな王子様がお待ちですよ」


そう言って、私の手を取って

ルクシ君の元へ案内してくれた。


「ルクシ君!お待たせ」


ルクシ君も私同様、

オシャレになっていて

美少年がさらに美少年になっていた。


「わあルクシ君もオシャレになって

とっても素敵だね……ルクシ君?」


ルクシ「…………」


ルクシ君がは目を見開き、

固まっている、頬も赤いし、

どうしたんだろう

もしかして、体調悪い?


「ルクシ君!大丈夫

どこか体調が悪いの?」


ルクシ「………っ!!////

ううん大丈夫!お姉ちゃん

とっても似合ってる 綺麗」


「えへへ…ルクシ君に

そう言われるとお世辞でも

嬉しいな!」


ルクシ「むぅ…お世辞じゃないのに…

そうだ!お姉ちゃん、この手紙

『とあるお方』から読んで!」


ルクシ君はポケットの中から

青い封筒を取り出し、

私に手渡した。


「えっ…『とあるお方』から?

なんだろう…」


疑問に思い、おもむろに封筒を開け

便箋に目をやると、こんな内容が

書かれていた。


『紺青の瞳を持った美しい姫よ

次は、モジュール街で1番美味しいと

言われるレストランへと案内する』…と


手紙の内容を見て、ふと疑問に思った。


どうして、『とあるお方』さんは、

私の瞳の色を知っているんだろう…


もしかして…


急に怖くなり、私は辺りを見渡した。


「……………………」


でもお店の中には、

私とルクシ君と此処の店員さん達しかいない。


「……良かった…いない」


……私の気にしすぎかな?

ホッとして一息着いたと所


急にお店のドアが開いた。


カランカラーン…


絨毯使い「すみませーん、オーロラ様と

ルクシ様はいらっしゃいますでしょうか」


ルクシ「はーい、ここにいまーす

お兄さん次の場所までお願いね。」


絨毯使い「承知いたしました。シ…

いえ…ルクシ様

では、移動用絨毯へご案内致します」


……これは、一体…

移動用絨毯のサービスって

お金持ちがご利用するあの…高級な…


「ルルル ルクシ君…待っ…待って

これは、流石に……」


ルクシ「おねえちゃん 手紙を見なよ」


「……へっ? …!手紙が光ってる

中身を見たほうがいいのかな?」


ルクシ「その方がいいかも

さあ、早く 早く」


光りだす封筒に

恐る恐る中身を取り出し


便箋を見ると…

こんな事が書かれていた。


『お金の面は心配するな

我がすべて支払っている

今日は思いっきり、楽しめ』


…あれっ…さっきまで別の内容が

書かれてあったのに…


それに何故、私が今思っている事が

この便箋に書かれているの?


…魔法の手紙にしては、

出来すぎているような…


クイクイ…


うーん…と頭をひねって考えていると

ルクシ君がドレスの裾を引っ張ってきた。


ルクシ「おねえちゃん お兄さんが

待ってる 行こうよ」


「うっうん!そうだね

待たせるのは良くないよね

あっ…女性店員さん ありがとうございます」


店員女性「いえいえ、こちらこそ

ありがとうございました

楽しんできてくださいね」


私は店員女性さんに頭を下げ、

ルクシ君に手を引かれながら

お店を出た。


カランカラーン…


…考えるのは帰ってからにしよう

その方がじっくり考えられるし

なにか、答えが見つかるはずた


せっかく『とあるお方』さんが

用意してくれたんだ。


なら、今日は…

思いっきり楽しもう!




……………………………………………………


……………………………………………………


……………………………………




それから、私とルクシ君は、

「とあるお方」さんが用意しれた

プランを楽しん……


……いや、緊張しすぎて

楽しむどころじゃなかった。


きっと…ご令嬢だったら、

楽しめたはずよ


でも…私は端くれ者で貧乏人だから…



まず、豪華な食事に対しては、

……あまりにも豪華すぎて…

口に入れるのに勇気が必要だったり…


他にも、絶対一生行かない場所だと

思っていた、宝石店にジュエリー店に

魔法の手紙によって案内され、


『紺青色の瞳を持った美しい姫に

宝石とネックレスをプレゼントだ

受け取ってほしい』…と


便箋に記載された時は、

驚愕して封筒ごと落としそうになった。


あれ?……今日…何のために

外出しているんだっけ…


「……………………」


一瞬忘れかけていたが、

すぐに思い出した。


そうだよ!!ルクシ君だよ!!


今日はルクシ君の為に

外出したんでしょーが!


危ない…本来の目的、

忘れる所だった…


ルクシ君…大丈夫かな、

小さな子供だと つまんなすぎて、

頬を膨らませているんじゃ…


おそるおそる…ルクシ君の顔色を

伺うと…


「…へっ?……ルクシ君…」



彼はなんと、

嬉しそうな表情を浮かべていた。


それも…子供らしさもカケラもない、

甘い笑みを私に向けて……


……いやいやいや…

そんなの有り得ない

私、勘違いしているのよ


いくら屋敷に出会いがないからって

さすがに無理があるよ

オーロラ…


……でも…


ルクシ君の大人な表情に

思考停止していると


ルクシ君が近づき…


ルクシ「よかったね おねえちゃん

僕、今日 おねえちゃんと

遊べて幸せ…」


優しく私の手を取り、

そっと口付けをした。




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