第4話 霊障

瑞原さんのクライアントさんの相談の中には、神様たちに取り次いだ方がいい案件もある。その代わりに、神様から仕事が回されてくることもある。それを私が仲介している。


そのうちの一件に、

最近家の中で変な物音や気配がするというご相談があった。

風水的に見ても少々問題があったので、瑞原さんがその対処をしたのだが、またしばらくすると同じで、特に飼い犬が怖がってソファの下から出てこないという。

また、人間関係で悩んでいて、鬱病的な感じもする。

霊障が疑われると、私に相談が回ってきた。

見てみると家の中に二つ強い霊がいる。

土地の問題というよりもどこからかついて来たもの。

クライアントさんに聞くと、少し前、落ち込んでいてなんとなくどんな所かと思って、自殺の名所といわれている所に行ったという。

そこで自殺した女性がついてきていた。この女性は飛び降りた際に半身がちぎれたらしく、上半身だけで家の中を這い回っていた。きっと犬たちはこの霊を怖がっていたに違いない。クライアントさんが見えないのは幸いだった。


もうひとりは兵隊の格好をした男性。戦争で亡くなった人のようだ。自殺者の霊がたくさんいる所に引き寄せられていたものが一緒についてきたらしい。主にこの霊が物音をたてていた。家の写真を見せてもらうと、窓からこちらを睨むようにしているのが映っていた。


これはちゃんと上げないといけない者たちなので、こちらの仕事だと「皆」が言う。

話を聞くと同時に、「これは地蔵の仕事だ」と地蔵が飛んで行った。

その日のうちに怪現象は収まり、クライアントさんも別人のように明るい声になった。

あまりにも気味の悪いものがついて来ていたので、怖がらせてもいけないと、しばらくは原因を伏せていたが、後日、クライアントさんがはっきり言ってほしい、知っておきたいと言われるので、詳細をお話した。これで二度と軽い気持ちで自殺の名所などという所には行かないだろう。


お地蔵様は霊が迷ったりするとちゃんと上がれるよう導いてくださる。ちなみに生霊は観音様の仕事となる。

あわせて自殺について聞いたところ、天国と地獄の狭間のような所に行き、ご先祖様が助けてくれるまで彷徨うことになるのだそうだ。

魂は死んだら終わりではない。自殺しても決して楽になどならない。


自殺の名所や、心霊スポットと言われる場所には悪い気が溜まっていて、さまざまな霊、化物などが集まっている。霊感があるなしに関わらず、ひきずりこまれたり、今回のようについてきてしまうこともある。くれぐれも、安易に近寄らないことだ。

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