休日の終わりにて
そうこうして過ごしていると、もういつも七海が帰る時間になっていた。
「ほら七海そろそろ帰らないと」
「やだ。今日も泊まるの!」
七海はまだホラー映画を引きずっているのか、一向に帰りたがらない。
「昨日も泊まったでしょ?」
「うん…。そうだけどぉ…」
「ほら、親御さんも心配するし」
「あきとは!明人は、まだ一緒にいたくないの?」
七海は涙目で尚且つ上目遣いで行ってくる。
俺もそれをされると弱い。ついなんでも言うことを聞いてあげたくなってしまう。事実、俺もずっと一緒にいたいのだ。しかし、親御さんとのこともあるし。明日は学校で荷物のこともある。帰らせなければいけないのだが…。この我儘を聞いてあげたくもある。俺がそうこう悩んでいると、京が立ち上がり言う。
「おねぇは今日はもう帰る!明日の学校の準備とかあるでしょ?ほら、おにぃも送ってってあげて」
それには七海もしぶしぶな様子ではあるが了承した。
「はぁい」
「じゃあ送ってくよ」
「うん」
そう言って、七海を送りに外へ出るのだった。
「そういえば今日話してて思ったけど、今って5月じゃん」
「そうだね」
「んで付き合ったのが12月じゃん」
「そうだね」
「あと少しで半年記念になるね!」
「もう半年か、短かったな」
「ね!いっぱい色んなことしてたからね〜。そう、それでさ、プレゼントお互いに交換しようよ!」
「お、いいな。じゃあ来月一緒にちょっとしたパーティしてそこで交換するか」
「うん!」
これはプレゼントをこの1ヶ月でしっかり選ばないとな。
二人で話をしていると、七海の家のすぐ前まで来ていた。
「じゃあまた明日!明日も朝、明人の家に行くね!」
「了解。また明日」
そうして彼女とは明日の朝までしばしの別れとなった。
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