ハロウィンの終わりにて

 俺たちはそのまましばらくの間まったりと雑談していた。そして雑談も区切りが良くなった時にはすでに少し外が暗くなってきていた。


「じゃあ先輩。そろそろ暗くなって来たので失礼しますね」

「あぁ、もうそんな時間か…」

「え?もうそんな時間経ってたの!?」


 七海達は少し驚いた様子を見せると、


「そうだな、もう暗いししょうがないか」

「寂しいけど仕方ないですね」

「じゃあ帰ろうか」


そう言って荷物をまとめて帰る準備を始める。俺たちはドアの前に立ち見送りに来てくれた先輩と対面した。


「また、いつでも来てくれ。今日は楽しかったよ、ありがとう」

「はい!私も今日すっごく楽しかったです!また遊びましょう!」

「また集まりましょう」

「では、帰り気をつけてな」

「はい!」

「はい。ではまた」


 俺達はそう挨拶をすると先輩の家を出る。


「今日は楽しかったね!」

「だね」


 七海は横で元気に腕をブンブン振りながら楽しそうに笑っている。俺はそんな様子に少し笑いながら家に向かって足をすすめる。すると、七海の携帯が震えた。七海は携帯を開くとメールを見る。


「あ!楓先輩から…。これ今日話した小物入れとかの作り方だ!みてみて!」

「すごいな、しっかり分かりやすくまとめてある」


メールで送られてきたレシピはとても丁寧で、誰が見ても分かるようになっていた。


「良かったね。これで色々作れるな」

「本当に楓先輩には感謝しかないよー」

「今度何かお礼しないとだね」

「うん!がんばる!」


 こんな話をしているともう家の前に着いた。


「ただいま」

「ただいまー!」

「おかえり〜」


 家に入るとすぐに、京が出迎えてきてくれた。


「おにぃもおねぇもしっかり仮装してるね〜」

「うん!」

「凄く似合ってるよ〜、そんな2人にはトリックオアトリート!」


 そう言う京は手を広げてお菓子を要求してきた。


「ほら、そう言うと思ってコンビニで飴を買っておいたんだ」

「私からはチョコレート!」


 俺たちは鞄からお菓子を取り出して京に渡す。


「ちぇ、悪戯できると思ったんだけどな〜」


 そう言って京は自分の部屋に帰っていった。そんな様子に俺達はお互いを見合って笑いあう。


「まったく、どういう悪戯をするつもりだったんだ…。まぁ、俺たちは取り敢えずメイクとか落とそうか」

「だねー」


 俺たちはメイクを落とすと、風呂に入ったり晩御飯を食べたりしていつも通りの日常に戻っていた。

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