#2
《貴方は死にました。悪しからず……!》とにっこり笑って飛んでも無いことを言う神さんとやら。
「はっ? …え?はぁーー!」
死んだ? 俺がぁ?
……えっえっな、なんで?
何でやねん!
どこで?待て、良く思い出そうよ。
そう! こう言う時はまず深呼吸だ!
すぅ~すぅ~すぅぅぅ!
《成宮さん吐いて!息吐いて……でも君、息してないけどね。(笑) もう死んでるし」
知らない人が、あ……っ!神っていってたか。が、笑いながら混乱している俺にトドメを刺してくる。
突然死んだと言われ、自分の意識が遠退くのを押さえる様に眉間に指を当てて考える。
で、俺はここで目覚める前の出来事を必死に思い出そうとする。
まてまて俺はさっき迄どうしてた?
何して……。
そうだ!さっきまで俺は会社で仕事してた? そうだ……仕事だ!
ヤバい!!
あれ終わらせないとまた怒られるし!
思い出したよ、仕事しないとあれ終わらせて帰りたい。
こんな所で寝ている暇はない!
「えっと…………神様?」
《はい?》
「俺は帰るんで!」
でわ!とペコリと頭を下げ寝かされて居たベッドから立ち上がり歩こうとした。
《ちょ、ちょっと!ちょっと待って!貴方、何処に帰るのです?》
変なことを聞いてくるな…ちょっとイラ!
「何処って、仕事場に」
戻って、それから…家に帰ろうかと……。
《ふぅ…成宮さん?貴方まだ分かってないみたいなので、もう一度言いますよ?貴方はもう死んでしまったのです!貴方は何処にも帰る事は出来ないのです。分かりましたか?》
私ちゃんと言いましたよね!と神様が?強めの口調で言って来た。
「でも俺、仕事終わらせないとヤバい。マジであれ終わらせ……と…ん?」
そこで……ある光景が頭に浮かんでくる。
あれ?終わらせたか……あれ?
確か会社から自宅に帰る途中で……あれ?
「あの~本当に俺……死んだ?」
《はい!》
そんな………楽しそうに、ニコニコしながら言わないくれ。
《それはもう、あっさり》
「苦しまず?」
《苦しまず、ポックリ》ニコリ。
「因みに………死因は?」
と聞くと、神様少しキョドる。
あれ?なんでキョドってる?
うん、これは聞く権利があるな!俺は当事者だ!俺は神様をじぃ~っと睨み付ける。
神様…………何故か汗だくになってる。
すると、神様…何処からかハンカチを出して汗拭き出したよ!
(へぇ…汗って出るんだねぇ~神なのに?)
「"か み さ ま"? 俺の死因は?」
もう一度ゆっくり聞いてみた。
すると、神様突然ジャンピング土下座モード………なんで?
「神様……で?!」
「で?!」と強めに聞き直すと、神様土下座しながら説明し始めて、今度は土下座からの正座にシフトチェンジして説明してくれる。
俺はベッドに座り直して腕を組みしながら神様を見下ろして言い訳を聞く体勢に。
《あのですね。成宮さんは………わ、私の不注意で……》語尾が小さくて聞こえないのですが?
「で? 聞こえないですよ? それに不注意?」
《はっはい!私の不注意で、死んでしまいました。ちょっと時限の解れを、こ~ちょいちょいっと直してたら。うっかりそちらの世界に干渉してしまい。その…工事現場の鉄骨に、うっかり触ってしまって。あっ!と思ったら落ちゃいまして。その時偶々?ふらふらしながら、歩いておられた成宮さんの上に、こお~ドンと》
そう言いながら手で、ジェスチャーして言い切った!!と、ガッポーズする神様。
その言葉を聞いた俺は、ガク!っと項垂れた。
………なんだそれ!
あ~思い出したかも、そうそう歩いてた。
工事中のビルの辺りを歩いてたね。
んで、なんか周りが騒いでたかも。
騒いでた人たち…上見てたな?
僕も釣られて上見たな……その、あとの記憶が……。
《そうです。そしてお亡くなりなりました》
すみません。と、しおらしく言うが。
簡単に、『はい!そうですか。なら、仕方がないですね』
…とはいかないよね?誰に聞いてるのか??
「俺は貴方の所為で、死んだんですね?」
《ずみばぜん~。私があの時間違えて、成宮さんを死なせてしまい。今ここに来て貰いましたぁ~》
泣いて謝る神様…………。
「はぁ~。つまり事故……だったと?」
《ええ…はい》
「……何か疲れた」
しっかし死んだかぁ~。
まぁ、いっか死ぬんだしね。
なんて、思ったら気楽になってきた。
《あの~?》
「なんです?」
《私の事、放っておかれてません?》
(おっと、忘れてたわ)
《忘れないで下さいょ~》
トホホと、涙目になってる神様がしょんぼりしてる姿を見たら笑えてきた。ハハハッ。
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