第2話

 朝。目が覚めても斉藤さんは消えては居なかった。半透明のまま、部屋の隅に浮かんで、何故かストレッチのような動きをしていた。腕を伸ばしたり腰をそらしたり。……意味あるのか?

「……おはようございます」

「おお、おはよう柑菜さん」

 にこやかな笑顔の斉藤さんになんだか気が抜けた。私はとりあえず洗面所で顔を洗って、それから着替えようとして、ふと動きを止めた。

「……斉藤さん」

 斉藤さんは私の思いを察してくれたようで、ふわふわ浮かんで玄関の方へ去っていった。私はそれを確認してすばやく服を着替える。……なんと言うか、とても面倒だ。思わずため息をついた。彼のせいでないことは分かっているけれど、それでも、見知らぬおじさんとの共同生活だなんて、ちょっと考えられない事態である。さっさと原因を突き止めて、彼を「成仏」させたいところだ。


「それじゃ、行ってきます」

「いってらっしゃい」

 斉藤さんの優しい挨拶は、実家の父親を思い出させた。思わず泣きそうになって、ぐっとこらえる。おかしい、歳だろうか……って、まだ二十になったばかりだけど。



 私は大学でレポートを提出すると、他の講義をサボってキャンパスを飛び出した。斉藤さんが命を落としたという事故現場に行くためだ。何かがつかめるかもしれない。……というか、他になにをしろと言うのだ。斉藤さんの実家とかなんて、他人の娘がほいほい行けるはずもない。とりとめもなく考えながら電車を乗り継ぎ、都内の交差点に向かった。正確な場所は斉藤さんが居ないから分からないが、現場に行けば注意を促す看板か、そうでなければ花束の一つくらい置いてあるだろう。


「……あれか」

 広い交差点の一角、ガードレールの一部がひしゃげていた。ぽつりと一つ花束が置いてある。周りには誰も居ない。そばの看板に、「事故現場。スピード注意」と大きく書かれていた。ここで斉藤さんは命を落としたのだ。酔っ払い運転手の暴走によって。一人の尊い命が失われたのだ。私は少しだけ背筋が寒くなるのを感じた。「死ぬ」とは一体どんな感覚なのか、まだ当分は知りたくない。

 近くまで行き、そっと手を合わせる。――どうか、彼に安らかな眠りを。

「お嬢さん?」

 誰かに呼びかけられて、私は顔を上げた。斉藤さんと同世代くらいの、背広の男性がそばに立っていた。少し驚いたような、窺うような顔で私を見つめている。

「斉藤さんの……お知り合いで?」

「ええ、あの……ちょっと」

 私は言葉を濁した。上手い言い訳を考えておくべきだったか。

「そうですか……私は彼の会社の同僚でしてね。それにしても驚いたな、こんな若い女性の友人が斉藤さんに居たとは」

 彼はかすかに笑ってそう言ってから、花束の備えられた場所に向かって私と同じように一度手を合わせた。

「残念でしたね……」

「……そうですね」

 私はうなだれた。会社の人もしばらく黙っていて、それから私に一礼してそのまま歩いて行ってしまう。

「あの!」

 私は思わず呼び止めていた。何か聞かなければ。斉藤さんについて。

「あの、あの……」

「はい?」

「斉藤さんとは、仲がよかったんですか?」

 私の口からこぼれた質問に、彼はちょっと黙った。そして、少しうなってから、頷いた。

「そうですね。たぶん、良かった方かな。一緒にお昼を食べることとか、何度かあったし。良い人だったから、本当に残念だ……」

 それだけ言うと、彼は私に意味ありげに目配せした。「君も知ってるでしょう?」みたいな。……私は斉藤さんとどういう関係だと思われているんだろうか。

「それじゃあ、これで失礼しますよ」

 会社の同僚さんは、にこやかに行ってしまった。私はその場に取り残されて、しばらくその場でたたずんでいた。

 一度近くのコンビニで飲み物を買ったりして、暗くなるまで「現場」の近くのガードレールに座って時間を潰したが、「会社の同僚さん」以外に斉藤さんの知り合いらしき人は誰も現れなかった。全く、収穫なしである。



