勉強会の前にて

 さぁ、パーティのためのプレゼントをすぐにでも買いに行きたいがその前に中間テストが残されている。

 七海は普段から勉強しているので学年でトップクラスに頭がいい。本人曰く、


「家だと明人がいなくて寂しいから、紛らすために勉強してるんだよね〜」


らしい。

 それに対して俺はごく普通、良くて中の上だろう。

 しかし今回のテスト、俺は七海から勉強を教えてもらえないかと、考えていた。

 放課後、家に七海と一緒に帰ってきた。


「「ただいま(!)」」

「おにぃもおねぇもお帰り〜」


 京が出迎えてくれる。京も含め、俺たちは帰宅部であるため、放課後は時間がある。


「七海、今回の中間テストにむけて俺に勉強を教えてくれないか?」


 俺はある程度落ち着いた後、七海にそう尋ねた。


「ん〜」


 てっきり一緒に勉強できるものだと勝手に考えていたのだが、何故か七海は渋っている様子だった。


「何かまずいことあったか?」

「いや、確かに勉強を一緒にすると、人に教えることで効率的に勉強できるから良いんだけど」

「うん」

「けど…。きっと勉強に集中出来ないと思うんだよ。だって明人と一緒にいるんだったら勉強じゃなくてずっとくっついてたいもん」

「なるほど…。確かにそれは大きな問題だな」


 二人して悩んでいると、


「別に家じゃなくても図書館で勉強すればいいじゃん。静かにしなきゃいけないし、そこでそんなイチャイチャできないでしょ。全く、バカップルなんだから」


京が呆れたように提案してくれる。

 なるほど、確かに図書館なら勉強できるかもしれない。ちょうど学校からちょっと歩く所に図書館があった。


「じゃあ、明日から帰りに図書館寄って勉強しようか」

「それなら勉強できるかな?まぁ、取り敢えず明日やってみよう!」


 そうして、明日の帰りに図書館に寄ることが決まった。

 勉強が捗れば良いのだが。

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