第18話 誰が腹黒だよ!

さて、どうするか、面倒だからここは『ワンパン』で蹴り着けて、そこらに転がすって手もあるんだが………。

 悩みます…ハハハ。


《主、それは逆に不味いです》


 だよなぁ~俺の周り見ると、何となく人集りが、出来つつある。


 これ以上は目立ちたくないよな。


《既に目立ちたい放題ですが?》


『そうなんだろうけど!でも、目立ちたくないよの!俺はさぁ!分かってよ』


 仕方がない、取り敢えず話し聞くか?     

 話し通じるのかな?

 非常に不安だし。


「えっと、立ってたのは悪かったけど?お宅今わざとぶつかって来ただろ? 何するつもりだった?」


「はぁ?なんだそりゃ~! それより痛てぇーんだよ!金寄越せ」


 と喚きわざとらしく今度は右肩を押さえる。


「まだそれやってるけどさぁ~。あんた結局どっちの肩が、骨折れてるのさっ? 逆に俺の方が肩痛いから」


「うるせー!こっちの肩だよ、お前が悪いんだろ、詫びろ!謝れ!俺に治療代を早く寄越せ餓鬼が!」


 で、今度は左肩押をさえるんだが…。

 屑だなぁ~この兄ちゃん。

 怪我して無いのがバレバレですが、気が付いて無いのだろうなぁ~。


 この兄ちゃん、喚いて因縁着けて、人をビビらせれば大抵の人から金取れると思ってる。甘いよなぁ~この手口、何回使ってるんだろうか?逆にこれで金払ってる人って…。


 これはグズ決定!?

 スラムに住む人達だろうから、其々の事情はあるんだろうが…俺の知った事じゃないね。


「謝るねぇ~なんで? 俺はここに立ってた、だけだよね? 道の真ん中に立ってた、訳じゃないよね!ここって、ぶつかる様な場所でもないね?わざとぶつかり人に因縁付けるって、屑過ぎねぇ?」


 男を睨んで割りと大声で言うと、周りの道行く人が更に足を止めて何だ?と見てくる。


 あらら、さっきより人増えてね?

 興奮して大声出してしまった…ヤベェ~これどうするかな。目立ってしまったよ。


《短期過ぎですよ!》


『あぅ……すみません…』


 あっ!でもちょうど良くない?

 これで、巡回の騎士みたいな人に伝わるかも知れないじゃんか!?

 で!もう少男に賑やかしをして貰うか?

 そして、お引き取り頂こうぜぇ~フフフッ。


《主、腹黒ですね》


『ナビさんに、言われたくないでぇす!』侵害ですな、アッハッハ。

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