「もうしわけないね」

 斉藤さんは言葉どおり申し訳なさそうな顔をして、透明な身体を縮こませていた。会社の同僚さんの話をすると、彼は誰のことだろうか、と思案し始めた。

「伊藤さんかな? それとも……高橋さんか。ねえ、どんな顔だったかい?」

「ええと、斉藤さんと同じくらいの年齢に見えて……優しそうな顔で、黒ぶち眼鏡してました」

「ああ。それじゃ、たぶん伊藤さんだ」

 斉藤さんはちょっと嬉しそうな顔をしていた。そうか、彼が事故現場に来てくれたのか、と言って目を細めている。入院して誰かが御見舞いに来てくれたときみたいな気持ちなんだろうか。私はちょっとだけ微笑ましいような気持ちになった。


 昨日と違って、私は小さいことを気にすることをやめた。つまり、斉藤さんに気にせず着替えとかお風呂とかそういうものをさっさと済ませた。その間斉藤さんには目をつぶったり部屋の隅で待っていてもらった。夕飯も、自分の分だけ勝手に作って一人で食べた。だって斉藤さんは食べられないのだからしょうがない。ただ、作ったカレーをうらやましそうな目で見つめる斉藤さんは少し気の毒だった。

 私はパソコンを開いて、ネットに接続した。オカルトサイトを巡って、幽霊について色々調べることにしたのだ。まともな情報が得られるかは正直期待できないが、何もしないよりはマシ、と考えることにする。

「見えざる者との対話……スピリチュアルチェック……呪いと殺人の方法、幽霊の成仏には生贄の血肉が必要……うわあ」

 間違ってクリックした画像の気持ち悪さに思わずえづきそうになる。慌てて画像を消して後ろを振り向くと、半透明な斉藤さんが気分悪そうな顔をしていた。

「俺の成仏には、その方法はよして欲しいな」

「分かりました……」

 結局、どのウェブサイトを見ても、斉藤さんの問題に役立ちそうな情報を見つけることは出来なかった。



 翌日、私は斉藤さんに教えてもらい、彼の借家を見に行くことにした。もう契約は切れているかもしれないが、遠目から眺めるだけでも何か分かるかもしれない。大学の講義はサボった。斉藤さんのことが気になって講義に身に入らないし、今日の講義は出なくてもあまり支障が無さそうだから、休んでもまあ大丈夫だろう。

 我ながらお人よしである。とはいえ、私が動かなければ、たぶん斉藤さんはずっと私の部屋に居ることになる。それは嫌だ(きっぱり)。

 斉藤さんの借家は私の学生アパートから二駅分離れたところにあった。小さい駅は近くにスーパーも無くて、少し不便そうだ。きょろきょろと辺りを見回すと、ブランコとシーソーしかない小さな公園が目に入った。その向こう側にクリーム色のマンションが見える。古そうなそのマンションは、曇り空とあいまって、なんだかとても暗い雰囲気を醸して出しているように見えた。

「なんか気が重い……」

 呟いてから、はっとして自分の頬をぱちんと一度軽く叩いた。気合を入れるためである。最初から気が引けていては駄目だ。なんとしても何か斉藤さんを成仏させる手がかりを見つけなくては。


「『アーバンまつやま』……」

 安っぽい石版に刻まれた微妙な名前は、間違いなく斉藤さんから聞いた名前だった。玄関のドアは簡単に開いて、すぐに入ることが出来た。どうやらオートロックではないらしい。エントランスにあった郵便受けから「斉藤昇」の名前はすぐ見つかった。四階の角部屋である。まだ名前はそのままにしてあるらしい。

