第8話 強まる副作用 +隙自語


「おはなし会」に参加していくなかで、ゾルピデムの副作用をより自覚していくようになった私。それでも「怖い」「やめよう」と思う気持ちより「楽しい」「面白い」と思う感覚のほうが強かったです。

世界が、感情がぐるぐる回る感覚も、あの冒険も、水の中から聞こえる声も、私にとっては全てが新感覚で刺激的でした。


何度か精神科の先生に相談しようとしましたが、できませんでした。

その先生は患者の相談をよく聞こうとしてくれる方だったのですが患者一人一人に時間を割きすぎて予約の時間を大いにオーバーさせてしまいがちでした。

ただでさえいつも人であふれかえっている精神科。

そこはかなり重度の患者さんを診ているようでしたので私はいつも気おくれしていました。私はそこに中学1年生の頃から通っていましたが、そこで出会う他の患者さんより重度の疾患を持っているとは自分ではそう思えなかったのです。

脳の障害のためか言葉を発することが困難な人、複数人の家族に付き添われている人、奇怪な行動をとる人…さまざまでしたが、皆一様に長く待たされてピリピリした雰囲気を纏っていました。


一方私はそこそこ話すことはでき、意思疎通もできる。身体も一応随意的に動かすことができる。そんな恵まれた人間がこの病院にいてもいいのか。ずっといたたまれない心地で通ってきました。


そのため私なんかより他の重度の患者さんを優先してくれ、といつも早めに話を切り上げてしまう癖がついていたのです。


そうして、医者に相談しないままズルズルとゾルピデムを使い続けていく。


いつ頃からだろうか。とうとう耳に靄がかかった状態が常と化していったのは。


外界の音が全く聞こえなくなったわけではなかったのですが、熱に浮かされているように自分の周りのものが気にならなくなりました。自分の声が異様に大きく私の耳に響くような感じです。

ただ、全く不快な感じはありませんでした。やはりどこか焦燥が私を襲いつつもなぜかどんな状態におかれても楽しいと感じていました。








(--文章にするのがこれほど難しいとは思いませんでした。多分当時の状況のなにひとつ伝わらないな多分。

 精神科の描写が多くなったのは私が去年、2021年のちょうど今頃無理やり止めてきたからです。中学1年から大学病院、私立病院の精神科で検査なりいろいろしてきましたがこの精神病院に通った時間が一番長く、思い出(?)がたくさんあります。

あそこには私の中で灰色のイメージがありました。停滞、無をあらわすような。

 10年近く通った中でカウンセラーさんも3回変わりました。

私と、診察室の周りで呆けた、沈んだ顔の患者さんだけが沈殿する澱のように変化をしないように見えました。(失礼すぎる)

漸進的 にでも変化すべく、私はカウンセリングも診察も止めました。

ODのせいで色々と欠落したものが多いですが、今はなんとか健常者に混ぜて貰っています。元寝たきりの私が自力でリハビリして、身体を動かし働いて僅かばかりのお賃金をいただいております。割と変化があります。

 最終的には私の人生はバラ色…とはいかないでしょうが

小さく強く咲く野花を見、途方の無い海の果てを眺め、揺れる木の葉を見てじんわり広がる「いいな」を噛みしめる毎日が続けばいいなと思っています。

もう灰色はこりごりなので。

…小5から自殺未遂ばかりしているのでいつか、いや案外すぐ死ぬかもしれませんが。毎日…が…続くのか?!続かないのか!?乞うご期待


                    

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