第25話 人魔決戦〜シンVSルーク〜

コロシアム~中央闘技場~


リディア「これは中々見ものだな」


リディアは上空からルークとシンの対峙を眺めている、魔王が人間の目の前に現れたら大パニックとなり決闘どころではなくなるからだ


観客席は満席で全ての人間がこの一戦を見ている、魔道具も使い文字通り全世界が注目しているのだ


勿論魔族も同様にこの戦いに注目している


サキュバス「全く、あたしをこき使いすぎですよ?魔王様」


そう言って魔道具を持ちながら愚痴を溢すのは、ルークを治療したサキュバスだった


リディア「良いではないか、お気に入りなんであろう?あの男を」


リディアがそう言うと、サキュバスはふふふと人々を魅了する美しい声を出す


サキュバス「あたしの誘惑に負けず、平等に接してくれる人間ですもの、まあ雌の匂いがしたから諦めているけど」


そう言うと少し残念そうにする


リディア「お主なら、きっと見つかるさ..........多分」ボソ


サキュバス「多分ってなんですか!?多分って!?」


今年でいい歳になるので番が欲しいらしいが、相手はサキュバス、中々お目当ての男がいないらしいのだ。


サキュバス「必ず、いい男を!!!」


リディア「.............」


そんな茶番をしているうちに、どうやら2人が出揃った様だ


リディア「さて、我らの運命、お主に預けたのだ、期待しているぞ?」


——————————————————————

シン「ククク、逃げずによく来たねぇ?」


ヘラヘラ笑いながら所定の位置に着く

魔王相手だとオドオドしていたが、どうやら格下だと調子に乗るタイプらしい


ルーク「大丈夫、負けても世界の恥ならずに済むから安心して♪」


ルークもルークで相手を挑発する

その態度がシンの怒りに火をつけた


シン「なんだと?この屑野郎............」チャ.....


そう言って剣を抜く、本当に短気な様だ


ルーク「屑はお前だ、シン」


シン「人の名前を気安く呼ぶんじゃねえ、屑が!」


ルークも戦闘態勢に入る、周りからドス黒いオーラが現れる


ルーク「お前が勇者の力なら.....俺は悪意の力だ」


勇者によってやられた者達の思いが全身に宿る


シン「悪は死ぬ、勝つのは正義である俺様だ」


.......................................................................

.......................................................................


ワーワーと盛り上がっていた闘技場はいきなり静かになる


ルーク「...................」


シン「.......................」


        “”死ね””


その瞬間地面が割れクレーターが出来る


観客「キャァァ!!!!???」


瓦礫の破片が観客席に当たる


国王「魔術師!」


魔術師「「「は!」」」


危険を感じた国王が事前に準備しておいた魔術師達を呼び、観客に被害が出ないようにバリアを貼る


それは他の国の国王達も同じ考えだったらしく、結果的に何十にもバリアを貼る事が出来た


これならば、殆どの攻撃を防ぐ事が出来るだろう.............多分


ルークは悪意のオーラで純白の禍々しい剣を作りシンに応戦する


ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ


ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ


ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ


バリア越しでも伝わる程の衝撃波

中央で戦っている者達は目にも止まらぬ速さで剣を振るっていた


ガァァァァァァァァァァァン!!!!!


中央で火花が散りながらお互いが剣の衝撃で離れる


ダンッ!


離れた瞬間ルークは立ち直し反撃に出る

日頃鍛錬を欠かさなかった所が今となって

戦いの優越を決めていく


ゴッ!


ルークは剣ではなく足でシンを遠くに蹴飛ばす

シンは何回も回転しながら、体勢を立て直しダメージを受け流す


斬っ!


ルークは立て続けに無数の斬撃をシンに向かって放つ

その速さは音を超え

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド


とともに、闘技場のバリアにヒビを入れる

観客や国王達は2人の戦いに夢中で気が付かない、それもそのはずヒビと言ってもほんの数センチにも満たない程だからだ


斬っ!!!


今度はシンが斬撃を放つ

たった一振りだが、それでルークの全ての斬撃が掻き消された

目の前が砂煙で辺りが何も見えない


キィィィィィィィィ........


と何処から共なく音が聞こえる

その音を聞きながらシンはニヤニヤと笑いながら一歩後ろに下がる


その瞬間


ドゴォォォォンンン!!!!


空からルークの足が地面に当たる

どうやら先程の斬撃で周囲の視界を遮断し、その隙に跳躍しシンを狙っていたようだ

しかし、それを見抜き躱した

これが勇者の天性の直感なのだろうか


斬っ斬っ!!!


シンが後ろに下がり、着地したと同時に


シンは龍に似た斬撃を

ルークは禍々しい赤黒い球のような斬撃を

放ち


ドゴォォォォンンン!!!!!!!


その風圧でクレーターとなった瓦礫が両方に当たらないようにしているかのように当たらない


2人はその場で仁王立ちしているだけなのに、そのような光景が起きた


ルーク「ハアッ!!!」


ゴウ!!


禍々しいオーラを全身に纏い、純白の禍々しい騎士のような姿になる


シン「ハアッ!」


シンは瞳を黄色くし、金色のオーラを纏う

その姿はまさに神々しく


まさに勇者対魔王の様な戦いだった


しかしこの戦い、皆が注目さえすれど複雑な思いを寄せている


それはまさしく勇者シンのせいである

勇者シンの所業は全世界に広まっている

その者がこの世界の命運を握っているのだ

(まだ勝利したらどの様な事になるのか皆んな知りません)


負けて欲しい反面、人類のためなら勝ってほしいと言う何とも言えない感じなのだ


そんな事はお構いなしに2人は激突する


ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ


ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ


ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ


激しい斬撃が繰り広げられる中、ルークは悪意の力を使ってエネルギー砲を放つ


ゴウ!!!


シンはそれを剣一本で弾き返しエネルギー砲が後ろで大爆発を起こす

シンは笑いながらお返しと言わんばかりにクレーターの破片をルークに投げつけてくる


音を超えているため反応に遅れ全身に岩が当たる、しかしオーラでその全てを掻き消した


だが、そのせいで一瞬だがオーラが消え、その隙を狙われ金色の斬撃を放つ


カッ


しかしルークの瞳が白く輝いて

斬撃を相殺する


ルーク「お前にやられた者達の憎悪だ、これでお前を倒す」


ルークは、跳躍しそこから純白の禍々しいオーラを集約しシンに向けて放つ


シンはそれを躱した、しかし


シン「!?」


それはまだルークが放ち続けているためそのまま追い続ける


ガガガガガガガガガガガガガガガガガガガガ


地面を削りながらシンを追う


キィィィィィィィィ...................


それでは永遠に追いかけっこになる事を察したルークが今度は大きなエネルギー弾にシンに投げる


それは闘技場全体を覆うため避けるところがないシンはそのままエネルギー弾が直撃する


ドゴォォォォンンン!!!!!


ドォォォォォォォォォ.....................


大爆発を起こした後、金色のオーラが一筋現れ


スッ.........


ルークの頭上に現れ曲げていた足を伸ばし

直撃する


ガッ!


地面の中に埋まり姿が消える

次の瞬間


ルーク「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」


ガッ


地面のクレーター事破壊して体勢を立て直す


ルーク(もっとだ!もっと!奴を超える力を!!)


——————————————————————


続く

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