第105話 Decisive Endanger Ⅱ
少女はこの日の為に、「
そして、幾つか分かった事がある。
・詠唱無しで魔術を使える事
・短詠唱で概念魔術が使える事
・極大魔術は完全詠唱が必要な事
・御子の力を解放していられる時間は最大で5時間が限界である事
・御子の力は出力調整をすれば更に時間を延長出来る事
・御子の力は出力調整次第だが全ての
・御子の力を解放している時は自身に物理作用が効かない事
・御子の力を解放している時は自身の全ての物理攻撃が
まだ他にもあるが大体はこんな感じだった。
まぁ、これらの結果が分かった代償として、太平洋上に浮かぶ無人島が幾つも
「先ずは小手調べから行くわ……よッ!」
「
「
「
しゅん / どがぁぁぁぁぁん / ざしゅんッ
「そっか。それが結果かぁ。でも、それだと相性がかなり悪いわね。はぁ……。だってアタシ今、
「でえぇぇぇぇやぁぁぁぁぁぁッ!」
ぎいぃぃぃぃぃぃぃぃぃん
少女は調査する事が出来なかった「ソレ」に対して、どんな攻撃が効くのか調べる為だけに魔術を放っていった。
そして更には力を宿した愛剣で斬り掛かったが、それは
「くぉぉぉおのぉぉぉおおぉおおぉ!」
「ぐぅぅぅぅおおぉぉぉぉぉぉりゃあぁぁぁぁあぁぁぁあッ!」
がきいぃぃぃぃぃん
ざしゅんッ
「かなり無理矢理だったけど、手応えあったッ!!」
少女の剣は確かに「ソレ」に届いていた。魔術を阻んだ障壁は甲高い音と共に砕け、「ソレ」は身を守る盾を失った。
少女の斬撃はそのまま「ソレ」に到達し、唐竹を割るように弧を描いていったのである。
「えっ?!そんな……なんてことッ!」
確かに手応えはあった。少女の
しかし「ソレ」は目が
「ヤバッ!」
ひゅんッ
がっきぃぃぃぃぃぃぃぃん
「ぐっ!?なに今のッ?魔術の挙動はなかったわよね?そこら辺に浮かんでるデブリを
少女は本能で危険を察知し咄嗟に愛剣でガードをしていた。一方で何故だかアラームは鳴らなかった。
しかし「ソレ」から放たれたモノの威力は凄まじく、ガードをしたにも拘わらずそのまま吹き飛ばされてしまったのである。
ガードしたおかげでダメージは大したことはない。だが、身体が痺れるような感じはしていた。
今の少女には物理作用が効かないハズなのに、単純な物理攻撃ですらアストラル体にまで影響を及ぼす程に強力となると、骨が折れるのは間違いなかった。
まぁ、身体がマテリアル体であれば、先程のガードであっても骨の2、3本は折れていたかもしれない。
あ……意味が違うが気にしてはいけない。
「コイツ、本当に一体何なワケ?まったくもって勝てる気がしないし糸口も見付からないんだけど、どうしよ?ホントにホント、まったくヤんなっちゃうわね」
「でもま、前向きに考えるとして、さっきは確かに手応えはあったのよねぇ。しっかし斬った瞬間に元通りとか、ホントにどんな身体の構造してんのかしら?でも粉々にしたら元通りにはなれないかしらね?試してみる価値はありそうよ……ね」
「でもでも、そもそもの話し、コイツはホントに生物なの?殺しても死なないなんて、チートが過ぎるわッ!」
少女は頭の中で現状から分かっているコトを、
そして大事なコトは、一撃でも
「取り敢えず、じゃあ、決まりッ!単純に死ぬまで殺せばいいって方針でやってやるわッ!」
その頃、地上では異変が起き始めていた。地球圏を覆う「目」が怪しげな光を帯び始めたのだった。
「目」が一際怪しげな光を帯びた時、その「目」から熱線を帯びた光が大地に放たれていったのである。
その光は大地を縦横無尽に
こうしてそこにあった物は例外無く、
突如として始まった生命の危険に対して人々は、恐怖し絶望していく。
逃げ惑うコトしか出来ず、でもどこに逃げたらいいか分からない状況に混乱し、いつ灼かれるか分からない死のカウントダウンは心を擦り減らしていく。
そうして、それらの負の感情は、「ソレ」に因って吸い上げられていく。
「ソレ」としては
少女は「ソレ」に対して、剣撃と物理作用を持つ魔術を織り交ぜながら攻撃を重ねていく。破壊しても破壊しても障壁は復元され、斬っても斬っても「ソレ」の身体は元に戻っていった。
一方で「ソレ」は少しでも隙を見せるとデブリを投げてくる。だから
それの繰り返しをかれこれずっとやっており、一向に終わりの見えない闘い……としか言えない状況だった。
「ソレ」は、少女からの攻撃を受けて刻まれれば刻まれる程に、大地を焼き払い養分を吸い上げていた。
それも
灼く範囲を選定し、一度に灼かず逃げ惑う人々に対して掠めるように。
真綿で首を絞めるように一度で心を砕き切らず、徐々にすり減らすように。
逃げ惑う人々が自らの恐怖で、自らの首を絞めてしまわないように。
そこまでして丁寧に丁寧に、じわじわと負の感情を捕食していた。だから「ソレ」にとって時間は、
自分の下には数十億ものエサがあり、自分の傷はエサが補ってくれているのだから。
拠って「ソレ」は、最高のエサを捕食する為だけに頑張って
だが、ただ斬られるだけでは
だがそうとは露知らず、そんな「ソレ」の思惑を知らず、ただ
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