冬の始まりにて
9月にあった文化祭も終わり、時は10月10日。もう衣替えの時期も終わり、俺たちは登校していた。
「最近、ちょこちょこ寒い日が出てくるようになったね〜」
「もう衣替えも終わったしね」
そんな会話をしながら、俺たちは学校に向けて歩いていく。
「そういえば、あれから先輩とはどんな感じだ?」
「楓先輩?」
「そうそう」
「最近はね、メールとかでよく話してるよ!」
「あのぬいぐるみのシリーズとかの?」
「そう!他にも楓先輩は可愛い雑貨とか色々知ってるんだ〜」
「一緒に買いに行ったりしてるのか?」
「んー、それがまだ一緒に出掛けたことないんだよね。」
「そうなのか?」
「うん。けど、ハロウィンとか一緒に遊ぼうとか話してるよ!もちろん明人も一緒に!いいよね?」
「パーティか?いいぞ、楽しそうだね」
「うん!」
そうか、もうハロウィンの時期か…。つい最近、夏休みが終わった気分なのに。楽しいと時が経つのが早いな。そんなことを考えながら、学校に着いた。
「よう、明人!おはよう」
「おう、おはよう。翔太」
教室に入ると、翔太に話しかけられる。
「いやー、今日はちょっと寒いな」
「だな。10月入ってすぐなのにな」
「でも、明人は片瀬さんがいるから年中アツアツか」
「うっせ」
翔太はニヤニヤしながら揶揄ってくる。
「てか、もう中間か…。だるいな〜」
「まぁ、仕方ない。けどまた4人でやれば大丈夫だろ」
「だな〜」
「お、チャイムなったぞ」
「だな、席に戻るわ」
文化祭の喧騒を忘れていつも通りの日常が流れる。
「あきと!弁当食べよ!」
「おう、食べようか」
「今日はあっちの空き教室で食べよ!」
「え?」
そう言って彼女は弁当を取り出した俺の手を取り引っ張っていく。
「なんで空き教室なんだ?」
「まだ秘密!」
そうして、空き教室に着く。
「入ります!」
「どうぞ」
七海がそう言いながら教室を開ける。するとそこには鶴見先輩がいた。
「ということで、サプライズで楓先輩とお昼ご飯です!びっくりしたでしょ?」
「うん。びっくりしたよ。先輩、こんにちは」
「こんにちは、いきなりすまないね」
「いや、全然大丈夫ですよ。どうかしました?」
「いやね、七海がハロウィンにちょっとしたパーティをしたくて日野くんも一緒にということだからね。その話をしようと思って」
「なるほど」
というか先輩も七海の呼び方が変わるぐらい仲良しになっていたのか。
そうして、先輩同席の昼ご飯が始まったのだった。
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