あなたと出逢えた奇跡を信じて……。
【Start playing】
『――恥ずかしい』
『昨日の自分』
『なんで気持ちが、ぶれぶれになっちゃうのかな?』
『お兄ちゃんのこと、信じてるって言ったのに、これじゃあ駄目だね。気持ちの軸がぶれていて一番嫌われるタイプの女の子だ』
『……お兄ちゃんの嫌いなタイプ』
『……』
『最初に、ごめんなさいを言っておくね……』
『昨日の行動にも、今から私がやることにも』
『……ふうっ!!』
『萌衣の馬鹿――!! 泣けばいいって思うなよ!! お前なんかに誰も同情しないぞ!! 自分だけが悲劇のヒロイン気取りするな――!!』
『――ああスッキリした。これでいつもの萌衣に戻るから』
『……たとえ、この動画が見てもらえなくてもいい!! お兄ちゃんが目の前にいるつもりで、萌衣は語りかけるから』
『大声を出して、びっくりさせちゃったかな? 大丈夫だよ、今、背景の壁紙をキャンセルするね』
『分かるかな、私はどこにいるのでしょうか?』
『女子高にある部活の防音室だよ。だから大声出しても平気なの。それに私と、お友達の真奈ちゃんしかいないから』
『真奈ちゃん、こっちに来て。お兄ちゃんに挨拶してよ!!』
『あ~、恥ずかしいから駄目って!? そんなことを言ったら私はどうなるの? 真奈ちゃんのいる前でお兄ちゃんへのVRレターを撮っているのに!!』
『……』
『……うん』
『そうだね、一人じゃ不安で真奈ちゃんに付き添ってもらったんだから』
『ありがとう、真奈ちゃん!! また明日、じゃあね……』
『……真奈ちゃんを、お兄ちゃんにも紹介したかったな。あっ、いけない!! 説明しないと混乱するね。私と真奈ちゃんは同じ女子高に合格して、なんと同じクラスで、部活動も一緒なんだよ!!』
『お兄ちゃんと同じ意味で、運命を感じるよ。こんな友達とめぐり逢えるなんて!!
真奈ちゃんとは家も隣同士で子供の頃から仲良しなんだ。同い年だけど真奈ちゃんは大人っぽいから私のお姉ちゃんみたい』
『……萌衣と真奈ちゃんが歳を重ねてお祖母ちゃんになっても友達のままでいられたらいいな』
『お互いの結婚式でも絶対に友人代表で挨拶しようって約束してるんだよ、どっちが先か真奈ちゃんと競争だね!!』
『あっ!?』
『……私、何気なく言っちゃった』
『お兄ちゃんとの結婚式の妄想話……』
『……』
『あああっ――!? 真奈ちゃん、ひどいよ。扉の陰でのぞき見なんて!! それに扉が開いてたら、防音室の意味がないから!!』
『ごめんで済めば
『本当に意地悪なんだから、真奈ちゃん。でも私とお兄ちゃんの恋を応援してくれる一番のサポーターなんだ……』
『あれっ、どこまで話したっけ?』
『そうだ!! 前にも言った私に出来ること。元気になった萌衣ちゃんは何でもするよ。めげない女の子になるんだ』
『……お兄ちゃんに会うためなら、どんな
『だから絶対に待っていてね』
『私の大好きなお兄ちゃん!!』
【End of playback】
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます