第22話 計画どおり
しばらくして私は懐妊した。表向きは王太子の子供だ。
私は幻影魔法を使い、王太子に何度も私と閨をともにしていると思い込ませた。
我がヴァーナリアン公爵家にはお抱えの魔導士がいる。彼らは王家の魔導士よりもレベルが高いので、誰にも気づかれずにこんな魔法を使う。
幻影魔法は基本は禁忌であるが、王妃様、第2王子、王太子妃が使う事を認めているので問題ない。
王太子は執務を私に押し付け、愛妾達のところに入り浸っている。
まぁ、実の親である国王も同じようなものなので仕方ない。
実質この国を動かしているのは、王妃様と宰相である我が父、第2王子のレオン、そして側妃の私だ。
レオンが書いたシナリオ通りに事は運んでいる。
十月十日経ち、私は第2王子カインロッドを産んだ。
カインロッドと第1王子のランドルフは兄弟のように仲が良かった。
まぁ表向きは兄弟だ。腹違いでも仲の良い兄弟はいる。
我が国は王太子の正妃と側妃の仲がいいので、息子達も仲が良いと周りの人達は捉えているようだ。
カインロッドが5歳になった時、国王が亡くなった。病死と発表されたが、愛妾とまぐわっている時に心臓発作を起こしたらしい。
精力を増強する薬を愛用していたらしく、副作用で心臓発作を起こしたようだ。
その薬を作っていた薬師は裏でレオンと繋がっていることは私達しか知らない。
もちろんちゃんと精力は増強していたので国王には思い残すことがないようにお楽しみいただいた。
次の国王になったのはもちろんあの馬鹿王太子だ。
国王になっても何も変わらない。
シンシアは王妃になった。病弱な王妃はほとんど表舞台には登場しない。全く出ないといないのではないかと噂れても困るので、私と一緒にお茶会などを開催し、少し時間が経つと、体調が良くないと言って帰る。そうすることで病弱な王妃を周りに印象づけていた。
そして、私達の計画は次の段階に入った。
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