ロリ教師は美人可愛い01

 

「ゆののやつ大丈夫かな。玉木先輩にかなり揉まれてたけど」


 あんなに激しい揉み方を見たのは正月の餅つき以来だろうか。(適当)

 ゆのって、自分の胸を揉まれるとあんな顔になるのか。

 今にも昇天しそうな顔で、辱めを受けるゆのの顔を思い出す。

 ……あぁ、何かの拍子に俺も揉めねぇかなぁ。


 ゆのの様子を心配して女子トイレ前で待っていると、突然生徒呼び出しのチャイムが鳴った。


 ったく誰だよ放課後に呼び出しとか。

 これで呼び出されるの恥ずかしいよなぁ、全校生徒に名前を晒されるようなもんだし。


『い、1年B組の』


 このちょっと幼い感じで甲高い声の主は、おそらく安西先生だな。

 安西先生は俺の学年の国語教師であり、とある理由で生徒たちに舐められていて安西先生の授業を真剣に受けているのはごく少数の優等生だけだ。(俺はいつも黒板見るふりしてぼーっとしてる)


『さのこうたくん』


 ……さのこうた。佐野孔太?

 ん、待て、1年B組の佐野孔太って……。


「俺……だな」


 ただでさえ今回のフリーハグで名前まで特定されて全校で馬鹿にされてるのに、これ以上俺の名前を晒すのはやめてくれ!

 俺はトイレから戻ってこないゆのを置いて、先に職員室へ向かった。


✳︎✳︎


 国語教師の安西先生が俺を呼び出す理由……。

 まさか今日の国語の授業中に、玉木先輩とアレをする妄想に勤しんでいたのがバレたとか?

 かなり乱暴で激しいことする妄想だったからなぁ、顔に出てたのかもしれん。

 ちなみに、玉木先輩とするなら断然SM(自主規制)


「失礼します」


 職員室に入ると、すぐ安西先生に手招きされる。

 安西先生のデスクは一番奥にあり、その席にちょこんと座る安西先生。


「……佐野くん来てくれてありがとう。実は」

「先生、言いたいことは分かります。でもこの年頃の男子って仕方ないと思うんです。男子高校生の脳内なんて、クソMADかエロ妄想か昼飯のことしか考えてねーですし! お、俺はその、お恥ずかしながらハードなセッ」

「ストップ! オタクみたいな速口やめて」

「お、おっふ」

「はぁ……佐野くんも私のこと馬鹿にしてるんだ」


 安西先生は今にも泣きそうな顔になる。


「馬鹿にはしてないですけど」

「嘘つきっ! 絶対に馬鹿にしてるもん! 私が小さいから!」


 安西先生が舐められる理由——それは、身長が低いこと。(推定143センチ)

 身体が小さいから下に見られてしまっているのが安西先生の1番の悩みなのだろう。

 結構なべっぴんさんなのに、それだけがもったいない。


「先生って、美人なのに……背が低いですもんね。マスコットキャラに見せかけて、生徒たちにも舐められてるし他の先生と仲良くしてるの見たことないし」

「グサッ」

「で、俺を呼び出した理由はなんすか?」

「さ、佐野くんってデリカシーないの? 私をあれだけ集中砲火して平気で話戻すとか。空気読めよ! 歳上を敬え!」

「怒らないでくださいよ。ほら撫でてあげますから」


 俺は動物の毛並みを整えるかのように、優しくミディアムショートヘアの茶髪を愛撫した。


「頭を撫でるな! 私は教師なんだよ!」

「で、俺を呼び出した理由はなんすか?」

「サイコパスなの?」


 安西先生は涙目になりながら、一度鼻をかんで俺の方を睨みつける。

 陰キャの俺がなんで女性に対してこんな攻勢に出れるかって? 簡単に言うとロリ本に興味がないからだよ。


「こほんっ。私があなたを呼び出したのは……私が」

「?」

「心理学実験同好会の顧問になったので」

「へー」


 そのうち潰れる同好会だし、顧問とかいらないのだが。


「ついでに、高校の要注意人物に指定された佐野孔太。あなたの観察役をすることになったので」

「……は? 俺って問題児認定されてんすか」

「そりゃー、校内でフリーハグと称して色々やってるわけだし」

「やってねーわ! 誤解だ! あれは実験ですから」

「だめです。今後、あなたが問題行動を起こさないように、できる限り私が隣で監視します!」

「えー。それなら数学の田村先生(メガネ巨乳)の方がいいんですけど。」

「またノンデリカシー!」

「真面目な話、先生に監視されてても俺はフリーハグやりますよ?」

「……フリーハグ自体は否定しません。しかし、その中でいかがわしい行為を働いたら即停学にしますから!」


 うげぇ、面倒なことになった。

 玉木先輩とハグしてる俺の顔なんて絶対アウトな顔してるし、昨日委員長を抱いた時なんか猿みたいに鼻の下伸ばしてたしなぁ。


「今からフリーハグ行くの?」

「はい。今日は短い時間ですが」

「じゃあ私も行きます!」

「えぇー」

「露骨に嫌そうな顔をしない!」


 俺は安西先生と一緒に職員室から出る。


「さ、行きましょう!」

「先生、やけに張り切ってますね」

「……私、身体が小さいから授業以外のことを任されたことないんです。力仕事も無理だし、生徒指導とかも舐められてるからできないし、部活動も持たせてもらえなかったし」

「へぇー、そうだったんすか」

「だからね! この仕事はしっかりやり遂げるの!」


 俺の監視役とか……おそらく面倒事を押し付けられただけなんだが。

 安西先生は俺の手を握る。

 先生の小さな手が俺の手の中にスッポリ収まった。


「佐野くんが逃げないように手を繋いじゃいます」

「……まぁ、いいですけど」

「どうです? 先生に手を繋がれてドキドキしてますか?」

「まったく。逆に先生が迷子にならないか心配だったのでちょうど良かったです」

「はぁ⁈」

「急にキレないでくださいよ、色んな意味で牛乳飲んでください」

「うるさい! 言われなくても飲んでる!」


 ミニマムビューティーの安西まほろ先生。

 また面倒な人物が俺の周りに増えたのだった。


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