　きみはパーティメンバーとして、ギステルドに加え、タラサを指名した。

「うふふ。私を指名するなんて、なかなか見る目がありますわね。私の多（た）彩（さい）な魔法と豊富な知識があれば、どんな冒険でも余（よ）裕（ゆう）でクリアできますわ」

　タラサはあくまで優（ゆう）雅（が）な所作で、得意げな笑みを浮かべる。

　攻撃役のドワーフ戦士ギステルドと、攻撃魔法が使えるタラサがいれば、どんな敵が立ちはだかっても、倒してくれるに違（ちが）いない。

「ちょ、ちょっと待ってください！　そんな攻撃一（いつ）辺（ぺん）倒（とう）のパーティ編成だと、大変なことになりますよ！」

　そこへ喰（く）い気味に割り込んできたのは、神官戦士のジョーだ。

「ギステルドさんの攻撃力は頼りになりますけど、防御には不安がありますし！　それに、回復を軽視すると助かる命も助かりませんよ！　ね！　ね!?」

　選ばれないとは思っていなかったのか、ジョーは少し泣きそうな顔で自分の存在価値を主張してくる。その必死さは、なんとなく子犬を連想させた。

「神官であるジョーがいてくれれば、生存率はグッと高くなるのは事実だな。ジョーが魔法で怪我を治してくれれば、タラサも攻撃に専念できるし……」

「ですよ！」

「あらあら、必死ね。でも盾になってくれる人がいるのは、助かるわ～」

　なんとなく、ジョーのメンバー加入を断りづらい雰（ふん）囲（い）気（き）になってきた。それに、盾役と回復役を兼（か）ねる神官戦士の存在は、大切なような気もする。

「がんばります！」

　メンバー入りを承（しよう）認（にん）すると、ジョーは全力で拳（こぶし）を握（にぎ）りしめる。

　こうして、きみのパーティは結成されたのだった。

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