ハロウィンパーティの始まりにて

「こんにちは!」

「こんにちは」

「2人とも待ってたよ、いらっしゃい」


 先輩の家は七海が知っていて、割と近かったこともあってここまでは難なく来れた。


「2人とも気合入っているね。似合っているよ」


 そう言う先輩は普段のかっこいいイメージとは逆の赤ずきんだろうか、可愛いレースの彩られた衣装だった。


「先輩も似合ってますよ!」

「…ありがとう。慣れない格好で少し恥ずかしかったのだがそう言ってもらえて嬉しいよ」


 先輩は少し照れた様子で頬をかく。


「まぁ、2人とも少し寒いだろうし、取り敢えず中に入ってよ」

「はい!おじゃまします!」

「お邪魔します」


 玄関をくぐると、俺たちは先輩にリビングに案内される。


「一旦、ここに座ってくれ」

「ありがとうございます!」


 そうして、俺たちはソファに座る。ソファの前には机があり、そこには前もって買ってあったお菓子が並んでいた。先輩はグラスを人数分持ってくるとテーブルに置いて、冷蔵庫に向かう。


「ジュースはどれがいいかい?」


 そう言って先輩はリンゴジュースと、オレンジジュースを見せてくる。


「じゃあリンゴジュースでお願いします」

「私もリンゴジュースで!」

「了解、なら私もリンゴジュースにしようかな」


 リンゴジュースはそのままに、オレンジジュースは冷蔵庫にしまってテーブルに置いてあるグラスに注いでくれる。


「お茶が欲しくなったらいつでも言ってくれ」

「はい!」

「はい、ありがとうございます」


 そして先輩は横にある独立したソファに座る。


「先輩!後で先輩の部屋見せてもらってもいいですか?」

「私の?」

「はい!前に言ってた小物とか色々見てみたくて」

「あぁ、後で行こうか」

「はい!」


(ぐぅ〜)


 ぼちぼち話をしていると、お腹が鳴る音がした。まだ全然お菓子も開けずに、話をずっとしていたからだろうか。


「あう…、恥ずかしいな。お腹鳴っちゃった」


 そう言って恥ずかしがる様子の七海を見て、先輩はクスッと笑うと、


「じゃあそろそろお昼にしようか、ピザでも取るかい?」

「ピザ!いいですね!」

「日野くんもいいかい?」

「はい、ピザいいですよね」

「じゃあ注文するよ」

「はい」


 その後、それぞれ食べるものを決めて注文した。それから暫し、頼んだものが届いた。机にはピザに始まり、ポテトやナゲットなどの沢山のご飯が並べられていた。


「わぁ、なんか豪華ですね!」

「美味しそうだな」

「ふふ、逃げたりしないからゆっくり食べようね」

「はい…」


 そう言って俺たちはピザを食べ始めた。

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