第4話 片腕の......貴方はだれですか?

 目が覚めた....

 

ああ、昨日のは夢だったのかな


「はは.....」

言葉がでなかった。出なかった?違うかも。出せなかった


日が当たった村には僕が知っているものはほとんど残ってなかった。

そこに居たのは笑ってる王都の神官と騎士様数人だけ。僕の知っている酒を勧めてきた騎士はいなかった。


「なんで....あの人達は笑って.....るの?」


「起きたか、大丈夫か?」

フードを被った男が話してきた。聞いたことがない声。


「昨日はその...突然ごめんな、びっくりしたよな」


(あの理解ができないでです。むしろ貴方だれ.....?)


「ごめんな...その...今は名乗れないんだ。わかってくれ」

男は続けて話をした

「本当は君を連れて隣の村まで避難する予定だったんだが、近くの村まで騎士の連中が見えてな。全体が見えるがここで一晩すごしてもらった」


震える声で聞いてみた

「あの...村は?父さんは?母さんは?」


「見ての通りだ。その場で助けられたのはたまたま居た君だけだ。ごめんな」


村をもう一度見る。見なきゃよかった....視界が...くら......



ハッ....目が覚めた.

もう夢....現実.....わかんないや


「どこ?ここ....?」

あたりは薄暗かったが、掃除をしたのか床は綺麗だった

「おはよう、大丈夫か?」

片腕の男が声をかけてくる

「あ....あの...ありがとうございました」

「いや....その....ん~」

男は困ったかのような顔をしてこっちをじーっと見てくる


「とりあえず飯を食おう!2人分、きっちり用意したぜ☆」


正直、想像していた人と違っててびっくりした。


「とりあえずスープとパンと....なんか町で売ってたやつ!もってきたで!!」


......感情がもうついていけません。


ご飯を食べ終わると男は話しかけてきた。


「とりあえずどうしたい?」


「え..っと急に言われても....」


「オッケー!じゃあ俺の知ってる魔法っていうの?スキル、覚えてみない?」

 この人は人の話を聞かないようだ。

 男は続けて話をしてきた


「この先さ、君多分昨日の騎士やら神官らに命、狙われるかも知れないよ?」


何言ってるんだこの人は。そんな顔をしてたら男は続けて話をしてきた


「あれ、昨日いたあいつ等の仕業ね。ちなみに王様だっけ?なんか尊敬やら支持やらされてるけど。村が無くなったのもあいつの指示だから」

 

混乱してきた。この男は何を話してるのか...


「英雄たちが召喚された話、知ってるよね?魔王を倒して、世界を救ってって。あれ、大切なことは何も言われてないんだ」


「召喚って無料、タダでできますよ~ってもんじゃない。食べ物だって生き物の命をいただいてるわけだけし、買い物だってタダじゃできないよね?」


この人は何を言ってるの?きっとそんな顔をしていたと思う。


「いや、買い物はワンチャンタダで出来るかもな。ソーリーソーリー」


もうわけがわからない。


男が急に真剣な目つきで話てきた

「率直に言うとさ、君の村、次の召喚魔法の生贄に選ばれた。人の命が次の召喚に必要だからね」

「王様はさ、味を占めちまったんだ。英雄を操れれば世界を手に入れられるって。」

男は続けて話をしてくる。正直もう聞きたくない


「小さな村1つ無くなったところで問題ない、魔物に襲われたとか、賊にやられたとかいろんな理由がつけられる。騎士がついた時には村は壊滅してましたってさ」


「確認する手段もないだろうね。当事者がすべて遺体やら村を焼き払えばわからないんだからさ」


「でも、もしそのことを知っている人がいたら?はっはっは、当然処分さ。存在を消さないとね。知られたら邪魔されたり変な噂をされたりとデメリットしかなからね」


もう、泣きそうだ。すべてを失って、命まで狙われて、もうわからないよ...


「あー、その...ごめん。漫画とか映画とか見ててちょっと悪い癖がでた。ごめん」


そもそも漫画とか映画って何?


「そこでもう一度質問です。生きるために俺から生きる術、学んでかない?」


この質問に答えは1つしかなかった。断ればきっと明日、僕は死ぬだろう


「......おねがい.....します」

男は頭をぐしゃぐしゃに撫でながら聞いてきた

「聞こえないよ、もう1回」


「お願いします!!!!」


男は笑ってた

「びっくりした。でかい声でるじゃん。」


「知ってること、ちゃんと教えてやるからちゃんと生きろよ」

 笑ってる男の目はなぜか悲しそうにも見えた。


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