第26話 力の代償

シンは剣に光を宿して、上空から無数の斬撃を繰り出す


ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ


ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ


ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ


ルークは右手に純白の禍々し剣を出し、全てを弾き返す


しかし


ルーク「...............!?」ガクッ


周りに弾き飛ばした斬撃や当たらなかった斬撃が周りの地面をクレーターへと変えていき

ルークは足場を失う


体制を崩した事で弾き返していた斬撃を弾き返せなくなり全身にその斬撃を受けることとなった


ルーク「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!

!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


腕がちぎれ、肉が裂け、それでもルークはミンチにされ続けた


マイ「ルークー!!!!!」


ユキ「やめて!シン!ルークが死んじゃう!!」


シャイン「ルーク!死なないでくれ!」


その光景を目の当たりにした3人は発狂した

それもそうだ愛する人が目の前で無惨にもやられているのだ


ルーク(死ねない........死なない......!俺は.......まだ.......!!!!)


シン「死ね」


シンは一言そう言った後狂ったかの様に笑う


シン「死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね死ね」


シン「テメーは俺様を.......この勇者様を馬鹿にした!!」


シン「テメーの所為で俺様の女は、おかしなっちまった!!」


シン「全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部全部!!!!!!!テメーの所為だ!」


それを言いながらも手は緩めずひたすらに斬撃を繰り出す


——————————————————————

粉塵で周りが見えなくなる


しかしシンは今の位置からルークが倒れている場所がわかっているので


そこから剣で相手に標準を合わせて


シン「テメーは俺様に!殺される運命なんだよぉ!!」


ドォォォォォォォォォン!!!!!!!


ルークを中心に大きな穴が出来る


ルーク「カハァァァァ!!!???」


それでもルークはまだしぶとく生きていた


シン「ち.......しぶといな?まだ生きているのか?」


そう言いながら、シンは剣をルークに向ける

その姿は勇者が魔王を倒す姿に見える........

しかし


リディア「........ルーク.....っ!」


この世界の未来を託した者からするとそれは

変わらない争い、蹂躙される魔族

その地獄の入り口に見えてならない


シン「とっととくたばれ!この.....屑がぁ!!!」


シンがルークの心臓を突き刺そうとした瞬間


ガシッ


と右手で剣を止められる


シン「は?」


全くもって動かすことが出来なくなり


バギッビシッ


と音を立てながら剣が砕けていく


ルーク「.....................」


ゆっくりと立ち上がり、ギロリとシンを睨みつける


ルーク「......................」


切れた腕や筋肉、骨などが白いオーラでくっつき、塞がっていく


ルーク「...................殺す」


シン「.......e


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド


シンが反応するよりも早くルークがシンの体を殴る


シン(...................何が起きた!?)


——————————————————————


マイ「ルーク!良かったぁ生きてたぁ」ヘタ


そう喜んで座り込む

しかし隣にいたユキは深妙な面持ちでルークを見る


シャイン「?どうしたんだ、ユキ」


それを不思議に思ったシャインがユキに話しかける

すると座っていたマイも喜んでいたのも束の間、立ち上がり心配そうな顔で見る


ユキ「僕が聖女なのは知ってるよね?」


マイ「え?..........まぁ知ってるけど」


何をいきなりと思ったが、取り敢えず黙っておく


ユキ「だから僕は他の人よりも闇の力や人々の負の感情と言うのを人一倍感じ取れるの」


それ故に聖女はその者らを光へと導く

絶望を希望に変え

負の感情を無くすために


ユキ「だからこそ、今のルークが怖いの」


シャイン「ルークが?」


うんとユキは頷く


ユキ「勿論大好きだよ、でも今のルークはまるで怨念の様な感じなの、あいつに対する凄まじい数の怨念を纏って戦ってる」


マイ「そんな!?大丈夫なの!それ!?」


そんな事になれば、ただでは済まないユキの肩に手を置きマイは尋ねる


ユキ「..............大丈夫だよ」


その言葉を聞いてマイとシャインはため息を吐きながら安堵する


ユキ「さっきまでは」


がこの言葉でまた戦慄が走る


ユキ「今のルークは明らかに異常よ、まるで怨念そのもの」


マイ「...............ルーク」


シャイン「ルーク.......」


3人はただ、ルークの無事を祈るだけだった


上空にいたリディアとサキュバスはルークの異変に気づき苦虫を噛み潰したような顔となった


リディア「お主.......感情に飲まれたか.......っ」


あそこまで追い詰められれば仕方ないとはいえ、こんなにも早くに飲まれるのは想定外だった

もしもの時は自分自ら行き止めようと考えていたが、今は決闘中止めに入ることは出来ない


サキュバス「.........クッ」


サキュバス(頼む.......正気に戻ってくれ)


——————————————————————


シン「.....クッ!!」


シン「ソガァァァァァァァァァァァ!!!!!!!」


ダンッ


シンは折れた剣を捨て、地面を蹴りルークに向かって蹴る


サッ


先程までと打って変わって冷静に避ける


ゴッ


シン「カハァァァァ!?」


ルークはしゃがんだ姿勢のまま型を作り頭上に向かって殴る


キィィィィィィィィ...........


上空に吹っ飛ばされるがすぐに体勢を立て直し


両手に無数の光の玉を出し、それをルークに向かって投げる


ルークはそれを跳躍しながら全てを躱し

シンに足蹴りをする


シン「調子に乗るなよ!この屑がぁ!!」


ルーク「消え失せろ、世界の害虫.....!!!」


ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ

ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ


拳と剣の撃ち合いがその場で起こり


その衝撃がバリアの外側でも伝わってくる

ある者はその衝撃で気絶し

ある者はその衝撃で失禁し


驚愕し戦慄し恐怖した


戦いはデットヒートしていき

少しずつではあるが、ルークが押してきている

ルークの表情は読めないが

明らかにシンの表情は焦りに変わっている


シン「これで!!!」

キィィィィィィィィ.........


ルーク「.................」ス........


右手に光のエネルギーを溜め

一瞬の隙を狙って放出する


ドォォォォォォォォォン!!!!!!


ルークがシンの更に上空に移動した事により

観客に被害は出なかった


リディアとサキュバスもバリアを貼り凌ぐ


ルーク「ククク......アハハハハハハハハハ........」


ルークの不気味な笑みが、静かに木霊する


——————————————————————


続く

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る