#3

「はぁ~もう良いですよ?仕方がないので。」


《あの~許してくれますか?》


「…まぁ正直、碌でもない人生でしたし。何時死んでも良いかなとか?思ってたので…別に」


 あっ、ヤバい自分で言って凹む。


《成宮さん……それは酷い》


 よよよっと俺を哀れむ神様。


「無駄に、哀れむなよ!落ち込むだろ。自分で言ってても……くそ!」


 頼むからそんな目で見ないでくれよ全く。


《ですが!そんな貴方に、朗報です!》


「ろうほう?」


《ええ! 朗報です!》


 ここ大事ですよ?って言うが…。

 いまいち信用出来ないのだが…。

 何せこの神様、ついうっかりで人を事故死させた神様!ここ大事!


《そんな事を、言わないで下さい》


《いちいち思った事を読むな!》


《仕方がないです、読めるので。でも、心配しないで下さい。バッチリ!プランはあるので》


 …………ニコ。


 ニコっと微笑まれても、……イケメンが笑うと破壊力あるな。


「で、そのプランとやらはなんだ?」


《よくぞ、聞いて下さいました。成宮さんは私の"所為"で、地球の神が管理する輪廻から外れてしまいました。本来なら、地球で転生をする筈だったのですが…。その枠から外れてしまって、地球での転生は難しいのです。従って、私の管理する世界に、転生もしくは転移して頂きたい》


 きた~!!


 ここに来て転生若しくは転移物だと?

 ぶっちゃけ俺はプチオタ。

 ガッツリではないが、ファンタジーは好きな方だし乙ゲーも好きな根暗男子。

 まっ、好みが片寄ってるから役に立つのかは分からないけど……。


「ほ、本当に?」


《本当です》とサムズアップする神様に、僕もつられてサムズアップ!


《で!これから、成宮さんのご希望を伺いたいのですが?》


 ヤベーワクワクするぜ、顔がニヤケル嬉しい過ぎる。

 生まれ変われるなら……と何度願ったか!


「ええっと、希望ですか?希望は~そうですね~」


 俺は腕を組んで考える。


「因みに、神様の世界は文明進んでる?」


《いえ、全く進んでません。ですが剣と、魔法の世界ですね。成宮さんの世界で言うと、中世ヨーロッパが近いかと思います》


 おお~剣と魔法ワクワクする。


《フフッ、ワクワク。します?》


「そりゃって………。で、希望だよな?」


《………はい》ニコ。


 イケメンが笑うと、眩しい破壊力あるな。


「そうだな~剣と魔法、どっちも使える。は…できるの?」


《え? えぇ、出来ますよ》


「じゃ~ぁ、魔法は全属性で!言語は全て理解可能で。あっ!それと無限収納アイテムボックス異次元空間イベントリ(どっち

でも良いけど)を。それと、剣術に武術は全てオールマイティーで!」


 うん、まさにチート僕!完璧!


《えぇっえ?ちょっ、ちょっと待って下さい。い、幾らなんでもそれは》


 神様の制止を、聞く事もなく喋り続ける。


「あっ!それと転生より転移で容姿は、自分で言うのは恥ずかしい。けれど………美少年で、お願いします。出来れば若返りたい」


 何せ今までは、本当にドン底普通のモブだった。

 だからちょっと贅沢………したい。


 今までモテた試しがない暁彦は、この際我儘を通す事にする。


「あっ!それと」


《ストップ、ストップ》


 まだ続きがあると、喋り出そうとしたら神様に止められた!


「なんですか?まだ希望が有るんですが?」


《成宮さん、何に成るお積もりですか?勇者にでもなるのですか?》


「何って、普通に安全に困らないように?暮らせればと。スローライフ大事!てか、勇者ってクックッ、あんなもの絶対嫌!!」


 俺が勇者って?笑えるわ~無理!


《はぁ~》


 うぉ………溜め息付きやがった。


《確認ですが、"勇者"には成らないんですね?(安心です)》


「えっ?成りませんよ!あんなもの、利用されて終わりなんて。てか、そんなに危ない世界?」


《まっ、まぁそうですね~》


 困った顔して頷くしかない神様。


《…暮らせれば問題は無いんですよね?》


「あっ、読戒律が出来れば欲しいです。あとは……さっきの願いさえあれば、なんの問題もないです」


《ど、どくかい?》


「ええ、僕の願いは叶えてくれるのでしょ?」


 神様にニッコリ笑って問いかけると《えぇ、だ、大丈夫です……》と引き釣った笑顔と少しの間がある返事をした神様。


 だがしかし俺の希望は、まだ有るのだが…。




∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵∵


まだ旅立ちません。

あと、一話位だと、長くてすみません。



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