ハロウィンパーティの買い物にて

 31日の1週間前の土曜日。

 俺たちはハロウィンのちょっとした衣装を買いに街に繰り出していた。


「どんな衣装がいいかなー?」

「彼氏目線から言うと、露出が少ないのがいいかな」

「んー、だったら魔女さんとかどうかな?」

「お、いいんじゃないか?」


 そのまま七海と話しながらお店を目指す。お店に着くとそこには、沢山の衣装が置いてあった。このお店はちょっとしたコスプレなどの衣装など色々なものを浅く広く置いてあるお店らしいので、どれもある程度、手が出しやすい値段だった。七海は色んな沢山ある衣装を前に目を輝かせていた。


「わぁ!いっぱいあるねー」

「ここまで沢山あるとは思わなかったな。てっきりちょっとした1コーナーかと思ってたわ」

「こんなにいっぱいあると迷っちゃうね!」


 そう言っていろんな衣装を手に取ってはこんなのどうかな?と自分の前に掲げて聞いてくる。結局、七海は初期の案である魔女の衣装、俺は七海が推していた吸血鬼の衣装にそれぞれ決定したのだった。


「衣装いっぱいあって楽しかったね!」

「また今度何かのイベントとかでここに買いに来るのも良いかもね」

「ねー!」


 店を出た後、俺たちはそのまま家に向かって歩いていた。


「ねぇ、あきと?少しあそこのケーキ屋さん寄っていかない?」


 そう言って七海が指をさす所には、昔からあるような雰囲気があるケーキ屋さんがあった。


「いいね、行こうか。一緒に勉強頑張ってる京にもケーキを買っていってあげよう」

「それ、いいね!きっと喜んでくれるよ!」


 俺たちはケーキ屋さんに入ると、真正面のショーケースの中に並べられたケーキ達が俺たちを出迎えてくれた。


「んー、私これにする!」


 七海はショーケースの中のケーキを見て、むむむと悩んだ後、元気よくモンブランを指差した。


「じゃあ俺はショートケーキと、あと京は何がいいかな?」

「んー、京ちゃんは甘いのが好きだから…。えっと…、これとかはどうかな?」

「確かに京が好きそうだね、これにしようか。」


 そう言って七海が選んだのはイチゴのタルトだった。その後、俺たちはそのままレジに向かって3種類のケーキを買っていくのだった。


「ただいま」

「ただいまー!」

「おかえり〜」

「はい!京ちゃん。勉強お疲れ様!これお土産だよ」


 七海は出迎えてくれた京に買ってきたケーキを見せる。


「え!これってケーキじゃん!いいの?」

「うん!」

「ありがと!おねぇ、おにぃ」

「おう」

「後で一緒に食べようね!」


 そして俺たちは、夕飯の後に一緒にケーキを美味しく堪能したのだった。

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