第2話 いざ京都〜sideカツミ
カツミは”目”を隠して暮らしていた。薬局で売っているガーゼ付きの眼帯を左目につけていた。かつて暮らしていた場所からも離れ、普通を装っていた。
その裏では図書館等に入り浸り、”能力”の歴史や”目”についての文献を読み漁る。自分を知り、敵を知るために。自分の時と同じような事件が無いか調べるために。
そんな彼の日常に、波乱が訪れる。
「どこを探しても似たような文献ばっかになってきたな。これじゃ情報も何も無い。」
独り言を呟き、いつものように図書館から帰ってきたカツミ。
「ただいま。」
「おかえり、カツミくんに手紙が来てるよ。」
そう言って出迎えたのは彼の叔父、父親の弟にあたる。
「手紙?誰から?」
「それが宛名が書いてなくてね。触った感じは変なものは入ってなさそうだけど。」
「ふーん。」
ベリィ!っと勢いよく封筒を開け、中の手紙を取り出した。後ろから叔父が覗き込み、2人で手紙を読む。
『カツミくん、君の事情は全て知っている。父親の仇の情報を知りたいだろう。ヘリを寄越してあるから京都に来たまえ。』
「・・・ヘリ?」
疑問を持つのも束の間、ヘリの音が近付いてくる。慌てて2人は外に出た。
「おいおい、嘘だろ?」
頭上高さ10メートルの所にヘリが来て、縄ばしごが降ろされる。
「カツミくん、どうする?」
「行ってみる。後で連絡はするから、叔父さんは家で待っててくれよ。」
「分かった。兄さんの仇は頼んだよ。」
別れの言葉を交わすと、カツミは縄ばしごに手をかける。
登った先にいたのはイケメンだった。
「初めましてカツミ君。アタシはEYES諜報部隊長、花木薫よ。気軽にフラワーって呼びなさいね。」
ただのイケメンではなく、落ち着いたオネエ口調で喋るイケメンだった。
「フラワーさん?色々疑問があるんだけど、着いてからの方がいい?」
「うふ、適応力の高い子は好きよ。そうね、もう1人連れていく子がいるし、着いてからにしてちょうだい。」
そうしてヘリは別の場所へ向かうのであった。
Break Eyes ひまち @himaningen1
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。Break Eyesの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます