間話 ある坊々の計画①(残り9日)
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※コバルト(坊っちゃま)side
…今日もオーロラと魔王様が
いちゃついている。
いや…オーロラの場合は魔王様の事を
人間の子供と思っているから
純粋に可愛がっているだけか…
「………やだな 止めに行くの」
本当はこのまま素通りしたい所だが
ジンジャー様に…
ジンジャー『もし…オーロラさんの貞操が
危ないと思ったら…全力で止めてください
この屋敷で止められるの コバルトさんしか
いませんので…』
と言われたので、
俺は様子を見計らって
2人の間に入る。
「おいっオーロラ!
そんな所に突っ立ってないで
庭園の植物に水やってこい!
その餓鬼はジンジャー様の所に
連れて行く」
オーロラ「はっはい!
じゃあルクシ君 いい子で待っててね
行ってきます」
オーロラは
よしよしと魔王様の頭を撫で
急ぎ足で庭園へと向かっていった。
「………………」
彼女の後ろ姿を見て
流石、仕事熱心だな…と思った。
この様子だと次の働き先の
シラトス城でも大丈夫だなきっと…
ルクシ「……コーバールート…?」
「…ジンジャー様の命令なので…
それに子供の姿を使って
女性の身体をベタベタさわるのは
あまり…よろしくないかと…」
魔王様はオーロラとの戯れを邪魔され
かなりご立腹のようだが…
こればかりは流石の俺も
見過ごしできないな
どさくさに紛れて
オーロラの胸や尻…
…しかも下腹部より下部分も
触ろうとしたよな 魔王様…
ルクシ「……グッ!!
それもそうだけど… 元の姿に戻ったら
…堂々と触れないじゃないか!!」
「……魔王様…元に戻られても
触るつもりなんですね
…仕方ありません 懲りない魔王様には…」
ルクシ「コッ…コバルト まっ…待って!」
魔王様の止める声を遮り、
俺は客室に待っているジンジャー様を
呼んだ。
「ジンジャー様、またルクシ君が
やらかしましたー!!」
耳が良いジンジャー様は、
遠くにいる客室いても
俺の声を聞き取り、
カツン カツン カツン
数十秒経たないうちに
彼の足音が響いてきた。
ジンジャー「コバルトさん
ご協力ありがとうございます
さぁルクシ君? ちょっとお話でもしましょうか」
ルクシ「ジンジャー…まだ僕、
オーロラには触ってない…」
ジンジャー「触ろうとしたのは事実でしょう!!全く凝りないですね
コバルトさん申し訳ございません
ちょっと魔王様に説教します!
作戦会議は15分後に始めますので
少々お待ち下さい」
「分かりました オーロラの為にも
お願いします
だんだん 戯れがひどくなる一方なので、
15分じゃなくても大丈夫です」
ルクシ「そっそっそんな事ないもん!!」
ジンジャー様はニッコリしながら
「分かりました」と一言いい
魔王様を手をひき、
客室へと戻っていた。
「……アハハ…さすがジンジャー様」
……2人の後ろ姿を見て、
どっちが上か分からなくなって
しまった。
……でも、
あの2人に出会えて良かった
この出会いはオーロラに
感謝しなくてはならない。
オーロラが魔王様を屋敷に
連れてきたあの日、
俺は坊々の役を演じながらも
歓喜したんだ。
親父とお袋より遥かに強い魔力を
持った人が来るなんて…
もしかしたら…
これはチャンスなんじゃないかって
この腐れきったダジュナール家を
俺の代で終わらせる唯一の…
後にその子供が魔王様だなんて
誰が想像出来ただろう
「………………」
このまま、ダジュナール家が
繁栄し続けていたら、
より多くの人々が犠牲になる
親父とお袋のやる事は間違ってる
自分より立場の弱い種族を、
差別して、暴力をふるって、
挙句に奴隷にして売って…
その金で繁栄している事に…
それを何としても止めないと
いけない!!
次、奴らが奴隷として売るのは、
オーロラとアッサムだから
……それも、シラトス城で開催するパーティと同じ日にあの2人を売る予定だ。
もう、あまり時間がない
親父とお袋が戻ってくるまで
労働者全員の新しい働き先を
見つけて
オーロラとアッサムが売られない様に
良い案を考えなくては…
「魔王様、ジンジャー様……
オーロラとアッサムを頼みますよ」
誰も居ない廊下で、
小さな声で俺はそう呟いた。
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