第3話 宴②
夜も近づき、王都からきた人達、村長、村の人含めほぼすべての人が広場に集められた。
村長が話をし始めた
「本日は騎士様、王都からこられた方々、そして英雄たちの力によって世界は平和となった!我が王の元より平和の祈念として急遽だが宴を開催する。皆の者、王様、英雄たちに感謝をし、この宴を盛大に楽しむとしようじゃないか!!」
「「「うぉー!」」」
村は大きな盛り上がりとともに宴が始まった
王都よりきた神官、騎士様それぞれ一言ずつ簡単な挨拶をしている。
(今がチャンスかもしれない....)
そう、僕はワインを一度吞んでみたかったのだ。父さんはよく僕の目の前でのみながら「このコクが」とか「塾生が」とかわけわからないことを言っているが総じて良い笑顔でいる。あの姿を見ると一度でいいから飲んでみたいと思うのは自然の摂理であり、衝動、いや、生きる上で仕方がないことだ....
「よしよし、みんな飲んでるな」
こっそりとワインの入ったコップを取ろうとする
「最近うちの息子がな...」
ん?この声は父さん....なんてタイミングだ
一時撤退!撤退!!
遠目で僕はワインを見る。肉やら御馳走なんてあとでいい。僕はワインをのみたいんだぁぁぁ!
遠目で見てると神官様や騎士様が何やら話をしている
「そろそろか?」
「いや、もう少ししてからです。王からの命令は必ず遂行しないとなりません」
(何のこと?まあいいか)
結局その宴ではワインを飲めなかった。なんで父さんずっと張り付いてるんだよ。もう意味わかんない。まあ、でも美味しい肉食べられたからいいけどさ
~深夜~
「...食べ過ぎた」
お腹が限界だ.....出そう....
急いでトイレへと駆け込んで外を出る。
「あれ...何か光ってる?」
村を追おう光は外壁だけ明かりを灯し、村全体を覆っているようにも見える
「綺麗なひかり....」
正直、見とれていた。見たこともない輝きだった。
見とれていた。ずっと見ていたいと思える輝きだった。
ぼーっとしていたら近くから何かが飛んできた
「ばっ!!!」
声が聞こえた先を振り向いた。その先から赤い何かが飛んできた
びっくりして声も出せなかった。赤い何かが僕を抱え飛んでいる。
僕は村の光を見ながら声が出せずにいた。その数秒後.....
「村が消え...た...?」
連れ出された先は崖の上だった。村が一望できる唯一の場所だった
村に居たのは王都からきた神官と一部の騎士様だけ....
建物もほとんど消えている。村にいたはずの馬も犬も......人も....
「父さん....?母さん.....?」
わからないわからないわからないわからないわからないわからないわかわないわからないわからないわからな...
僕は気を失った....
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