放課後デートにて
「終わったー!」
午前中に行われた終業式が終わり、俺たちは晴れて冬休みを迎えることができた。そして終業式が終わった後も俺は惰性で翔太と教室で駄弁っていた。
「いやー、でもまぁ、無事にみんな冬休みに入れて良かったわ。明人は冬休み何処か行く予定とかあるのか?」
「俺は遊園地に行くぞ」
「まじ?いいじゃん!片瀬さんとか?」
「もちろん。もうネットでチケットは買ってある」
「楽しんでこいよ!俺は最近どこにも行ってないからどっか遊びに行きてーな」
そんなことを話していると、職員室に行っていた七海が教室に帰ってきた。
「あきと!かえろー!」
「そうだね、帰ろうか。じゃあ翔太またな。まぁ冬休みどっかで遊ぼうぜ」
「和泉くん、またねー!」
「おう!二人ともまたな」
俺たちは手を繋いで教室を出た。校舎を出て帰路に着く。
しかし、俺の手を引く彼女は家の方向とは別の方向に向かって歩き出していた。繋いだ手をぶんぶん振ってご機嫌な様子が非常に可愛い。
「ご機嫌なところごめんだけど、今何処に向かっているんだ?」
「んー?ショッピングモール!」
「ショッピングモール?」
「うん!遊園地に着て行く服買いたい!」
「おー、いいね」
「明人のも買お!」
「俺のも?」
「ペアルックにしよ!」
俺たちはショッピングモールに着くと、一直線に服屋に向かった。服屋には同様に学校帰りの学生がちらほらと見られる。
「わぁ~!こっちも可愛い~」
七海は服屋に入ると慣れた手つきであちらこちら縦横無尽に服を見て回る。
「ねぇ、これ良くない?」
そう言って彼女が見せてきたのは白色のTシャツにワンポイント絵のようなものが入ったシンプルな服だった。しかもそれはサイズの違った2枚。
「いいね、けどこの時期だと少し寒くないか?」
「ん~、確かに」
「…えっと、これとかどうだ?」
俺が手に取ったのは同じデザインの厚めのパーカーだ。これなら下にヒートテックとかを着たり、上に何か羽織ったりすれば問題ないだろう。これもメンズ用とレディース用があり、お揃いに出来そうだった。
「いいねそれ!下はジーンズとかかな?」
七海はそう言ってズボンのコーナーへ行く。彼女はTシャツの下に色々なズボンを取って合わせたりしている。
「こういうワイドパンツとかもいいよね~」
むむむっと悩みながらも何とか買う服を決め、お互い当日に着ていく服を購入した。俺たちは服屋を後にして、
「遊園地、楽しみだね!」
「そうだね、朝早いから寝坊しないようにしないと」
そんな話をしながら近くに迫ったデートを楽しみに家路を辿った。
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