「セキュリティ大丈夫なの……?」

 ここで一人暮らしはちょっとしたくないと思いつつ、私は近くにあったエレベーターで四階まで上がった。部屋の前まで行くだけ行ってみよう。

 斉藤さんの部屋はすぐ見つかった。表札にも「斉藤」と書かれている。だが、予想通りドアは開かなかった。ノックしようがインターホンを鳴らそうが何の反応も無い。当たり前だ。もう部屋の主はこの世にいないのだから。

「……」

 私はその場に突っ立ってしばらく玄関のドアを眺めていた。このドアの向こうで斉藤さんは生活をしていたのだ。ほんの数日前まで。それが、なんだか不思議なことのように思えた。ただ、玄関のドアを見つめていても、何も起きることは無い。ためしにドアノブを回してみたが、鍵のかかったドアはびくともしなかった。

「帰るか」

 くるり、と回れ右したところで、急に声をかけられた。

「おい、君!」

 威圧的な声と目に入った相手のこわばった表情に、思わず身が竦んだ。

「その部屋に何か用かね」

 眉間にしわの寄った顔、グレーのスーツに皮の鞄。四、五十代くらいの男性がエレベーター近くで私を睨みつけていた。つかつかとこちらに向かって歩いてくる。

「え、ええと……」

 言葉に詰まっていると、彼はじろりと私を頭からつま先まで一瞥した。

「この部屋の住人に何か?」

「あー、その、はい……」

 曖昧にうなずくと、彼は首を横に振って見せた。

「先日この部屋の主は亡くなったんだよ。だから、もうここには居ない」

 苦々しげに言うと、彼は懐から鍵を取り出した。

「私は遺品の整理に来たんだ。すまないが帰ってくれないか」

 そう言うと、彼は私の返事も聞かずにドアの鍵を開けて部屋に入ってしまう。ばたんと音を立ててドアが閉められるのを、私は黙って見ていることしか出来なかった。


 私は、しばらく鍵をかけられたドアの前で仁王立ちしていた。格好をつけて腕を組んでいたりする。

 ――このままじゃ帰れない。

 部屋の中にいる人物は、遺品の整理に来たといっていた。遺族、と考えるのが自然だ。それなら、斉藤さんが言っていた「気の合わない兄」というのがあの人なのだろう、たぶん。あんまり似てないけど。

