個人勢、最後の配信

日曜日の15時に、ワラライブ公式ツイ〇ターにて私がワラライブに加入することが決まった。正式に加入するのは、明日からだ。すぐに私は今日のサムネイルを公開した。『企業VTuverになったよ』の文字が入ったサムネイルだ。

「お前らー今日も一日おつかれー!!KP!!」

『KP!』

「どもどもー。アル中VTuverの小鳥遊酒由です。毎週日曜日は雑談枠だね。でも、今日は雑談というか報告だ。」

と言いながらワインをグラスに入れて、一気に飲み干す。

『企業にはいるんだね。』

『ワラライブに合格したのか』

「そうそう、コメントでも言われてるんだけどそうなんだよ。私、小鳥遊酒酒はこの度ワラライブに加入することになりました。イエェーーイイ。つうことで今日が個人勢最後の配信になりまぁす。」

『おめでとう。』

『こんなアル中よりもっといい奴いるだろw』

『アル中より他を選べよw』

「誰だ。アル中より他を選べって言った奴は?お前だな。」

いつもどおりの配信だ。軽くプロレスをしながらも、リスナー達と楽しく会話をしている。そんな中でとあるコメントを拾う。

『企業にはいったら晩酌配信でしか、酒飲みながら配信できなさそう』

「そうそう、合格したんだけどさあ、一日だけ保留扱いになったんだよ。健康診断を今すぐ受けてって言われて、三か月前に受けてて結果でてるんだよね。どうだったと思う?」

『肝臓とかやばそう』

『顔が肝臓だから診断結果も肝臓』

『色々と問題がありそう』

『生活習慣的に案外…』

『アル中がいいわけないだろw』

「お前らさあ、私を何だと思ってんだ?」

『アル中(スタンプ)』

『アル中(スタンプ)』

『アル中(スタンプ)』

「一人ぐらい『可愛いくて最高の推し』っていう奴はいないのかよ。」

『アル中が先に出ちゃった』

『はいはい。可愛い』

『雑談配信でしか見られない。ダル絡みが最高すぎて尊い』

「適当に言ってる奴も、本音を言ってくれてる人も、いつも見に来てくれてありがとう。大好きだよ。」

『唐突な告白やめろ』

『いつも助かる』

『毎週言ってくれてありがとう』

「脱線したね。話を戻そうか。健康診断の結果は、肝臓が少し普通の人よりも悪い状態なんだけど、それ以外は特に問題もないってさ。」

『噓だろ』

『生活習慣はいいもんね』

「毎日3食バランスのいい食事に、毎朝ジョギングして、配信のない月曜日は休肝日にしてっから。」

『アル中のくせに』

『アル中ニートのくせに』

『アル中ニートの一ヶ月の酒代+お祝い(スパチャ・2万)』

「ニートじゃねぇよw。配信業としてやってんだろ。そこ、勘違いすんなよ。スパチャありがとう。三ヶ月前までは配信もせずにニートだったけど。てかさあ、何で私の一か月の酒代知ってんの?怖いんだけど。」

『これまでどおりなの?配信は?』

「そうだった。健康診断の結果が異常なしだったから、これまでどおりでいいってさ。異常ありだったら変わってたかもね。」

『俺も同じメ〇シャンの赤ワイン飲んでるから、値段分かるんだよ。朝と昼がチューハイだろ。だいたいそれぐらいだろ。』

「ツイ〇ターに酒由ごはんとして、載せてるのから推測したんかい?惜しい。ちょっとだけ超えてる。」

配信は一時間をすぎていた。ワインが一瓶、空にもなっていた。

「いい感じに酔いが回りきってるわぁ。気持ちよく寝れそう。そろそろ寝るかも」

『ぶっ倒れまで、もう少しか』

『こんみゆ。まだ起きてた。』

そして、数分後…

「それでさあ…(バタッ)」

こうしていつも通りぶっ倒れた。ぶっ倒れたといっても丸椅子から、布団に寝転んだだけだ。最初のころは、心配されたが、慣れたリスナーは寝転んだだけというのも分かっている。

『ぶっ倒れたかあ…』

『節目の配信でもぶっ倒れた女』

『これがみゆちゃん…』

そして、私は企業勢として、最初の朝を迎える。
































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