第60話 宿屋で…騒動 8

「ち、ちょっと待って…く…ださい!」


「何を待つんだ?パトリックさんとやら。あんたも知ってるな? 知ってて、こいつら見逃してる時点で、"お仲間"と疑われても仕方ないんだが?」


「そもそも、なんでそんな事があんたに分かるんだ!それに俺は名乗ってないぞ!」


 …またあんただ!しかも今度は宿屋の店主がい言い出したぞ! いくらなんでも、失礼過ぎるだろ?


「つうか、俺から言わせて貰えば切れるの何で? 知ってるのは、俺に鑑定のスキルがあるからだよ!」


「「鑑定!」だと」


「そうだけど? だが俺はね、ここの宿代。それが、いくらなのかは知らない」


「はっ? …宿代?」


「まさか!ご主人様も、宿代も知らないとか?」


 ハハハそれなら笑えるんだが。だってホントに、無能過ぎるだろ?


「いや、知ってる。それぐらいは」


「ほぅ……それはよかった。疑ってすみません」


「い、いや…。って、疑うってなんだ?」


《心ろから謝って無い様ですが?》


『当たり前だろ!』


「いえ、べつに? で、この宿一泊いくら?」


「一泊、銀貨5枚と大銅貨5枚だが」


「ふん!」おっ、女が不手腐れたぞ!


 危機感が全く無いのか?

 嫌…鈍感なのかな? 


『ナビさん、どう思う?』


『逃げれると思ってる。のでは?》


 馬鹿だよなぁ~逃がさねぇよ!


「で、宿屋のご主人さん。俺はね、一泊銀貨7枚と大銅貨5枚と銅貨3枚と聞いて、金を7日分をちゃんと払ってるけど? それに対して、この対応は可笑しいよね? 実際は多く払ってるのに。どう云う事かな? ちゃんと、分かる様に説明してよ」


「そ……それは、俺も知らなかった」


 知らないで済むかよ!


「明日俺が部屋を引き払うって言ってるのに、しっかり7日分取られてるんだけど? 何でこんなぞんざいな態度を、女将やあんたからされないとならないんだ? 俺は払うものは払ってるよな? まぁ盗賊を雇ってる様な宿だし? たかが知れてるがな」


「…っ!お客さん、確かに金の計算が大分違うみたいだ。しかも、本来なら滞在中の予約の取り消しは滞在分と、一日の半分をの金を貰って。残りの金はかならず返金するんだ。息子にはそれを教えてる筈……だ」


 息子って…1度顔を見ただけだしなぁ~。


「それは、俺に関係ないだろ?」


 そもそも、宿屋のルール等知らんがな。

 俺が言ってるのは…はぁ~。


「だが、それが…」


「あのね?俺はそこの女将からは、金を返して貰った覚えが無い。そもそも、ボッタクられてる様だが?」


 さっきから"済まない"の言葉しか聞いて無い、謝るつもり無いんだな。俺はちゃんと、そこの女からの謝罪を貰いたい嵩なんだよね。

 でも、それが分からないならもういいや。

 

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