第60話 変化

朝、学校へ着き教室へ行くと何やらざわついていた。


「おい、これ分かるか?」

「いや、わからんな……」

「誰かわかるやついるか?」


どうやら問題が分からずに四苦八しくはっくしてる様子だ。ここは難関校。こういったことは日常茶飯事だろう。

仕方ない……。


「ちょっと、どけ……!」


俺はそう言うと、皆の間をスルスルと抜かながら問題に行き着く。

そして、問題を見る。

なるほど、これは確かに難問だ。

だが、要点さえ分かれば大したことは無い。


「これは言ってることは難しく感じるかもしれないが要するにここをこう解いて……更にこうやって……」


流石は一応名門校……とてもいい問題を出す…………。

心の中で感心すると、皆が『なるほどと言いながら』頷く。


「どうだ?理解出来たか?」

「お、おう。赤星ありがとう……先生の説明よりわかりやすかったぞ」

「そうか……なら良かった」


俺はそう言うと、スタスタと席に着いた。

すると、皆が集まりだしてくる。


「どうした?」

「いや、あのな。」

「赤星。お前変わったな…………前はもっと近寄り難い感じだったのになんと言うか……丸くなったな!!」

「そうそう……!」

「そう……か?」


いや、もしかしたらそうかもしれない。

様々な縁に巡り会って俺は変われたかもしれないな。



「そうだ!!今日のカラオケお前も来いよ!?」







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る