夏休みの始まりにて
終業式が終わり明日から夏休みが始まる、そんな日の放課後。
俺たちは教室で話していた。
「夏休み何処行く?」
「遠いところに旅行に行くにしてもお金がかかるからな」
「そーだねー」
「まぁ、時間は沢山ありますし。おいおい決めてもいいんじゃないでしょうか」
「確かにそれはそうだね」
「でも私あれ行きたい!夏祭り!」
「あぁ。あの再来週にやるやつか」
「そう!」
そう七海が提案してくれる。というのも、彼女と以前夏休みの計画を話していた時に、夏祭りは絶対に行きたいとおさえていたイベントの一つなのだ。
翔太は、スマホで夏祭りのことを調べる。
「この、隣町の河川敷でやるやつか?」
「そうだよ」
「よく知ってたな。隣町の祭りなんて」
「確かにそうですね。そんなに大きい祭りなのでしょうか?」
青葉さんが翔太のスマホを覗き込んでそういう。
「いや、そこまで大きい祭りじゃないんだが、屋台とか花火とかが豪華なお祭りなんだ。祭りに関しては隣町によく行ってたからその時にポスターで見たんだよ」
「なるほどな」
「じゃあ、夏祭りに行くことは決定でいい?その日他に予定あったりしないか?」
「大丈夫だよ!」
「俺も大丈夫だ」
「私も大丈夫です」
「他は後で適当にスマホのグループで話そうか」
「そうだね」
「じゃあ、帰ろっか」
そうして俺たちは解散して、家に帰った。
「ただいま〜!」
「ただいま」
「おかえり〜」
家に帰ると、京が出迎えてきてくれた。京は一足先に夏休みに入っていて今は家にいる時間が多い。そうは言っても受験生なので家では受験勉強をしている。
「京ちゃん、勉強どんな感じ?」
「んー?まぁぼちぼちかな」
「なんか分からないところとかある?」
「だったら前の英語の問題で…」
「あぁ、ここはね…」
そうして今は家にいる時に七海が京に勉強を教えてくれることも多くなった。その時は俺はできるだけ邪魔にならないように家事などをこなしている。そうこうしていると、勉強がひと段落ついたのか彼女らは雑談をしていた。
「そろそろ、夕飯食べる?」
「「うん!」」
先程の暇な時間でビーフシチューを作っていたので後は温めるだけで食べられる状態だ。お皿によそいリビングの机に運ぶ。
「「「いただきます」」」
「そういえば、おにぃ達夏祭りに行くんだよね?」
「そうだよ!」
「いいなぁ〜。わたしも受験なかったら行くのに〜」
「だったらさ、京ちゃんが受験終わったらどこか遊びに行こうよ」
「いいの?おねぇ達が来年受験じゃない?」
「その時次第かな。多少の余裕があれば1日ぐらい大丈夫だと思うよ」
「それなら…。うん!楽しみにしてるね!」
そんな話をしながら、俺たちはご飯を食べ進めるのであった。
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