 散々迷ってから、私は深呼吸をした。インターホンに人差し指を突きつける。あの人の話を聞こう。斉藤さんについて……教えてくれるか分からないけど。

「えいっ」

 意を決してインターホンを押したのと、突然目の前のドアが開いたのは同時だった。

「うわっ!」

「!? 君はまだここに居たのか!」

 びっくりしてそこから飛びのいた私に、出てきた「彼」は険しい声を出した。

「なんなんだ君は」

「ごめんなさいっ! あの、斉藤さんのお兄さんですか?」

 すかさず謝って尋ねると、彼は一瞬驚いた顔をした。

「……君は?」

 頭を下げて、呼吸を整える。なんだか緊張してきた。

「あの、斉藤さんの、と、トモダチです」

「友達? 君、学生だろう」

 しばらく黙り込んだ彼は、ため息をついて首を横に振った。

「自分の身体は大事にすることだよ……まったく」

「……」

 言われた意味が分からなかった私は、しばらくしてから意味に気付いて赤面した。


「ちょちょちょちょっと! 別にエンジョコーサイとかしてませんからっ!」

「む、違うのか。いやしかし……」

 どうやらハレンチな援交女子大生と間違えられたらしい。一生の不覚。ちょっと泣きそう。

「オジサンと付き合う趣味はありませんっ!」

 ありったけの力を込めて叫んだあと、私は我に帰った。狭い廊下に私の声が響き渡って、思わず手で口を覆ったが、意味は無かった。

「……すいません」

「いや、うむ」

 ばつの悪そうな顔をした彼は、おほんと一つ咳払いをしてもう一度私に問いかけた。

「友達、というのは?」

「あの、その……私この近所に住んでまして、最近知り合ったんですけど。斉藤さんには色々お世話になったんです」

 本当だか嘘だか微妙な話をすると、目の前の彼はまだ疑わしそうな顔をしていたが、もう何も言わなかった。

「君、名前は?」

「え、あ、はい。山中柑菜です」

「私は斉藤昇の兄、斉藤ひろしだ。ちょっと昇の話を聞かせてくれないか」

「こ、こちらこそ!」

 大きく首を縦に振ると、お兄さんは少しだけ表情を和らげてくれたのだった。



 マンション近くで喫茶店を見つけて、二人で空いた席に座った。とは言っても、席はほとんど空いていた。お昼時だというのに、あまり流行っていない店らしい。

「好きなものを頼みなさい」

「い、いえ! 申し訳ないですっ」

 恐縮して断ったが、お兄さんは何も言わずにメニューを私に押し付けた。仕方が無いのでホットの紅茶を頼むと、彼はチーズケーキを頼んだ。

 ――顔に似合わず……。

 心のうちに失礼な言葉が浮かんでくるが、口には出さずにお兄さんの顔をしげしげと見つめていた。見れば見るほど斉藤さんと似ていないお兄さんだ。斉藤さんは始終穏やかな、というか頼りない表情をしているし、眉が下がっていて口角は上がっている。でも、お兄さんは全く逆の印象だ。きりりと上がった眉に鋭い目、への字口が正直怖い。鼻の形とかは似ているかもしれない。

 ずっと見ていると、お兄さんと目が合った。思わずそらしそうになって、それではあんまりにも失礼なのでぐっとこらえた。

「弟とは似てないかね」

「……はい」

 正直に答えると、お兄さんは頭をかいた。

「昔からよく言われるよ、似てない兄弟だとね。だからか、あまり弟とは気が合わなかった。私が働きに出るようになってから、家族とは疎遠になってしまった」

 少し気まずそうな顔をして顔をそらすお兄さん。

「だから、弟のことはあまり分からない。君は何のためにあのマンションに行ったんだ?」

 まさか本当のことを話すわけにもいかない。私は考えてから、慎重に話し始めた。

「私は都内の大学に通う大学生です。ええと、斉藤さんとは近所のごみ拾いボランティアで知り合って、それからたまに近所のイベントで会うたびに相談に乗ってもらったりして仲良くなったんです」

 口からでまかせである。でも、結構ほんとっぽい。私はウソツキの才能があるかもしれない。

「その、一昨日斉藤さんが亡くなったのを知って、事故現場とか回ってて。私も何がしたいのか、って言われるとよく分んないんですけど。とにかくじっとしてられなくて……」

「そうか……君は弟と本当に仲がよかったみたいだね。しかし、部屋も知っていたのか? 若い娘が男の部屋に行くのは感心しないな」

 言いつつお兄さんの私に向ける視線が厳しくなる。なんだか生活指導の先生に怒られているみたいだ。

「ええっと、あの、友達と二人で遊びに行ったことがあって」

「二人でも危ないことには変わりない。気をつけなさい」

「す、すみません」

 ぴしゃりと言われて肩を落とした。……うう、私は悪いことしてないのに。


 しばらくすると頼んだ紅茶とケーキが運ばれてきて、両方とも私の前に置かれた。

「……」

 ケーキの皿をお兄さんに渡そうとすると、それを押し返される。

「君が食べなさい」

「え」

「チーズケーキは嫌いか?」

「好きですけど……」

 なおも言い募ろうとすると、鋭い目で制されてしまった。

「あ、ありがとうございます」

「……いや」

 黙って水をすするお兄さん。もしかしてこの人はとんでもなく不器用なんじゃないだろうか。しょうがないのでありがたく頂くことにする。フォークで一口。

 ――おいしいいい!

