ごめんね。
私は、体をサッと流して先にはいった。
「ねぇー。もう一回妬いて」
「欲しがるね」
梨寿は、そう言って笑ってくれる。
梨寿を幸せにしたい。
二人を引き離したから…。
「湯船にきて、マッサージしてあげるから」
「うん」
体をさっと流して、梨寿が入ってくる。
何度見ても、綺麗だと思う。
スタイルが抜群とかじゃない。
お肉は、ムチッとしてるけど…
私には、梨寿の体は綺麗だ。
世の中的には、ぽっちゃりって言われちゃうかな?
「足、マッサージするね」
「うん、ありがとう」
「この傷は、消えないんだね」
足首にある傷を撫でる。
「うん、消えない。」
「私、梨寿の足好きだよ。」
「左右対称じゃないよ。」
「そこが、好き。」
ふくらはぎを優しく撫でながら、マッサージをする。
梨寿の全部が、愛しい。
「
「子供の事?」
「それが、一番だと思う。戸籍上は、まだ夫婦だし。由紀斗の実家に行かなきゃ行けない時はあるし。真白に、それで不安な思いをさせてしまうと思う。ごめんね。」
梨寿の手が私のマッサージしてる手を掴んだ。
「いいの。離婚反対されたわけだし。私とは、どう頑張っても結婚出来ないんだから…。私ね、逆に嬉しいんだよ。梨寿と旦那さんの絆を無理やり引きちぎったみたいに思ってるから…。紙の上だけでも二人が繋がってるの嫌じゃないんだよ。少しだけしか話してないけど…。旦那さんが、梨寿をどれだけ愛していたかわかるから」
私の言葉に、梨寿は泣いていた。
「背中流してあげる」
頬にキスをされる。
「座って、髪の毛も洗ってあげるから」
そう言われて、椅子に座る。
梨寿の優しい指が、私の髪を洗ってくれる。
「梨寿、私といると子供がよけいに作れなくなっちゃたね。」
「しっー。」
梨寿は、シャンプーを流した。
リンスを丁寧に、毛先にぬってくれる。
「それでも、梨寿を他の人に渡したくなかった。黒瀬さんとなら子供が出来たかも知れないし…。なのに、あの日酔っ払った梨寿を黒瀬さんから奪って私の家に連れてきた。」
私は、梨寿の可能性を潰したんだよ。
涙が込み上げてくる。
「ごめんね、梨寿」
梨寿は、後ろから私をギュッと抱き締めてきた。
「真白。私は、黒瀬さんとの子供はいらないよ。例え、出来ると決まっていたとしても欲しくないよ。私は、由紀斗との子供が欲しいんだよ。だから、黒瀬さんに気持ちを伝えられていても付き合ってはいないよ。それに、私は真白と一緒に居て楽しかったよ。確かに、最初は楽だったよ。でも、今は違う。真白でよかったって思ってる。」
梨寿は、私の背中にキスをしてくる。
梨寿は、ずっと気持ちがブレてない。
わかってる。
由紀斗さんとの子供しか欲しくない事も…。
私をきちんと選んでくれた事も…
なのに、私が自信がないだけだ。
まだ、続けてたら子供が出来たかもとか…
市木さんに、とられたくないとか…
そんな風に考えて
梨寿への想いをブレさせてるんだ。
「痛いよ」
梨寿は、肩を噛んでくる。
「ヤキモチ妬いて欲しいんでしょ?痕つけたい。」
「噛まれるのは、痛いよ」
「ごめん。」
「でも、たまには許してあげる」
「よかった。」
梨寿は、後ろからさらに強く抱き締めて肩に痕をつける。
「んんっ」
強い痛みが、少しだけ走った。
「ごめん。痛かったね」
すぐに、優しく舐める。
「大丈夫」
「もうしないから…。」
「たまにしていいよ」
「どうして?」
「梨寿のヤキモチが嬉しい」
そう言って、私は梨寿の唇を引き寄せてキスをする。
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