第34話 Flame Creator Ⅰ
テストの翌日「クリスのみ同行を許可する」という事になった
何故ならば炎龍討伐戦に付いて行きたい者達は、テストから1日経った今に於いても、ダフド以外の全員が気絶していたからだ。そのダフドも少女の強さを垣間見た結果、自分の非力さを知り付いていけない事に納得していた。
「目的の為に手段を選ばずにその
ダフドは
拠ってダフドは渋々とそれらの装備をクリスに渡した。少女とダフドの
『さて、クリス。これから話す事を忘れずにね』
『うむ、心得た。肝に銘じておこう』
『炎龍ディオルギアの棲家はもう判明しているわ。炎龍はあそこの大きい山の中腹にある洞窟を
『なんとッ!貴殿はそれをどうやって調べたのだ?』
『それは企業秘密…って言いたいけど知っておいてもらわないと困るから教えておいてあげるッ!』
少女は炎龍討伐戦に臨む前にクリスに対して自身が描いた戦略を知ってもらう事にした。当然の事ながらそれは、生存確率を高める為だ。
2人が話しをしている場所はダフドとクリスの住居だ。族長の家とは思えない程に簡易的で質素な作りだが、状況を考えれば当然だろう。
少女とクリスの2人はそこで、丸太の椅子に腰掛け向き合って話しをしている。
ちなみにダフドはこの家の中にはいなかった。
『デバイスオン、
ガタッ
かちゃ
『クリス落ち着いて!このガルムは敵じゃないわ、むしろ味方よ。このガルム達は全部で5匹。全てアタシの
『炎龍討伐戦ではアタシ達の戦闘のサポートをしてくれる。だから誤って攻撃をしない様にね』
『う、うむ。心得た。約束しよう』
『しかし貴殿は魔獣を
『えぇ、そうよ。凄いでしょッ!えへへ』
『ごほんっ。さてと、話しを戻していいかしら?』
『すまない。続けてくれ』
『炎龍ディオルギアは今もこの子達に見張らせているんだけど、炎龍の棲家を発見してから今日で2日になるわ。でもその2日の間に炎龍は棲家を出た気配がないの』
『炎龍ディオルギアが村を襲った時は昼間だったから夜行性という事はなさそうだが。出入り口は洞窟には1カ所だけなのか?』
『洞窟の出入り口は正面にあるだけみたい。でも、そこから炎龍ディオルギアが出るのは難しいでしょうね』
『ん?どういう事だ?此の身には理解出来ないんだが』
『出入り口から出られないのであればどうやって村を襲っていたのだ?』
『出入り口はそこそこの大きさがあるわ。でもそれは人間サイズなら…よ。炎龍ほどの大きさになればそこからは出入りがまず出来ないでしょうね』
『じゃあ、一体どこから?』
『炎龍ディオルギアが棲家にしている山は活火山みたいなの』
『そうか、火口かッ?!』
『ぴんぽーん、正解よ。恐らくそこが炎龍ディオルギア専用の出入り口ね』
『それならば貴殿の
クリスの言い分は
『アタシの
『それならば炎龍は今も棲家の中にいると言う事かッ!』
『えぇ。おそらくね』
『ハンターは討伐対象の行動を正確に把握しないと
『だから討伐戦を始める前になるべく情報が欲しいってのが本当の
『でも、これからも変わらずに棲家にいてくれるなら、それはそれでチャンスなのよッ!』
少女はこの
なんで期限が知らされなかったのかマムの本心は分からなかったが、何かを慮ってくれたのは理解している。
従って期限が分からない事から、情報の収集にあまり時間を掛けられない事が現状であり討伐を急ぐか悩むところだった。
『恐らく、炎龍が棲家を離れるのは明日だろうな』
『親父殿!いつからそこに?!』
『オマエが嬢ちゃんの
『クリスリーデ、
『はうぅ』
『ダフドに覗き趣味があったなんて知らなかったけど、まぁいいわ』 / ぐさ
『ところで明日動くって何故分かるの?』
『オレたちゃ炎龍から襲われない様に必死だったからな。ヤツの行動パターンを確認するのは生きる為に必要だった』
『最初の内はそれが読めずに同朋達が大分犠牲になったが、最近では分かってきたからな。ここ最近は
『その話しが本当なら、状況はヤバいわね』
『おいおい、何がそんなにヤべぇんだ?』 / 『此の身にも解るように頼むッ!』
『よく考えてもみて?アナタ達だってご飯を食べるでしょう?でもそれが炎龍ディオルギアはここ
『そうなったら炎龍は相当お腹が空いてるハズよ?下手すれば凶暴化するかもだし、食べられるモノなら手当り次第に何でも食べようとするかもしれないわッ!』
『な、なるほどな』 / 『アレが更に凶暴化するのか…考えただけでも恐ろしい』
『餌になる物が近くに無いのなら、それこそ遠出をしてでも…。そうなると、ここから1番近い町は山梨国よッ!被害が出れば当然、山梨国も炎龍討伐に名乗りを上げる事になるッ!』
少女が危惧した事、それは即ち3つ国に拠る炎龍の取り合いだ。
現状に於いては静岡国に
然しながらここで山梨国に被害が出れば180度話しは変わって来る。町に被害が出れば再建する為には多額の費用が必要になる。
決して自分の生命を賭ける事の無い「国の
結果として
そうなれば助かった
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