第17話 掏摸(すり)に遭う。

冒険者ギルドを、そそくさと出て。


 これからどうしようかと、悩んでいたのだがが…。

 暁彦が立っていた場所が悪かったのか、背後左肩に『ドン』と謂う鈍い衝撃があった。


「痛って~なに?」


 えっと…地味に肩が居たいんだけどそれになんだ?

 右肩のを擦りながら、何がぶつかってきたのかが分からなかったので、確認しようとしたらわりと若い男が、俺にぶつかって来たのが分かった。


「おい、痛いよ」


 肩を擦って謝れと、男を睨んだ。

 すると、急に肩を押さえて痛がったのだが……痛いのは俺だぞ!


「痛って~どこ!突っ立てるんだ兄ちゃん、肩の骨が折れた。痛てぇ~謝れよ!治療代寄越しやがれ!」


 ぶつかって来た男がニヤニヤしながら、大騒ぎし始めた。


 「痛てぇ~」と言いながら、左肩を押さえてるんだけど……これって。


 しかし、治療代ね要は慰謝料だけど。

 

 俺の方がぶつかられた衝撃があり、痛かったから金を貰いたいのは俺だぞ?くそ!


『…………ナビさん?』


《主……冷静に》


 ナビさんに、切れて良いか確認しょうとしたら止めたられた!なぜ?

 ……でも今は無理。


 マジで痛かったのだよ。

 しかも、なんとなく懐に手が入ってきたんだよね。咄嗟に交わしたけどさ、懐に入って来た手が非常に気持ちが悪かったです。


 でも、お陰で冷静に少し慣れたよ。


 絡んで来た男を良く見ると、服がボロいし髪もボサボサだ。

 身なりからすると、スラムの人間だな。


 カモられたな、俺………。ふん!


 自分の周りを探知すると、こいつの仲間が居るようだな。あと、3人か取り敢えずこいつは、捕まえて貰うかな。あとは、芋づる式だろうしね。


 この男の手口バッチリ掏摸と、恐喝だよね?


『ナビさん』


《はい。主!当たりです。まぁ完全にアウトですね。疑うとか、ないです》


『あれぇ? なんでナビさんが怒なの?』


 痛いの俺よ。


《主は、私の主ですから》


 なにそれ? 全く意味分からん?


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