第2話 宴①

僕の生まれた村は小さかったようだ、人口も全員で60人ぐらいしかいない。同じくらいの子供も数人くらい。狩りをしながり隣村と物々交換をしながら生活をしている。時折王都から馬車が来て、物資を交換しながら生活をしていた


 (王都、一度でいいからいってみたいな.....)


 ドゴッ!


 頭が痛い


「集中しろ、帰るまでに魔物に襲われたら死ぬぞ!」

「父さん......ゴメンなさい」

涙が止まらない。初めてのお使いなんだから少し浮かれてもいいじゃん!!


「着いたな、荷物運ぶからここで馬と一緒に待ってろ」

「は~い」


 もし王都で仕事出来たら何しようかな、もしかしたら綺麗なお姉さんもいたりしていい生活できるんだろうな



そんな妄想しながらにやにやしてたら父さんが帰ってきた。少し険しい顔をしていた。

「ミラン、少しここにいるんだ.....」

 あ、ミランは僕の名前です

 

「なにかあったの?」


「...王国の連中がきてやがるんだが、なんか怪しというかなんというか」

なんか歯切れが悪いな..そんなことを思ってたら


「とりあえずあれだ、少しここで馬の番でもしていてくれ、すぐに戻るから」


「はいはい、待ってますよー」

 少しって何分ぐらいだろ


 ~30分後~


 父さんが戻ってきた。なんかちょっぴりうれしそうだ。怪しい

「おい、ミラン。明後日は英雄を称えるかなんか知らないが宴をやるそうだ、酒も食い物も全部王国の連中もちだとよ!ハッハッハ」


「ということは明日ワインも飲めるんですね!やったー」

ドゴッ!また頭を殴られた


「ダメに決まってんだろうが!まだ12歳のクソガキに飲ませるわけないだろ!!!」


「.....うっうっ...」

 父さんの拳骨はほんとに痛い、たまには手加減してほしい


「明日の宴は日が沈むころからやるそうだ、村の護衛に一晩だけ騎士様方が村を護衛してくれるんだと、ほんと英雄様には感謝だな!だっはっはっは」


~翌日~

 日が明けると共に王国の魔法使いらしきおじいさんややけに姿勢のいい騎士、王国の印を胸元につけた偉そうな人が何やら話しながら準備をしていた。

 ちょっぴり観察してみると床に模様を描き、ビンやら供物やらを並べ始めた。


気になったので近くにいた騎士様に質問してみた

「騎士様は何の準備をしているの?」

騎士は答えた

「坊主、見ての通り宴の準備だ。」

にやりと笑いながら続ける

「王様からの命令でな、世界が平和になった記念だとよ。まぁ、俺も今回宴は初参加だから詳しくは知らないがな」

知らないんだ...ふーん。と思いジッと見ている騎士は続けて話をした

「坊主、まだ酒のんだことないだろ?明日はいっぱい出るからこっそり吞んじゃいな」

あ、この大人最低だ。でも最高だ

「はい!」

っと嬉しくて声大きくなっちゃった

「じゃあ祭りの準備するからな、またな!」

騎士は笑顔で手を振ってきた

「うん!ばいばい!」

 

 明日が楽しみだ、その時はそう心から思ってた。


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