第15話  ワガママに

自力で叶わぬ 道戻り

有るか無きかの 戻り道

遠く途切れる 濡れた車輪

耳を頼りに 道を追う


寂しくモノクロ 落とす街灯

その足元に 寄りかかり

濡れた車輪の 寄るを待つ

力無く上げた 左腕

濡れた車輪の 止まる気配


腰を預けた 白い座席に

滴の滲みるを ただ見やる

せっつく行先 浮かべれば

口の記憶が 仕事する


ただワガママに 体を預け

白く明けるを ただ見やる

右も左も もう上がらない

投げ出し 窓をただ見やる

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