第10話 ルクシ君のお願い事(残り6日)①

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……………………………………………


ルクシ君と本当のお別れまで、

残り6日となった。



今日はルクシ君が珍しく


ルクシ「明日、1日お姉ちゃんと

外で遊びたい!!」


お願い事の1つを言ってくれた。


やっと…やっとだよ

どれだけ待ったか…

本当に欲がない子なんだから


「分かった!早速、坊っちゃまに

了承得られるように話をするね…」


絶対、坊っちゃまに了承得られるよう

説得して見せるぞ!

たとえ、罰則があったとしても…


「じゃあ、坊っちゃまの所へ行ってきます!

ルクシ君、ちょっと私の部屋で待っててね」


ルクシ「行ってらっしゃい!

僕、いい子で待ってるね」


ルクシ君はニコニコと可愛い笑顔で

手を振り見送ってくれた。


この可愛い笑顔の為にも!

オーロラ頑張るぞ!



ガチャ…バタン!(ドアが閉まる音)


シーン……



ルクシ「大丈夫だよ オーロラ

必ず了承得られるよ

今回は僕の権力を使って

モジュール街へ遊びに行くんだから」




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………………………………………




………………………………




「よしっ着いた さあ、オーロラ

ルクシ君の為に…坊っちゃまに

了承を取らないと…(小声)」


すう…と一旦、息を吸って…

はいてー


よし!オーロラ行きます!!


ドアをノックしようと

手を握り締めた瞬間…

坊っちゃまから声がかかった。



坊っちゃま「入っていいぞ オーロラ」


「……!!はっはい失礼致します」


部屋の中へ入ると、

坊っちゃまは何やら書類の整理をしていた。


机の周りには書物の山ができていて

今にも崩れそう。


何かのお勉強かな?

それともお仕事かな?


どちらにせよ、忙しそうなので、

早く済ませないとね



「あの…坊っちゃま…

お願い事がございまして…」


坊っちゃま「あぁ、あの餓鬼と外に遊びに行くんだろ?行って来い!」


「……えっ何故 知っているのですか?」


坊っちゃま「……あー、なんか

お前のお願い事ってあの餓鬼に

関しての事だからな そんな気がした 」

(…オーロラが来る前に魔王様が来て

オーロラとデートしたいって

言ってたから…)


「うぅ、我儘ばかりで申し訳ございません」


坊っちゃま「気にすんなよ

と言うか お前の我儘じゃねーだろ

それ!」


……坊っちゃま…

なんだか、最近…優しくなりましたね


ルクシ君が来てから……


「…………………………」



ううん…元々は、

優しい方なんじゃ…


何故なら…それには理由がある


坊っちゃまが我儘や癇癪を起こした後や

領主様や奥様に酷い仕打ちをされた後

自室に戻ると必ず

お金や生活必需品が置かれていて…


最初は誰が置いてくれたか

分からなかったけど…

仕事仲間から聞いて、

やっと最近分かったんだ。


『お金や生活必需品は坊っちゃまが

用意してくれた』事に


他にも…

料理長から1週間の食事抜きの件も

チャラになった…


何でチャラになったのか

料理長に聞いた所、

食事代は全て坊っちゃまが払ってくれて

オーロラには言うなと口止めされていた。


それに…今思えば

一度も坊っちゃまから

暴力を振るわれていない。


飲み物をかけられたぐたいだ…


…坊っちゃま…

何故、冷酷な振りをしているのですか?


……そう聞きたいけど、

きっと坊っちゃまにも

何か理由があるんだろう…


でも、せめて……

お礼だけはちゃんと言いたいな…


坊っちゃま「なっ…何だよ そんなに

人の顔をじっと見てっ」


「坊っちゃま いつも、

ありがとうございます」


そう言葉にした後、

感謝の意を込めて頭を下げた。



坊っちゃま「はぁ? 何言ってんだ…

……オーロラ、餓鬼が迎えに来たぞ

もう行け 外出許可は出すから

明日の朝から行け!」


「……!ルクシ君 迎えに来てくれたの?」


坊っちゃまがドアの方へ

指を指したので、振り向くと

ルクシ君が立っていた。


ルクシ「えへへ、待てなくて

迎えに来ちゃった

ごめんね お姉ちゃん」


「ううん、迎えに来てくれて

ありがとう!ルクシ君、聞いて

外出できるって」


ルクシ「本当?嬉しい…」


ボスンと音を立て

私に抱きしめてくれた。


可愛い笑顔で…

まるまるお目目で

私を見つめながら


ルクシ「ありがとう お姉ちゃん

大好き」


とか言ってくれて…


あまりの可愛さに私は悶えてしまった。



……………………………………………………


2人の姿を見て、

コバルトは…


坊っちゃま「……見事に騙されてるな

オーロラ…可哀想に…(小声)」


…と苦笑いをしながら、

小声でそう呟いた。

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