第11話 Penetrate Hunter Ⅱ
その遠吠えは
「帰ったらドクに、ウージーを更に改造してもらおうかしら?」
「もうちょっとマガジンに弾を詰め込みたいわよね」
少女は先制攻撃の戦果に多少は満足していた様子だったが、最大で50発しか入らないウージーのマガジンには不服な様子でボヤいていた。
そんな余裕綽々でボヤいている少女と、
「あ、あれが、
「ここにいる
少女は一際大きな個体が放つ威圧感に少し
一方でこれで
何故ならば目の前にいる
少女はそんな事を考えながらもデバイスにはウージーのリロードを命令し、更には複数の
とは言っても警戒を完全に解いてるワケでは無いので、途中で
少女が全ての準備が終わった事を見計らったかのように、
その姿は実に
「サシって事ね?」
グルルッ
「分かったわ」
その速さは先程の獣人を遥かに
「なるほどそういう事ね。だからわざわざ
「お気遣いはありがたいけど、それって舐められてるってコトよねッ!!」
少女は口惜しそうに言の葉を紡いでいく。その表情はとても悔しそうだ。
少女は理解したのである。自身に対して何も魔術を掛けていなければ、今の一撃で確実に
この
それならばそれで少女も考えを割り切り楽しむ事にしたと言える。
「それじゃあ、目一杯楽しみましょッ!」
グルルラァ
タララララッ
少女はウージーのトリガーを弾き、その弾丸は軽い破裂音を掻き鳴らしながら飛翔していく。然しながら直線的な弾丸の動きで、
「これならどぉだッ!」
「流水の型ぁッ!」
しゅいんッ
少女の身体が一瞬「揺れ」る。その少女の「揺れ」に対し
きいぃいん
「ぐッ」
どぉッ
「痛ッぅぅ。やってくれるわね。虚すら
軽い音と何かに耐えるような声を吐き出しながら、少女は弾き飛ばされていった。
そこで少女は急遽ガードするハメになったが、その爪撃は非常に重く、
「仕方無いわね、奥の手を出させて貰うわッ!」
「破竜の型ぁぁッ!」
しゃしゃざんッ
ぎんぎんぎぃん
少女はその身にダメージが蓄積していたが起死回生の不可避の一撃を放っていく。少女の
然しながらその起死回生の刃は、
「そ、そんなッ?!デタラメ過ぎるわッ!不可避の刃を受けた上で撃ち落とすなんて!!」
「う、嘘でしょ?なんなのこの
流石に少女は焦っていた。自身の中で絶対の自信を持つ一撃が当たらなかったのだから。
背中を
ウージーを握るその手は徐々に震え始めていた。
「勝てるの?これは本当に勝てる相手なの?」
「だが、どうやら期待外れだったようである」
目の前の殺気が一気に跳ね上がっていく。目の前から放たれている大きな殺気を浴びた少女の焦りは、心臓の鼓動を跳ね上がらせていった。
この殺気は今まで出会ったどの敵よりも
野生の魔獣が放つ事が出来ない、知性を兼ね備えた殺気とでも言うべき何か。
「恐らく次の一撃でアタシは死ぬわね」
「でもどうしよ?アタシは凄っごく死にたくないッ」
少女は自身を捉えて離さない殺気を浴びせられながらも、
何故ならば、今は余計な事を考えていられるだけの時間的余裕があったからだ。
一方で少女は諦めたくなかった。諦め切れなかった。まだまだやりたい事はたくさんある。まだアタシは何にも追い付けていない。
自分の
「だからこそ、こんなところで諦める訳にはいかないッ!!」
「アンタなんかに負けてられないのよッ!」
そんな少女に対し
少女はその一撃に対して躱す事もガードも出来ず、無慈悲な爪撃を、まともに
それ程までに速く
更に残酷な事に少女の腹に刺さった爪の先は、そのまま少女の身体を貫通し背中から飛び出していた。
ぼたたたたたたっ
「がふッ」
「う、嘘……?!」
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