第19話 Reckless Adventurer Ⅲ
ハンターへの
何故ならば自国の情報を、
自国内で発生した
これは偏に過去からの教訓である。
そしてまたそれと同様に素材の流出も国としては避けたいと言える。
魔獣の分布には
更には魔獣の核とも言える魔結晶と、魔獣の素材を用いて
それ故に、その国特有の素材の流出は国益の低下にも繋がるし、資源を巡って侵略戦争の引き金にもなり得ると言える。
だが
その場合は国外の
然しながら自国内で
クリスの村を襲った
それはクリスの口から
相手が
出現箇所が人口の多い都市部であれば被害状況は直ぐに報告されるが、山間部などの人口の少ない地域や、被害に因り既に壊滅してしまった地域などからは情報が上がり
だからこそ、そ
そんな折に掛かってきた通話だった事から、事前に触りだけでも話せた事は僥倖だったと言える。
然しながら
少女は
さて今回のクリスの陳情(まだ正確に
結果として国からは国民としては認められていない事になるが、国からの恩恵を受けていないのであれば国民として認められなくても問題ないとの判断だろう。
然しながらその事が
そこは「
それ故に国益や政治が絡む非常にシビアでデリケートで、センシティブな
少女はマムとの通話を終えた後で報告書から少しのあいだ解放された事もあって、気晴らしがてら階下に降りていった。
少女が1階に降りると広間から何やら声が聞こえたので向かう事にした。そこには昨夜保護した2人がいたのであった。
『ちゃんと寝れたかしら?あと、身体に異常は無い?』
『っ!?』 / 『きゃっ!!』
『あ、ごめん、驚かせちゃった?』
声を掛けられた2人は一瞬だけ身体をビクっとさせたが、少女を確認すると直ぐに笑顔になっていった。
『昨夜は助けて頂いて、ありがとうございました。サラは
『昨夜は暴れてしまってその、ごめんなさい。レミは
『ねぇ、サラちゃんとレミちゃん。そう呼んでいいかしら?』
『はい、構いません』 / 『べ、別にそれでもいいよ』
『ありがと、2人とも。ところで2人が暮らしていた場所はどこにあるの?あと、帰れるなら帰りたいかしら?』
密猟に関わった犯罪者は捕まればその国の法で裁かれる。国外から来た者であったとしても対象となる国に送還などされない。
それが今の国家間でのやり取りに於ける犯罪者への対応だった。何故ならば国が乱立し割拠しているからである。
もしも送還される事になっているとすれば、その犯罪者と無関係な国を通過する必要性が出てくる可能性もあるので
然しながら密猟の被害者は違う。無理やり住んでいた場所から、来たくもない土地へと連れて来られたのである。
拠って「保護されたから、その国で暮らせ」と言われるのは、どう考えても可怪しいし納得も出来無いだろう。それにむしろそれを言ってしまえば、国の言い分が密猟の加害者と同じになる。
それ故に国家間の取り決めとしては、「最大限元の生活に戻す」というのが方針とされている。
だがそれは同時に大きな問題を抱えていた。複数の国境を越えて連れて来られた場合は、元の居住地へと戻る為に通過する
密猟に遭った際にわざわざ身分証明書など持っているハズもなく、通過させるだけだと言ってもその国は、それに伴う無用なリスクを背負わなければならない事になる。
更に付け加えるならば獣人種の抱えるシビアな問題もある。
その事から被害者本人が帰る事を希望しても、集落から拒否される可能性が無いとは言えない。
一方で
それ故に被害者が申告した場所には既に
そんな裏事情も踏まえた上で少女は2人に問いを投げていた。まだ
サラとレミは会話の中で「出来るなら帰りたい」と少女に話した。当然の事ながら2人の年齢はまだ若く、家族の元から離れさせるには
だがその一方で前にも同様の密猟被害が集落で起こった際には、その集落を捨てて新天地に引っ越した経験があるとも話していた。
だから「もし帰れたとしても家族はおらず、誰1人として知り合いはいないかもしれない」とも話していた事から少女は何も返す言葉が無かった。
とは言っても少女は2人を保護した手前、何も手を打たないワケにはいかなかったと言える。だからこそ
少女は真剣な顔で2人に最善と思える提案を示していく。サラとレミは少女から出された提案に凄く驚いていたが、大いに悩んだ末に納得しその提案を受け入れたのであった。
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