 私の中でお兄さんの好感度が二十ポイント上がった。


「あいつは、弟はどんなやつだった?」

「いい人でした。とても優しくて」

 それは嘘ではなかった。死後の彼は、とても優しい。私の部屋でふわふわと浮いている彼は、私の生活を邪魔していないか常に気にしていたし、死んだことを嘆いて酔っ払い運転の相手を罵るようなことは無かった。まあ、私の前以外でどうしているかは分からないけれど。

「会社は、あんまり好きじゃなかったみたいです……疲れた顔してましたし。ブラック会社に入っちゃったとか」

 私は斉藤さんから聞いた話をほとんどそのまま話した。お兄さんは黙ってそれを聞いている。

「あと、なんかお父さんみたいでした」

「は?」

「野菜はしっかり食べなきゃ駄目だ、とか言われたんですよ。知り合ってすぐです。お父さんみたいだなって思いました」

 思わずふふふ、と笑ってしまった。斉藤さんとは一昨日知り合ったばかりなのに、なんだか親戚のおじさんみたいで、よく知ってる人を話してるみたいな気分だ。

「……そうか」

 ゆっくりうなずいたお兄さんに、私は笑いかけた。

「お兄さんは、どうですか?」

「?」

「斉藤さんは、どんな人だと思います?」

 今度は私が聞く番だ。何か情報を得るために来たのに、すっかり談笑している気分になっていた。


「そうだな……」

 お兄さんは、残っていたグラスの水をぐいと一口飲んでから、考え込んだ。

「あいつはほんとにおっとりしていて、私と違ったんだ。昔からね。私は子供の頃から物事はしっかりきびきびして無くては我慢なら無くて、よくあいつとはぶつかった。喧嘩しても黙ってぐずぐず泣くから余計にいらいらして。それで、また両親も弟に甘いから、私はあいつが嫌いだった。ずっと」

 目を伏せるお兄さんは、ちょっと言いにくそうだった。どうしてこんな話を私にしてくれるのだろう。

「だから私は大学を卒業してから上京して、その後はずっとあいつとは疎遠だった。帰省してたまに会うことはあっても、あまり話すこともなかったし。話してもこっちがイライラして喧嘩になることが多かったから、わざと帰省のタイミングをずらして会わないようにしたこともある。そして、数年前に両親がそろって亡くなったんだ。その葬式以来、あいつとは全く会ってないよ」

「そう……なんですか」

 私はそれ以上言葉が見つからなかった。なんだか悲しい話だ。ずっと仲の悪いまま死に別れてしまうなんて。きっと、二人の両親も悲しんでいる気がする。

「すまないね。こんな話を聞かせてしまって」

「……いえ」

 気まずい。とても気まずい。

 私はどんな顔をしていいのか困って、とりあえず紅茶を一口すすった。

「なんだか不思議なんだよ」

「?」

「あいつに君みたいな友人がいるなんてね。それに、君はあいつのことをよく知ってるらしい。あいつのことを話す相手なんか今までいなかったから、だから君にこんな話を聞かせてしまったのかもしれない」

「……」

「あいつのことだから、きっとぼけっと歩いていて、だから車に轢かれたりしたんだろう。あいつは本当に昔から、ぼんやりしていて世話のかかる弟だったから……」

 本当に困ったやつだ、というような口ぶりで、お兄さんはそう言った。その眉間のしわが深くなり、唇を震わせているのを、私は黙ってしばらく見つめていた。

「でも、斉藤さんはいい人です」

「ああ。きっとそうなんだろう」

 お兄さんは顔を手で覆った。

「でも、こんな風に死ぬなんて、あいつは本当に親不孝で兄不幸で友人不幸なやつだ……!」

 お兄さんの手の隙間から、きらりと光るものが見えた。私はそれを見ない振りして、残ったケーキにフォークを突き刺した。

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