第6話 王家のお茶会から招待を受けました
お茶会以来、我が家とメイラック家の距離はぐっと縮まった。
私は知らなかったがメイラック夫妻と父母は学園の同級生で昔から仲が良かったらしい。
今までは侯爵家と男爵家だったので社交の場で遭遇しなかったそうだが我が家が侯爵家になったので、これからは気にせず会えるとメイラック夫人は喜んでいた。
「ミレーヌちゃんがうちのレナードのお嫁さんになってくれたらうれしいわ。今までは爵位が違うからお嫁に来てもミレーヌちゃんが苦労するかと思って諦めていたのだけれど、今なら問題ないわ」
メイラック夫人は嬉しそうに微笑む。やはり、男爵家から侯爵家に嫁ぐのは難しいらしい。嫁げたとしても社交の場でゼロンナ夫人のような人に虐められるそうだ。貴族の世界はいやらしいなぁ。
しばらくしてお姉さまとレナード様の婚約が整った。
とりあえず「真実の愛」どおりになった。あとは王太子に横恋慕されないように気をつけなければならない。
「今度、王家主催のお茶会がある。婚約者のいない10歳以下の女児が招待されるそうでうちにも招待状がきたがアンジェラどうする?」
「王家からの招待状では断れないですわね」
いよいよ、王太子と会うのか。
「真実の愛」ではアンジェラは学園で王太子と会ったから、やはり話がかなり変わっているんだな。
「アンジェラ、今回は断れない。行ってくれるか?」
父は苦虫を噛み潰したような顔をしている。私を行かせたくないみたいだ。
「行きますわ。王家のお茶会ならきっと美味しいものが色々出るでしょう、多分リンジーもくるだろうし、食べまくってきます」
私は心配そうな父に向かって微笑んだ。
この国には王子がふたりいる。
それは「真実の愛」と同じだ。
第一王子のランドルフ殿下は正妃の子供だけど正妃は子爵家出身で身分が低い。学園で国王と知り合い恋に落ちたそうだ。国民はシンデレラストーリーだと持て囃したが真実はなかなかドロドロしていたらしい。
まぁ、愛する正妃の子供なので、国王は第一王子のランドルフ殿下を溺愛しているとい噂だ。
正妃ではあるが、所詮は子爵令嬢、王妃としての執務ができるレベルではない。そこで国王は側妃を迎えた。側妃になったのは筆頭公爵の令嬢だ。その令嬢との間に産まれたのが第二王子のカインロッド殿下。愛する妻がいるのに好きでもない側妃ともやることはやるのね。なんだか嫌だわ。
カインロッド殿下は筆頭侯爵家の孫という後ろ盾はあるが、国王からは愛されていない。どちらが王太子になるか、どちらにつくのか、貴族は二つに分かれていた。
我が家は中立派だ。父はなぜだかわからないが王家と関わりを持ちたがらないのでどちらが王太子になっても支持しないと思っているのかな?
私はミレーヌお姉さまがランドルフ殿下に無理矢理婚約者にされるのを防ぎたい。
今度のお茶会にはお姉さまは出ないから安心だ。私は興味本位で糞王太子だったランドルフ殿下を生で見てみたい好奇心もあり、参加する事にした。
ランドルフ殿下、どんな阿呆ズラか楽しみだわ。
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