禁軍へ(其の二)
これには
責められるべきは
「そうか」と、
「まったくです」と、
「
「むろん、私を打ち負かしたのですから、私と代わるべきでしょう」
「総大将にせよと?」
「なるほど。おぬしの目に
「しかし、あれほどの武人。まずは閣下御自身で確かめるが肝要かと。私には少々荷が重すぎました」
果たしてどのような仕合であったのか。
返す返すも自ら出向かなかった判断が悔やまれた。
黙然と考え込んでいた
「あの者について、何か気になる点はなかったか。何でもいい」
二人は不思議そうに顔を見合わせたが、ふと思いついたように
「そういえば、あの者の内力は尋常ではありませんでした」
「そうだ!」と、
「そうなのだ。俺の知る限り、あれほどの内力を持つ者は閣下しかおらぬ。われら常人の修練では決して身につくものではない」
では、
(もしや、魔性を帯びた者なのでは?)
いったんそんな考えに引っかかると、容易に振り払えなかった。
魔物の森の奥深く、何かしら異常な事態に遭遇し、偶然か必然か、超級魔獣の力を内に取り込んだのであろう。
(あの
「気になる点がもう一つ」と、
「何だ」
「仕合の後、あの者はおかしなことを口走っていました」
「この勝利には納得がいかぬと」
「
「それは俺が決める」と、
「実はあの者、今回の結果に納得できぬと申しまして」
「なに?」
「
それが事実なら、この結果もむしろ納得なのだが。
しかし、
「言いがかりだ。なぜそのようなことを言うのか知らぬが、俺は手加減などしておらぬ。そも、あの者がそのように生ぬるい相手でないことは、
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