第8話 Midnight Strangers Ⅱ
獣人達は多少
「商品」と引き換えの「金銭」であれば、商品と交換する前に中身を確認するのは当然の事だ。ただしそれに対して、不審車の男達が取った行動は予想外だった。
「中身はちゃんと入ってるぜ。ちゃあんとなッ!」
ばっ
ちゃき
パラララララララララッ
「うぉぉお、いったん退け」
スーツケースを持っている男の左横にいる男。先程から獣人達と話しをしているこの男が、恐らくこの3人の中でのリーダー格だろう。
そのリーダー格の男はスーツケースを開けると、中に入っていた
獣人達はその行動に驚き自分達が持って来た「商品」を、地面に置き去りにする形で瞬時に回避行動をとった。獣人達はその驚異的な身体能力で飛来する弾丸を避けていった。
そして2人は左右のそれぞれ後方へと跳んで距離を取っていく。
パラララッ
「急いで商品を回収しろ。ズラかるぞッ!」
「へ、へい!」
「くっ、逃がぁさねえ」
「アオーーーーーーーンッ!」 / 「アオアオーーーーーンッ!」
「ひっ、おい、早くしろ!ヤツらが来る!」
仲間の2人が「商品」を回収しようと袋に手を掛けた時、それぞれの獣人が
獣人種の多くが使用する事が出来る
これは自身の
魔術特性がほぼ無いと言われる獣人種が、自身にかける
また魔獣も「
速攻のターゲットは袋に手を掛けている2人のようだ。
ダッ
「チッ。死ねぇ!!」
パラララララッ
「なっ?!」
カチッカチッカチッ
「くそッ!弾切れかっ」
「アイツおバカさんね?考えもなしにSMG乱射したらスグに
リーダー格の男は
拠って瞬く間に仲間達は獣人の鋭い爪の餌食となっていった。
「テんメェ、ナメた真似してくれたぁな?無事に帰れるとは思って
シャキん シャっシャッ
「ひ、ひぃッ。や、やめろ、やめてくれぇッ!」
ガシャん
「やめでやめでやめで、ごろざないで」
獣人の1人が腰を抜かしたリーダー格の男の
更に獣人はリーダー格の男の喉元に尖らせた自身の爪を当て、今にも貫こうとしていた。戦意を失い首が締まり、意識も失いかけているリーダー格の男のSMGを握り締めていた握力は、
「このままアイツまで
「まぁ、自業自得って言っちゃえばそれで終わりなんだけど、密猟依頼をしてくれたバカにはお仕置きが必要だから生きてて貰わないと困るわね」
一連の流れを見ていた少女は心の中でボヤきながらも、
少女は自身に
その結果が奏して獣人のその鋭利な爪が、リーダーの喉を貫く寸前に獣人の手首を掴み凶行を止める事に成功したのだった。
少女と取引相手達がいる場所までは50m程度離れていた。本来なら全力で走っても6秒は優に掛かる。
だがそれでは
故に少女は
強化魔術の系統は現段階で3種類発明されている。
・持続性が高く効果が中程度の
・持続性が中程度で効果が高い
・持続性が低く効果が著しく高い
それぞれ魔術である為に、編む魔力量や使い手の熟練度などで個人差はあるが、どの魔術を使うかは
特にヒト種は他の種族と比べると総じて個体の
「ぐるるるぅル」
「何ンだ、テメェわ?」
「そいつを
「だから、痛め付けるのはいいけど、
「でえぇぇりゃッ!」
「ぐっはぁ」
少女は獣人の手首を掴んだまま、獣人の質問とは(多分)違う解答を示した。そしてそのまま流れるように身体を回転させると、アクロバティックなまでの動きで
アクロバティックな
ゴんっ
「うっ。げふぉっげふぉ」
「うわっ、痛ったそ〜」
尾てい骨から地面に落ち、鈍い音と
当のリーダー格の男は、お尻から地面に落ちた痛みで意識を取り戻した様子だった。しかしそれ以前に既に腰が抜けていた為に立ち上がる事も出来ず、お尻を引き
拠って真っ先に少女の魔術で拘束され周囲には結界が展開されていった。逃げられないと思われるが本当に逃げられても困るし、戦闘に巻き込まれて死なれても困るので妥当と言えば妥当な選択と言えよう。
リーダー格の男は何やら
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます