メイド喫茶へ03
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前回の投票の結果……僅差で、委員長になりました。
想像以上に投票してくれる人がいて、感動しました。ありがとうございます!(土下座)
ゆの推しの方々、ご安心を。ゆのターンもすぐ来ますので。
それでは本編へ。どうぞ。
——
本編
↓
「で、佐野くんは部長と南雲さんのどっちにケチャップやってもらいます?」
「そうだなぁ……」
俺が熟考していると、ゆのと委員長がオムライスを運んでくる。
「はい、こちらオムライスです」
「わぁ〜桔川部長、ありがとうございます。佐野くん、ツンデレメイドとクーデレメイドのどっちにするか決まりましたか?」
「はぁ⁈ わたしツンデレじゃないし!」
「ツン? クー?」
「花香ちゃん気にしないで。違う世界の言葉だから」
ゆのか委員長か。これは究極の2択。
そうだなぁ……。ゆのはやけに手慣れてる感じがするし、無難にやりそうで面白味に欠けるから、ここは——。
「よしっ、委員長ケチャップお願いしてもいい?」
「え……私? 本当に私で……いいの?」
「うん。頼むよ委員長」
委員長は眉を顰めながらチラッとゆのの方を見る。
「でも……私より桔川さんの方が上手で」
「上手い下手とか関係ないからさ」
「……じゃ、じゃあ」
委員長はケチャップのディスペンサーを手に取ると、俺の前にあるオムライスに手を伸ばす。
「ご、ご主人様。ご希望はありますか?」
「無論『LOVE』で」
「らっ?! ……だめですっ」
「えー。なんでー?」
「なっ、なんでって……は、恥ずかしいから」
「おやおや委員長? メイド服は恥ずかしくないのに?」
ちょっと意地悪な質問をすると、委員長はムスッとしながらケチャップで何かを描き始める。
「は、恥ずかしいよ……本当は。でも、この服は安西先生がデザインしてくれた服だし、屋上では、佐野くんがみんなのために頑張ってるって聞いて、私も頑張らないとって、思えたから」
ケチャップで絵を描き終えた委員長は清々しい笑顔を見せた。
「LOVEはダメだけど……これなら、いいから」
「これ? ……って、なぬ⁈」
ふわふわ卵の上に描かれていたのは、真っ赤で大きなハート。
は、ははは、ハート、だとぉッッッ⁈
あの委員長が、は、はは、ハートを? それもこんなクソデカハート。
「このオムライス、お持ち帰り可能ですかね」
「で、できないからっ」
委員長に注意され、俺は渋々断念した。
委員長が描いてくれたこのハートオムライス。毎朝これを拝んでから登校してぇ。(意味不明)
「お二人さーん、もうイチャイチャは終わったー?」
俺たちがいちゃついていると、ゆのが横槍を入れてきた。
「んだよゆの。委員長の
「別に欲しがってるわけじゃないから。ほら花香ちゃん、ここのテーブルはもう終わったし、次のテーブルに」
「ちょ待てよ」
"アレ"を忘れて移動しようとする2人を呼び止める。
「まだ、"おまじない"してねーだろ」
俺の一言で、二人は身体を凍らせる。
「あっちのテーブルも、そっちのテーブルでもやってんのに何しらばっくれてんだぁ?」
「そうですよ、お二人とも。私が直々に指導してあげたのに、師匠の前でやらないなんて、礼儀がなってませんねぇ」
先生は不適な笑みを浮かべる。
「花香ちゃん、やるしかないみたい」
「……え、ええ」
覚悟の顔をした二人がテーブルに戻ってくる。
ゆのが「ふぅ……」と一呼吸置いた。
それと同時に小声で「二人とも後で覚えてろ」と、聞こえたのは空耳だろうな。HAHAHA……。
「それでは今から、"愛込め"をしていきたいと思いますっ」
「ご、ご主人様、お嬢様……手でハートを作ってください」
委員長に促され俺と先生は胸の前でハートを作る。
「じゃあ、お馴染みのアレ、やります」
ゆのはまたしても一呼吸置いてから、お決まりのアレを始めた。
「おいしくなーれっ」
「おいしくなーれ……」
「「萌え萌えきゅんっ」」
ゆののあざとい声と、委員長の恥じらいを含んだ声が重なる。
二人のおまじないが終わってから、俺と先生はオムライスを食す。
「ひゃーっ。おまじないがかかったオムライスは最高ですねぇ! 佐野くんっ?」
「はいっ! うひゃぁぁっ、ウマッウマッ」
オムライスにがっつく俺たちの傍らで、二人は汚物を見るような目をしていたのだった。
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