冥界四天王
四体の魔獣は、むろん、
一見人を
別個体である以上、魔人にはそれぞれ個性があり、違う能力、性質を有していたが、人族にそのことを知る者はほとんどいなかった。
戦場で魔人の姿を目撃する機会がそもそもなかったためで、戦闘力は、たとえ下位の魔獣でも、人族の兵を遙かに凌駕しており、魔人が前線まで出張らずとも、魔族の軍団は人族の集落を易々蹂躙し、殺戮を恣にしていたし、魔人が一体ではないことを知る者すら稀なのであった。
魔人には各々名もあったが、後世知られることになるその名が、実の名ではないことも明らかで、後の史家が、資料に基づき便宜上名づけたものであろうとの説が有力である。
魔人には序列があり、能力差も存在したというが、この点も詳細は不明であった。
「防魔戦役史」を編纂した
とはいえ、ほんとうの名は知りようもないので、当時の情勢を推し量るのなら、やはりここを出発点とするよりなさそうである。
魔人はみな、髪、爪といった
しかし、魔人がきわめて人族に近い性向を有していたのも確かなようで、得手不得手があったり、知力や膂力にも著しい差異があったという。
人の
殊に、
常に
魔神の荒淫に耐え得る者はなく、皆たちまち絶命してしまう。
したがって、軍を率いて戦場に立つことはなかったが、しかし、そのような機会が訪れれば、充分に役割を果たしたであろう。
女型とはいえ、魔力、武力とも均衡のとれたきわめて優れた魔人であった。
「防魔戦役史」には、
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