第58話 宿屋で…騒動 6

 ナビと話してるとノックされる。

 でも荒いノックの仕方だよね。

 本当…乱暴過ぎないかな。

 俺は悪いことはしてないけど。

 仕方ない……返事をしないとな。


「…はい、何方?」 


 返事を待つ………。


 誰よ普通は名のるよな?

 ……あれ? 

 これって俺だけの常識なのか⁉️


《いえ、この世界でも常識です》


『そう、ありがとう』


 じゃ、このまま放って置こう。


 すると今度は、ドンドンとドアを叩かれた。


 はぁ?無視してないだろ!

 なんなんだ?一体何がしたいんだよ‼️


 仕方ないのでもう一度「はい、何方?」と扉を叩く人物に声を掛けた。


 するとまた返事がない。


「あぁ~面倒くせぇ~」


 バンと!ドア開けて「だから、誰だって言ってんだろが!突然来てんだから名乗れよ!そんな常識も知らないのか!」


 開けた瞬間どなったら、目の前の二人が、ビビる。


「あ~すまん。それが、常識なのか?」

 

 と、ほんわかと言われて一瞬脱力しそうに成る。


「はぁ? なにそれ、ボケてんの?あんた他人に誰って?聞かれたら名乗らんのかよ」


「い、いや…それは名乗るが……」


「じゃ!一緒だろが!あんたがドア叩いて、中から誰だって聞かれてんだ!名乗れよ。黙ってたらさ悪戯かも?とか色々思って、中から出ないのは当たり前なんだよ! なに考えてるんだあんたら」


 暁彦が、切れる。


「す、すまん。その…接客は全て前の嫁と、息子にやって貰ってて。そこら辺の常識が、自分にはあまり分からないんだ」


 常識知りもせず宿屋を遣ってるってなんだ?


「はぁ? てか、あんたは結局誰様よ?」


「お、俺はこの宿の主人で、パトリックと言う」


 部屋の扉を叩いた時にはもう鑑定したから知ってるが。このおっさん、あまりにも非常識過ぎる。

 良くそれでこれまで宿屋なんてやってるよ、この人…馬鹿なのか?

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